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んじゃ、頑張ろう!

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 俺は再び飯を食うのを再開する。俺がまた飯をウマウマと食べていると、アリサの飯も運ばれてきた。さっき、「キルおじさん」と呼ばれていたおじいさんが持ってきた。


 ついでに、


「なんだ?お前泣いたのか?まあ、お前の事には強く言わないが、出来るだけ泣かないようにしろ。お前が泣くと、大変なことになる可能性があるかもしれないからな。」


「べ、別にあたしは泣いていないわよ!いいからご飯ここにおいて!」


「はいはい、どうぞ。これが『ダカウの甘辛炒め』だ。残さずに全部食えよ。泣いたことはみんなに黙っててもらうから安心しておけ。」


「だ・か・ら!泣いてないって言ってるでしょ!あたし(・・・)は!ご飯もちゃんと全部食べるし....」


「分かった。分かったそういうことにしておくからな。」


「も~!いいわよ!そう思ってくれれば!」


そういって、アリサはそっぽを向いた。そしてすぐに


「あ、キルおじさん、あとでメルカおじさんにも話したいことがあるから、ご飯食べたら呼んでほしいの。」


「あ?分かったよ。飯を食ったら声をかけてくれ。厨房の方にいるぞ。」


そういって「キルおじさん」は厨房の方に歩いて行った。


 う~ん、アリサはやっぱり本来の自分をあまり見せていなかった感じだな。いや、もしかしたら気が付いていないふりをしているだけの可能性も濃厚だけどな。


 まあとにかく、お世話になっていたようだし、話し合って来るかどうかを決めるのだろう。確かに、自分で分からなかったら信頼している誰かに相談するのが一番だしな。


 それからしばらくして.....もうすぐ飯が無くなりそうだ。俺としては十分満足できたからよかったけどな。それにしても、どこで材料が売ってるんだろ?後で聞いてみよう。そしたら、買って帰れるし。あと、しょうゆと味噌の入手法でも聞いてみようかな?さすがに無理かな?まあまあまあ、聞けばわかることだし、聞いてみないことには始まらないな。


 俺はそう考えながら、モリンジの飾り切りを食べ、飯を食い終わった。もちろん、「ごちそうさまでした。」と言ったからね?


 またしても別に言い訳のする必要がないのに内心で言い訳をしていると、アリサが、

どうでもいいだろうけど。


「あ、ありがとうね。わたし(・・・)が本来の自分を隠していることをことを黙っててくれて。えーと?」


「ああごめん、名前を言っていなかったね。俺は蒼汰。ソータと呼んでくれ。」


「分かった。ソータ、さっきあなたに言われたばっかりだけど、私はあなたのことを信用できる感じがするの。何ていえばいいんだろう...ソータにはそういう人を安心させるような優しい雰囲気があるの。それのせいというべきなのか、それのおかげというべきなのか、私はあなたを信用できると思うの。


 もちろん、その印象だけにとらわれるようなことはしないけど。」


.....そういわれたら、確かに今まで出会った動物、人には大体信頼....ではないけど、信用は最初からされていたな。....あれ?前にも似たようなことを考えてたわ。あんときはスキルのおかげだということにしていたけど、説明を見た感じだと、あまり関係がなさそうだったんだよな....ほんとになんでやろ?


 そんな現在解明不可能の問題は頭の隅に仕舞っておいて、思ったことを言ってもいいか?良くないっつても言うからな?


 ・・・アリサの切り替えのタイミングがわからん。急に切り替わるからな。まあ、いうてもどっちもアリサの姿であることのは間違いないからね。そこまで気にしなくてもいいか。


 それから、しばらくしてアリサは飯を全部食い終わった。


「それじゃ、食器は向こうに回収する場所があるからトレーごと持って行って置くのよ!わかった?ソータ!」


「分かった。分かったから、近くで大声を出すな。耳に響くだろ。」


「いいでしょ、別に。こういう時にはつい声が大きくなっちゃうんだし。」


「はあ。まあいいや。んじゃ、持って行っておくから、アリサは「キルおじさん」とやらに声をかけに行きな。」


「いや、でも.....」


「いいから、持って行くから。早くいきな。」


「そこじゃなくてね....ソータ、あなた気づいてる?厨房の方に食器を置きに行くのよ?声を掛けに行くついでに食器も持って行くわよ。」


そういってさっさと持って行った。....確かにその方がはえーわ。まあ俺は持って行って、他に座ろうとしてる人がいなかったら、座って待っているか....また後でアリサが言いに来るだろうし。


 それから俺はいろいろと構想を練っていた。内容は次はどんな道具が必要なのかや、ゼリージさんが派遣してくれるという、お手伝いさんの家の構造も考えておきたいからね。中の構造は分からないけど、家の周りに石が多くあるから、それをちょっと使って家でも作ってみるか。ついでにアラガン鉱石とかの仕分けもすれば、家の資源にもできるから、無駄もなくなるし。


 .....よく考えたら、また新しく人が来るって話だけど、3,4人は来るな。だから、結構大きなものにしないといけないぞ。ってことは、これから来る技術者の力も借りないとつくりきれんな。


 そうだとしたら、新しくつくる家の模型でも作っておいて、いい感じに本人達に修正してもらえばいいか。


 そうなると....家具とか、家ができるまでに住む仮のテントとか作っておかないと。今ある家の方は多くても二人が限界だしな。ってことは、大量の素材、家具とかなら毛皮とかが多くいるな。そして、この町で布とかも見つけて材料にしよう。


 となれば....買うものをどっかに目もしておければな....プレートのどこかに....そんな都合の良すぎることはないか。


 ....逆に言えば、今までがうまくいきすぎていたんだよ。反省反省。何事も必ずうまくいくと思ってなんとなくで行動していたら、いつか必ず、命取りになるだろうから、早く気づけてよかったかな。


 そんな風にしばらくこれからのことを想像していると、いつの間にかアリサが戻ってきていた。


「ちょっと!さっきから何度も話しかけてるのになんで気づかないのよ!またじゃない!」


「ごめんて。ちょっと、家に戻って作るものについていろいろと考えてたんだ。ゼリージさんが家に技術者を派遣してくれるらしいからね。それなら住むところも作らないとなって思ってね。」


「そう、それならよかったわ!てっきり、またあたしを無視しているのかと思ったわ!....やっぱり、勝負するべきかしら?」


また言ってる...別にいいやろ...っていうか...


「アリサ、結局どんな結論になったんだ?」


「それね。それは...」


こんな風にもったいぶるようにしてあえて反応を見ているという感じだ。結構貯めるなあ。なら...

「言わないのか?それなら、別に言わなくてもいいけど、答えが分からないからどのみち、連れていけなくなるぞ。」


まあ、こういえば反応でどっちかがわかるけどな。


「....分かったわよ!わたし(・・・)はあなたについていくことにした。もちろん、あなたの言ったとおり、まだあなたのことは信用しきってはいないけど、少なくとも、ここで必要な時以外ずっと籠っているのも嫌だからね。だから行くことにしたの。」


「よし、分かった。なら、明日またこの町でやることがあるから、終わったら、呼びに行くからそれまで待っててくれ。」


「分かった。待っておく。」


....今思ったが、また一つ仮面が増えてないか?まあ、それが彼女なりの警戒の仕方ということだろう。まあ、俺からしたら、どの顔もアリサ自身の顔だから、口出しとかはしないけど。....もしくはあれは興奮していただけでいつもはこんな感じなだけかもな。


 そろそろ寝ないとな。結構闇も深くなってきたし。さっきまでいたお客さん方もほとんどいなくなってるし。


「それじゃあ、もう今日は夜も遅くなってきたし、そろそろ寝るか。」


そういって、俺は席を立つ。しかし、アリサが俺を引き留め、


「ねえ、ちょっとまって。ここじゃ話せない話したいことがあるの。だから、あとでわたしの部屋に来て。「バンガル」という部屋だから。」


・・・・・はっ?どゆこと?いや、要件はもちろんわかっているけどさ、普通、今日会ったばかりの人を自分の部屋に招くか?そう思い、聞いてみると、アリサは


「大丈夫よ!どうせ明日から一緒に住むことになるんだし。それとも何?何か起こるかもって期待してる?」


「んなわけねえだろ。流石に警戒心が薄くないかってことだからな?」


「ご心配ありがとう。だけどね、それよりも重要な話なの!本当にあたしのことが大丈夫なのかっていうね。」


「どういうことだ?」


「はあ、だからそれを部屋で話すって言ってるでしょ!とにかく来て!わかったわね!拒否権はないからね!」


「わかった...だけど、他にも色々とやらないといけないことがあるから、少し遅くなるかもしれないがいいか?」


「いいわよ!ちょうどあたしも最後に温泉に入りたかったしね!それじゃ、来たときはドアをノックしてね。いなかったら温泉に入ってるってことだから、ドアの前で待っておいてね。」


「はいはい、そうしておくよ。」


そういって俺は部屋に戻った。途中でアリサの泊まっているという部屋も確認しておいた。


 ....にしても、重要な話?なんなんにゃろな?・・・あっ!あの角と耳の事かな?明らかに訳ありぽかったし、さっきはまた髪で隠れていた...よな?いや、でもあそこまで見えないか?


 ....それも含めて話すってことだろ。なら今は気にしないでいいか。


 んじゃ、温泉があるって話だから、入ってこようかね。


 そして俺はメルカさんに温泉の場所を教えてもらい、温泉に入りに脱衣所に来た。まあ、男女ちゃんと分けられていたから、お約束のようなことは起こらないから安心だ。一応、エルスさんに言っておくか。


『あの~、エルスさん?見ているんだったら今のうちにできれば映像を切っておいてください。むしろ切ってください。流石に温泉に入っているときはプライバシーの問題がありますからね。お願いしますよ。』


反応は...ないね。


 いうても、家にいるときも何回か裸になって体や髪を洗っていたから、見られてはいそうだな。そうだとしても、見られてると分かったから、恥ずかしいし。まあ、エルスさんが聞いてくれるかは分からないけど。


....おっ?何か聞こえてきたな。ええと?


『先輩!なんで頭をはたくんですか!?』


『当たり前だろ。何で温泉に入ろうとしている蒼汰君を見ようとしているんだよ?ちゃんと「プライバシーの問題がある」って言ってただろ。なに聞こえないのをいいことにのぞこうとしているんだ?』


『だって、蒼汰さん、服の上からでも分かるくらいは筋肉が付いているんですよ?そりゃあもちろん見てみたいですよ。絶対腹筋とか割れているでしょうし。』


『全然言い訳にならん。今日はもう見るのをやめて寝ろ。お前は寝不足のせいというのが失敗の原因の一つだからな。』


『うう、なんとも言い返せません....分かりました...もう今日は寝ます...はあ、明日もできるだけ蒼汰さんとボルダルスを見れるように頑張りましょう...(明日もお仕事頑張りましょう)』


『おい、確実に今お前、心の声と建前が逆になっていただろ。話す必要がありそうだな?』


『お、おやすみなさい!先輩!ではまた明日!』


そう聞こえ、バタバタとした足音が遠ざかっていった。


『はあ、すまんな。蒼汰君。またあいつがやらかしたみたいで。マイクはまた入ってるしな。あいつも悪意があってやってるわけではない感じだからそこは勘弁してやってくれ。』


『は、はあ....別に俺は大丈夫ですけど...大変そうですね。』


『まあ、これまでに何人かあいつの指導をあきらめたやつがいるくらいだからな。そりゃそうだよ。っと、話はここまでにして、今からマイクと映像を切るから、十分にリラックスして温泉に入っていいからな。』


『はい、それではおやすみなさい。』


『ああ、ちゃんと休めよ。おやすみ。』


そういって音が途切れた。映像がいっているかは確認できないけど、大丈夫だろう。真面目な感じだし。

それじゃあ、入るか。


 え?着替えの服がないって?大丈夫。今着ている服から汚れとにおいとを分ければいいしな。何なら、毛皮もあるから、それでパジャマみたいなものも作るのもいいしな。うん、そうしよう。温泉に入って話を聞いたら、作ろう。


 それじゃ、入りますか。


 俺は服をすべて脱ぎ、ドアを開けた。すると、そこには広々とした、石畳の床があり、石の湯船の温泉があって、壁には湿気を吸収しやすそうなヒノキのような見た目の木の板が張ってある。そのおかげで落ち着ける空間になっており、俺の好みの空間だった。


 さすがにシャワーなどはなかったため、桶で温泉のお湯を使って洗えということだろう。


 とりあえず、桶でお湯をすくい、指をつけてみる。大体....うん、40度ぐらいかな。今の気温だと、ちょうどよく汗を流せる感じだな。


 俺は、体に桶ですくったお湯を体にかける。やはり、最初は熱く感じたが、だんだんその熱さになれていった。


 .....というか、ここにはシャンプーとかないな。...石鹸があるから、これで体と頭を洗うか....チャチャっと洗おう。


 俺は石鹸を泡立て、頭を洗い、体も洗った。そして、桶に入れておいたお湯で手の泡を洗い流し、一度中のお湯を流し、また新たにお湯をすくった。それをまずは頭にかけ、泡を流していく。頭の泡を流し終わったら、体にもお湯をかけて泡を流していく。まあ、ほとんど頭を流した時にほとんど一緒に流れっていったけどな。


 いよし、それじゃあ湯船に浸かりますか。


 そうして、俺は浴槽に入る。と、そこで....


「おっ?さっきアリサと一緒に飯食ってた客じゃねえか。奇遇だな。どうだ?ここの温泉はいいだろう?うちの自慢の一つなんだ。あとで、どっちが長く入れるか勝負でもしてみるか?そっちが勝ったら、温泉上がりの飲み物をやるぞ。」


えっと、この人は「キルおじさん」って呼ばれてた人だな。勝負の件は.....受けてみようかな?結構、長風呂できる自信あるし。


「はい、勝負しましょう!ええと...」


やばい、名前を聞かないと。流石にアリサみたく「キルおじさん」って呼ぶわけにもいかないし。


「おっ、中々好戦的じゃないか?んん?それじゃ、一旦、上がっておいてくれ。俺が体を洗うまで入ってたら不公平だからな。あ、ため口なのは許してくれ。今は接客目的ではないからな。」


「分かりました。....何て呼べばいいですか?ちなみに俺はソータと言います。」


「おお、自己紹介ありがとうな。ソータ君か。俺は「キリュウ・ティーキ」だ。気軽にキリュウとでも呼びな。それか、親しいやつが使うあだ名として「キル」と呼ぶが....お前も呼ぶか?」


「いえ、キリュウさんと呼ばせてもらいます。」


そのごっつい見た目で「キルさん」何て呼んだらやばい雰囲気しかしないし。


 ちなみに、さっき接客していたときは分からなかったが、かなりの筋肉量がある。それも、ボディビルダーレベルで。動画とかを見ててああいう人たちの画像が流れてきた時はどうやってあんな体格になるか謎だったけど....頑張ればなれんのか....?まあ目指す気はないけども。そして、やっぱり頭に疑問符は浮かんだままだったが。しばらく考えたところで頭に疑問符にふたをすることにした。


 俺が相も変わらず今考えても仕方がないことを考えていたら、キリュウさんが、


「そういや、アリサがお前の所に行くって話だったな。お前にもちゃんと話をしてもらおうか。」


....ってなことで、俺も話をすることになったのだった。


 いかがでしたでしょうか?今回はアリサが蒼汰の所に行く決断をしましたね。はたして、アリサは蒼汰の家族(蒼汰の家の動物たち)と仲良くできるのでしょうかね?....みんな優しいから大丈夫でしょう。


 来週の投稿も来週の金曜日の予定です。


 それでは、また次回お会いしましょう。


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