えーと、これは?
楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。
俺はおじいさんにお礼を言い、言われていた部屋に来た。
鍵を開け、ドアを開けると....そこにはホテルさながらの清潔感あふれる明るく、白が基調の部屋だった。部屋も所々に装飾があり、それがまたいい雰囲気を醸し出している。壁際に窓枠らしきものが取り付けられ、外の景色が見えるようになっているが、景色は当たり前だけど、町の風景であった。それでも、窓から絶景が見れそうなぐらいはおしゃれな部屋だった。
俺はなんとなくイメージしていた宿とは違い、綺麗な部屋であることの嬉しさとなんとなく、残念さを感じながら、荷物を置き、ここでようやく気が付いた。結局持ってきた毛皮と骨を売るのを忘れてしまったと。
はあ、いつも俺はこうやって後回しにして忘れるタイプなんだよなあ。しかも、細かいことを気にしないから、それにより重要なことも見逃してしまうんだよなあ。今までの自分を見直して、きちんと直していかんとなあ。いうても、何度目の反省かは知らんが。
とりあえず、毛皮と骨は明日売ることにして(もう忘れてRU~♪)、残りのスキルの機能を見ていこう。
どこまでいってたっけな?そうそう、「ストロングパワー」まで終わってたな。それじゃ、順番的に「隠蔽」のスキルの機能からだな。早速見ていく。
“隠蔽の機能「スキルの解析不可」はその名の通り、一部の生き物を除いて、能力やスキルをスキルにより見られることがなくなります。なお、スキルや能力の確認は自分と、レベルが高い相手にのみ見られます。”
俺よりレベルが高い人がそんなに多くないといいけど....待って、生き物言うてたから、動物もありうるのか。気を付けておかないとな。よし、次。
“隠蔽の機能「日本語化」は当人が許可したものしかこちらの世界の言葉で表されなくなります。また、これは冒険者証明書にも反映され、万が一落としても内容を見られる可能性は大幅に低くなります。また、名前の欄だけはこちらの世界の言葉で表されます。しかし、隠していても稀に通読可能な人物もいることがあります。”
なるほど.........え?こっちの世界に日本語がわかる人が稀とはいえ、いるのか....なんでだろう?逆に会ってみて聞いてみたいわ。自分からわざわざ会いに行くことはないだろうけど。
とりあえず、つぎ。
“隠蔽の機能「スキル『イメージクラフト』との組み合わせによる物質・物体の不可視化」はスキル「イメージクラフト」で物質または物体を不可視化するイメージをすることにより、自分や自分の許可した相手にしか見えなくなるというものです。不可視化した物質または物体は青く発光して見えるようになるため、見失う心配はありません。また、不可視化したものが道具だった場合、一度使用すると、不可視化が解け、相手にも視認されます。”
....まあ、戦うときとかはデメリット以上に最初のアドバンテージがでかいから、これはこれから結構使っていけそうだな。今まで見てきた中でも上位に入るぐらいには機能が強いしな。
つぎは....これだな。
“気配消滅の機能「痕跡消去」は自分の足跡やにおい、気配、指紋などをそこに自分がいなくなった後に消してしまうという機能です。そして、機能が解放されると、機能を解除するまで常に発動されます。また、基本的には機能は解除まで自動で発動されます。”
なるほど.....。それは確かに何か事件とかに巻き込まれたときに使えそうだな。もちろん、俺からは事件を起こすつもりは毛頭ないけどな。ってか、こんな犯罪でしか使われなさそうなスキルがあること自体が問題である気がするが...スキルが一種類につき一つしかないことを祈っておこう。
おんじゃあ、つぎは.....っと
“気配消滅の機能「不意打ち」は相手に認識されていない状態において周りの敵にも見つからずに相手を仕留められるというものです。また、使った相手がどんなに自分よりレベルが高くても一定確率で必ず仕留められます。”
その機能は強くね?見つからないという条件があるにせよ、どんなに自分より強くてもたまに一撃必殺になるわけでしょ?.....これは本当に強い敵が出てきたときにだけ使うことにしておこう。十分他のスキルの機能で強いからな。
あと二つだな。...いや、あと一つ気になるのがあるから、三つか。..とりあえず読もう。えーと?
“気配消滅の機能「気配の希薄化」は、自分の気配を弱めることができます。気配を弱めると、相手に見つかりにくくなり、隠れることが容易になります。しかし、デメリットとして、気配が弱まっている間は気配だけでなく、存在そのものが弱まる場合があるので、発動中は弱体化する恐れがあります。
尚、発動段階は発動前は0で、発動後は1~5まであり、数字が上がれば上がるほど、気配が弱くなります。また、現段階は2です。発動段階を変える場合は「フェーズ3」などと心で唱えると、変えられます。”
....ふう。やっと、デメリットがある系の奴が来たな。これはそもそも強いから、妥当ではあるかな?まあでも、フェーズってやつで変えられるみたいだし、気配の調整が簡単にできるってとこかな?それでもフェーズを上げすぎると、その分弱体化するっぽいから、気を付けはしないとな。
さて、スキルの機能の説明は次で最後だな。見ていきましょうかね!
“気配消滅の機能「擬態」は動物や、物に変化することができる機能です。これは、無機物・有機物等も問わず、明確なイメージさえあればその姿に変わることができます。
しかし、一度発動すると、このスキルの効果を解除するまでには5分は待たないといけず、再び発動するためには1時間待たなくてはいけません。
また、このスキルを使って動物に変化した場合、自分と同レベルの動物の個体差を除いた値に能力が変わります。
そして、物などに変わった場合は自分のレベルの2倍の耐久値になり、耐久値がなくなった場合はレベルが10レベル下がってしまいます。
更に、自分より大きいものに変化すると、耐久値は変わりませんが、耐久力が減ってしまい、耐久値が減るのが早くなってしまいます。自分より小さいものに変化した場合は耐久値は変わらず、耐久力が上がり、耐久値の減りが格段に下がります。
なお、このスキルは常時発動型ではなく、意思発動型なので、発動する際は頭の中でなりたいものを思い浮かべながら、「チェンジ」と唱えてください。”
なんか、正直、このスキルは強いのか弱いのかよくわからないスキルだな。結局、ここに書いているのはデメリットの方が多い気がするけど....
まあでも、使い方によっては強力になりそうだしな。何かの動物とか、何かの鉱物に紛れることもできるから、もし何かに追われても......って、何考えているんだ!俺は!まるで、何か犯罪を犯したり、問題に巻き込まれる前提じゃないか。ラノベの勇者でもあるまいし、そんなことはないと思うから....いや、つい最近巻き込まれたな。
でも、あれは森ごと巻き込んでいたから、巻き込まれても、しゃあないわな。
....にしても、「気配消滅」のスキルはまるで犯罪や、暗殺とかに使えとでも言っているようだ。このスキルを作ったのがもしも創造神なら、いい趣味してんな。もし、創造神が男だったら、絶対覗き目的で作ったろ。それを他の機能でごまかした感があるし。
それはいいとして、俺があと一つ気になっていたことと言えば、冒険者証明書にある、「神からの贈り物(お詫びの品)・レベルアップ効率2倍」てのが気になってたんだよな。
俺は、なんなんにゃろ?と思いつつ、説明を見てみる。
“神からの贈り物「レベルアップ効率2倍」はレベルアップに必要な経験値の量が2倍になるというものです。
この贈り物は1度、レベルアップ効率2万倍になってしまったことがあります。しかし、これは神の手によって修正され、2倍へと倍率が引き下がりました。
なお、そこまでの過程で手に入れたスキルや機能、レベルは蒼汰くんを担当した神「エルス」が元に戻す暇がなく、お詫びということでいいだろうという理由で戻さなかった。
尚、他の神はこの件には一切関与しない形にしておく。”
...なんか、確実に見てはいけないような内容な気がする。見なかったことにしておけばいいだろう。
「ちょっとー、先輩!蒼汰さん、今完全に読んでましたよね?何が、『見ないだろうから、書いてても大丈夫』って言ったじゃないですか!確かにミス自体は私の失敗ですけども、それでも、私を反省させるためだけに書いたものをそのまま残すなんてひどいじゃないですか!バッチリ読まれてますよ!....うう、恥ずかしすぎて、穴があったら入りたい気分ですよ....。はあ、なんでこんな失敗しかしないんだろ...私....しかも名前まで知られてしまいましたし。」
私が羞恥で机に倒れ伏しながらそう先輩に文句を垂れていると、先輩が、
「それはただの自業自得だろ。ちょうどいい薬になったってことでいいんじゃないか?しかも、名前を知られたらいけないなんてルールはないし、お前は信者が一人もいないどころか、名前すら伝わってないから、いいだろ。もしも、それで信者が増えたら僥倖というものだろう。別に恥ずかしがることなんてないぞ。」
うう、何も言い返せない....言われてみれば、全部正論な気がする。でも、頭ではわかっていても納得はいかないもんなんですよ。
「それでも、恥ずかしいものは恥ずかしいですよ。名前は置いておいて、失敗のことを書かれているのは嫌ですよ!何度も言っていますが、私はただ2倍を2万倍と間違えただけなんですから!」
「いや、何度も言っているが、まずそこがおかしいだろ。何をどうやったら、2倍を2万倍と見間違えるんだ?どう見てもゼロの数が4つ多いだろうが。歴史的大失態だぞ。そりゃ“あそこ”に書かれてもしゃあねえだろ。説明欄の方にもな。少しは反省しておけ。」
「それは、あの時寝ぼけてたからで.....」
「嘘こけ。お前はよく失敗するから様子を見ていたが、別に寝ぼけている様子なんてなかったぞ。寝ぼけていた時は何か知らんが猫のことを言っていたからな?今更そんな言い訳はいい。しかも、暇な時間は蒼汰くんの様子を見ているんじゃない。この前も間違ってマイクを繋げていたしな。気づかれなかったからいいものを....。次から....いや、今この場から気を付けていくようにしろ。」
むっ、確かにあの時は寝ぼけてはいなかったような.....それに、蒼汰さんを見ていると、なんだか退屈しないんですよ。言い訳はもうやめて、もう認めるしかないですね。次から気を付けるようにしていかねば。蒼汰さんの様子を見るのはやめませんが。
....ひとまず、その意思を先輩に伝えておかないと。またなんか説教始めそうな顔してますね。1時間正座の説教はもう嫌ですよ。
「はい、気を付けていきます。出来るだけ、失敗しないように気をつけます。」
そういうと、先輩はにっこりするでもなく、訝しそうな顔をして、
「お前、今まで何度そういったと思っている?大体20何回は言っていたぞ。信用ができんぞ。お前の姿勢自体はいいが、失敗した時の言い訳とか、仕事に対する不注意さがいつまでも続いているんだぞ。いくら、お前が新人とはいえ、こんな短期間で失敗することは中々ないぞ。何度も言うが、お前には注意力が足りない。しっかりと注意しながら、仕事をこなしていけ。そんなに難しいものでもないし、私みたいな指導もいるんだからさ。」
....なんで?結局説教じゃないですか!今回はかなり短めの説教だったからよかったですけど....
それにしても、先輩はさっきからずっと、何かを気にしている様子だけど.....
「あの、先輩、何をそんなに気にしているのですか?」
そう聞くと、先輩は言いにくそうな感じで、呆れたような表情と私を気遣うときの表情、苦虫を噛み潰したような表情がごちゃ混ぜになったような、世にも珍しい顔をしていました。そして、
「お前さ、逆にここまで行くと面白いぞ。いや、いつも言っているか。とにかく、蒼汰くんに呼びかけるためのマイクが付いているぞ。どこからは知らんが、蒼汰くんに会話がかなり聞こえていたと思うぞ。」
えっ!?付いてる!?
私は慌ててマイクの音量の部分を見る。そこにはマックスになった音量調整のつまみがあった。どうしよう?これは誰から見ても聞かれてるよね?切る前に一言謝っておかないと。音がマックスでしたし、うるさかったでしょうから。
「すみません、先輩、ちょっと今から蒼汰さんに謝りますね。」
「それは別にいいが忘れてないか?まだマイクが付いていることに。」
そうでした!早速失敗してしまいましたね。ごほん、それでは気を取り直して、
「あの~、蒼汰さん?聞こえてますかー?」
いかがでしたでしょうか?今回はスキルのすべての機能について知れましたね。それにしても、ドジな神様は果たして、これからも失敗はしないのでしょうか?今まで何度もやらかしているようなので直るようには見えませんがね....これからもちょくちょく神様サイドで書いていくので、ぜひこれからも読んでいってください。
さて、次回の投稿も来週の金曜日の予定です。
それでは、また次回お会いしましょう。




