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これは....興味沸くね。

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 頭の中にさっきからずっと声が聞こえる。大丈夫。幻聴じゃないので。


 にしても、何喋ってるんだろ?と思って内容を聞いていたら、どうやら、俺をこの世界に送ってくれた神様が「先輩」と呼んでいる人に文句を言っていたり、説教を食らったりしているらしい。


 まさかの、あの冒険者証明書の「神からの贈り物(お詫びの品)」ってところに書かれてたことはミスではなく、反省の印として書かれた?書かされた?らしい。


 しかし、俺の様子を暇な時に見るって何!?プライバシーは守られていないのか?....まあ別にみられても困るようなことなんてしていないからいいんだけどね。


 だけど、話を聞いていると、あの送り出してくれた神様は(名前が冒険者証明書にあったので、「エルスさん」と呼ぶことにする。)新人のようで今までに何度か失敗しているようだ。しかも、今も俺に聞こえてることに気が付いていない様子。ドジなんだな。


 というか、エルスさんに説教をしている「先輩」は声やしゃべり方だけ聞くと、性別の判別がつかない。ちょっと声が低い大人の女性の声にも聞こえれば、逆に声が少し高い男性のようにも聞こえる。正直、どっちでもいいんだが。


 それから少しすると、話が終わってようやくこっちにも聞こえてることに気が付いたようで、(マイクで話してて聞こえてたんだな。)俺に


『あの~。蒼汰さん?聞こえてますか~?』


と聞いてきた。


 これはあれだな。俺が聞こえてなかった設定で言ってるんだな。聞こえてたってわかっているけどみたいな感じで。


『違いますよ。ちゃんと話をするときはこういう呼びかけから始めようとさっき決めたんです!だから、決して会話が聞かれてたことが恥ずかしくて気を取り直そうと改めて声をかけたというわけではないですからね?』


おおう....全部答えてくれた...


 ともかく、


『あの~、神様の名前って、エルスさん?で合ってますよね?』


『はい、そうですけど、それがどうかしたんですか?』


『いや、さっきの話を聞いていたら、他にも神様がいるようなので、名前で呼んだ方が分かりやすいかなー。と思って....名前で呼んでいいかを確認しようと思ったんですよ。』


俺がそう聞くと、何やら、イスが倒れたような音が聞こえてきたが、


『べ、別に構いませんよ?』


と返ってきた。同様の具合から見てもしかしたら嫌なのかな?と思い、


『嫌なら無理に呼ぶということはないですよ?』


こう聞いてみた。


 すると、返ってきた答えは....


『いやいや、嫌とかじゃなくてですね、ただ単にそういう風に聞かれることがなかったからというか、何というか...つまりはそういうことです。』


はあ、そういうもんなのかねえ。一つ言っておかないと....


『あのー、エルスさん?ちょっと聞きたいこととがあるんですけど...』


『...早速名前で呼ばれた.....はい、何でしょう?』


なんか返事の前になんか言っていたが、「先輩」と話してたのかな?それはいいとして....


『別に責めるわけではないんですけど...話の中にあった暇なときに俺の様子を見てるってどういうことですか?ほかの方は見たりしないんですか?』


俺がそういうと、エルスさんはしょんぼりしたような声で、


『やっぱり見られるのは嫌でしたよね...すみません、これからはいつもの半分ぐらいしか見ないので....』


いや、結局は見るんかい!いや、そうじゃなくて、


『別にいやって訳ではないですけど、あの先輩?という方が言った感じではいつも俺の様子しか見ていないみたいなことに聞こえましたけど...あ、別に自意識過剰とかではないですからね。』


『私が蒼汰さんの様子しか見ていないのはほんとです。ですが、それは主に私が送り出した人がどういう風に生活しているかを知りたいから見ているって感じですかね。他の理由としては神々は送り出した人と自分の信者からか、長期休暇中の自由旅行でしか下の世界の様子を見れないのです。だから、私は下の世界の様子を見たいから、蒼汰さんの様子を見てしまいがちになるのです。小さい頃は絵本でしか下の世界の様子は知れませんでしたからね。』


 なるほろね。確かに好奇心とか探究心は大事だと思うから、それは深めていってほしいな。俺もそのうちの一人だから、気持ちはよくわかるし。


 あ!あと一つ聞きたいことがあるんだった!


『エルスさん、よく話に出てくる「創造神様」ってどんな神なんですか?』


『ああ、創造神様は....』


『それなら私が話そう。創造神様の事なら私の方が知っているしな。急にすまんな。私はさっきエルスに「先輩」と呼ばれていた、「ルルナ」という。よろしく。』


『へっ?あっ、よろしくお願いします?』


『それでは創造神様について話していくぞ。前にエルスがちらっと漏らしたと思うが、創造主様とは別だぞ。


 まず、創造主様は元々いた創造神様からこの世界の管理を代わりに任された神界と下の世界、地球の現最高責任・管理者だ。創造主様は最高責任者であるため、世界のルールを少しだけ変えることはできる。だが、大きく変えることはできず、主に創造神様が作り出したスキルの新しく見つけ出されたことについての、追加で説明をつけ足すことが主な仕事だ。それと、私たちを生み出した親でもある。


 そして、創造神様はこの神界や神界の下の世界、「ボルダルス」を作ったと言われている。また、「ボルダルス」のルールやスキル、全ての動物を生み出したと言われている。また、地球は自然に発生したもので創造神様が作ったわけではないぞ。それでも見つけたからには管理をし始めたという感じらしい。とはいっても主に「ボルダルス」をよく見ていたから、たまにしか地球の様子を見ていなかったらしいがな。


 地球に神話があっただろ?あれは創造神様が関係したものが多いとこっちでも言われている。真偽は定かではないがな。


そして、創造神様は言い伝えによると、自分が生み出した神たちにあとのことは全て任せ、人間となり地球で生を謳歌したそうだ。これは絶対に本当の事であるとみんなは疑っていないぞ。なにせ、現に創造主様が言っていたことだしな。見たものも一切いないというし。』


 そうなん!?なんか、意外だな。にしても、「創造神様」の説明はらしいとかいるとかで曖昧過ぎでは!?


 と思い、聞いてみたところ、


『それのことだが、さっきも言ったように創造神様の話は言い伝えでしか聞いていない。それに、人は勘違いしがちだが、寿命は人の5倍ほどしかない。まあ、「ボルダルス」に人の寿命の10倍長く生きたものがいるから、よく勘違いされがちだが。とはいっても、寿命を捨てて永遠に生きるという選択肢を取るものもいるがな。


 そのうちの一人が創造主様でこの方は創造神様が初めに生み出したと言われている。そして、創造神様が直属に生み出した神はあと四神ほどいるそうなんだが現在は行方不明だそうだ。

 つまり、実質創造神様を知っているのは創造主様しかいなく、創造主様に聞いても詳しくは話してもらえないため、言い伝えとしてしか知られていない。』


なんか、少しだけ「創造神様」と神々の関係については知れたかもな。


 それはそうとして、神にも寿命ってあったんだな。どのくらいかな?


『あの、神様たちの寿命を捨てなった場合の最高寿命と最低寿命ってどれぐらいですか?』


『ああ、具体的に言ってなかったな。寿命を捨てなかった場合は、500歳前後が限界と言われていて、一番短くても200歳前後は生きられるぞ。


 ちなみにだが、私たちよりも長く生きられる「ボルダルス」の種族は基本的に300歳から800歳までは生きられる。稀に1000歳以上生きる者もいるらしいが。「ミステリアス」と呼ばれており、その名の通り、正式な種族名や正体についてはほとんど知られていない。なぜか、この種族だけはほとんどの神々は知ることを禁忌とされている。とは言っても平均年齢だけは知ることができるという、結局、それもなぜなのかが全く分かっていない種族だ。このような情報しか提供できないことでもわかるだろう?』


 確かに....気になるわ~。逆に会ってみたいよ。まあ、偶然出会ったところでそもそもわからないからな。それと、ありがちな考え方で行くと、何か、創造神が知られたくないことを隠しているように思えるな。何はともあれ、


『ありがとうございます。ルルナさん。そこまでの知識はなかったので、とてもためになりました。僕も「ミステリアス」についての情報も集めていきたいと思いますので、何か分かったら、言いますね。』


『おう、別に気にしなくていいぞ。それと、もし何かわかった時はこっちから話しかけるから気にしなくて大丈夫だ。どうせ、エルスが様子を見ているだろうしな。』


『えっと、あっ、はい。確かにそうです。でも、先輩、わざわざ言う必要なくないですか?』


『別にいいだろう?それとも、何か言われて困るようなことでもあるのか?』


『それは....ないですけど!』


『その絶妙な間が気にになるが....それならいいな?』


『はい、もうそれでいいです....』


『?なんでそんな諦めたような顔をしているんだ?私が何かそんなことしたか?』


『いえ、してないですけど....せめて、察してくださいよ!』


『........何をだ?』


『やっぱりもういいです。どうせ、先輩には分からないでしょうから。』


『なら、別に気にしなくていいか。.....ああ、失敗のことをまた長く引きずる感じか。これは』


......何だろう、この仲がいい人が近くで話しているような疎外感は....なんか気まずいんだよな~。しかも、自分から話しかけに行くのにも大分勇気がいるんだよな.....まあ、楽しそうにしているのならいいとは思うけど。でも、そろそろ飯食いたいから、言おう。


『あの~、すみません、もうそろそろご飯が食べたいので.....』


『おっと、すまんな。それじゃあ、また話しかけることもあるから、その時はちゃんと反応してくれよな。』


『はい、分かりました。今日はいろいろな情報をありがとうございました。』


『それでは蒼汰さん、また今度お話ししましょう。』


『はい、エルスさんも仕事、頑張ってくださいね。』


『えっと、出来るだけうまくできるように頑張ります....』


『では、蒼汰くん、マイクを切るぞ。それと、エルスはあとでちょっと話がある。』


『やっぱりですか.....まあ、自業自得なので当たり前ですけどね。諦めて説教を食らいましょう.....それでは蒼汰さん、さようなら。』


そういって、音が途切れた。色々面白いことが分かったな。最後、エルスさんが落ち込んでたけどね。そんなにルルナさんの説教が長いのだろうか?


 というか、思ったんだが、こっちの世界に図書館とかないかな?そしたら、神様たちにいちいち聞かないでいいから、迷惑もかけないだろうし。今度、ゼリージさんにでも聞いてみよう。その時はついでに言えに来てくれる人についても聞かないとな。結局それについての提案だけで詳しくは聞いてないからな。ウルガさんを見つけた時にでも言ってみよう。


 それはそうと、腹が減ったな。なにか食べよう。ここに来た時に飯か宿泊かって聞かれたから、ここの料理も食べていこう。


 俺は部屋を出て、食堂らしきところに行く。するとそこには何人かのご老人方が食事していた。


 たまたま食べている物が目に入ったが、みそ汁や白米らしきもの、サバの味噌煮や漬物っぽいものを食べていた。なぜ、「らしきもの」とか、「~っぽいもの」と言っているかというと、この世界の食べ物は基本的にそのままの味ではないから、ということだ。


 とりあえず、席に着き、メニューがあったのでそれを見る。そこには.....「サルバの味噌煮定食890サルサ」や、「ポルック肉の照り焼き定食780サルサ」、「ダカウの甘味噌炒め780サルサ」など様々なメニューが書かれていた。しかも、全部が「~定食」とついていて、どれも和風な名前になっている。


 俺が中でも一番気になったのが、「ダカウの焼肉炒め定食」ってやつだ。イメージ通りだったら、食べれたら、嬉しいし、どんな調味料や、材料が使われてるかが知れるしな。とはいっても、どれを頼んでもそうだが。


 ってことで頼みましょうや。あ、値段は860サルサね。やっぱり、1サルサ当たり1円と同じ価値なのだろうか?


 .....ともかく、注文は呼べば来るかな?ここまでの間に何度か大きい声で店員を呼んでいた人がいたからね。


「すみませーん、注文いいですかー?」


俺がそう言うと、受付にいたメルカさんとは違うおじいちゃんが来た。とはいっても、こっちの方が体ががっちりしていて強そうに見えるけど。それと、気が強そうだった。勝手な偏見だけどね。鋭い眼光や頭の表面だけ白髪なところも似合っている感じがする。


「はいはい。何を食べますか?」


おっと、そうだった。注文せねば。


「えっと、このダカウの焼肉炒め定食をください。」


俺はそう言って、1000サルサを出す。すると、そのおじいちゃんは140サルサをお釣りとして俺に渡し、


「わかりました。時間がかかることもありますが、そこはご了承ください。」


「はい、わかりました。」


そして、おじいちゃんはさっき来た方向に歩いて行った。これ言うと失礼だけど、思っていたより声が低くて、聞き取りにくさは多少あったんだよな。


 ....それにしても、これまた勝手な偏見だけど、さっきのおじいちゃんは父親にひげが長い、強者感のあふれ出る人だと思う。あの気圧される感じは親がそうじゃないとありえない感じだったで。そりゃ、そうでない人もいるけど、なんとなく親から受け継いだものだと思ったんだよな。


 そこはいいとして、一体どんな味なんだろ?おじいちゃんとかおばあちゃんの味に近そう。今周りを見渡してるけど、ご老人方しかいないよ?もちろん、厨房?らしきところにもね。正直、この一見騒がしく感じるけど、ほのぼのとした雰囲気は好きかな。


 俺が物珍し気に周りを見ているのを見て、ご老人方も微笑んでいる。それを受けて、なんだか気恥ずかしくなってしまったため、俺はおとなしく待つことにした。スキルの機能の整理をしながら。


 そして、しばらくすると、それは来た....


 いかがでしたでしょうか?今回は、誰とは言いませんが、前回の失敗を通して、「先輩」のルルナさんの存在を知ることができましたね。それは置いておいて、これから蒼汰が食べる料理はどんな味なんでしょうかね?もしかしたら、この食事を通して、これからの蒼汰の料理にインスピレーションをくれるかもしれません。はたして、どうなんでしょうかね...?


 さて、来週の投稿も金曜日の予定です。


 それでは、また次回お会いしましょう。

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