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確かに気になってたことは分かったけど.....。

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 その気が付いた機能とは、タップすれば機能の説明を見ることができるということだ。


 例えば、「イメージクラフト」ある「想像加工」。


 説明を見てみると、


“イメージクラフトの機能「想像加工」は文字通り想像したとおりに形や状態が変わります。しかし、物質の質量や、物質そのものを変えることはできません。そのため、元の物質とは違うものを想像しても形だけになってしまいます。ですが、密度を変えたり、二つ以上の物質を分けたり、組み合わせることは可能です。また、「想像加工」によって加工されたものは本来の物質の強度よりも強くなり、密度を大きくしても強度は高まります。その際、柔軟性のある物質で作らないとすぐに破損します。そして、密度を小さくすると、脆くなりやすくなる傾向にあります。”


と、こんな感じだ。最初は字が小さかったが、ズームすることが可能だったから、結構見やすかった。

 

 しかし、液晶画面に近い感じだから、あまり頭に入ってこないような感じがする。


 ....要は、アナログの方が覚えやすかった。デジタルでは本は基本読まなかったからな。


 それは置いておいて、料理が来るまで見ていくとしよう。


 ....の前に、まずはスキルではなく、「運動神経・ギリ高い」ってどういうこと?まだ、高い・普通・低いは分かるけど....いや、それでもよくわからんわ。何がどういう基準でそうなっているのかが分からん。ギリ高いは、高の下ってこと?うん、謎。これ設定した人かな?最近よく出てくる創造神様とやらかもしれないし。分かんないけど、基準を示してくれないと困るというのだけは思っておこう。



 では、話を戻して、スキルの機能を見ていこう。まずは、「イメージクラフト」の機能からだな。さっきのを除いて。


“イメージクラフトの機能「過程省略」は目的の物を作るための材料を作る過程を飛ばすことができるというものです。鉱石の精錬や、植物の成長など、時間のかかるものを飛ばすことができます。ですが、このスキルの前提として手に持つ必要があるので、持つことのできるサイズでないと、この機能を使うことは不可能です。しかし、持つことができれば、十分にその機能を発揮し、必要な材料を作り出すこともできます。また、植物を成長させる場合は一緒に水は持っておかないといけないので、難易度としては難しいです。”


ふむ.....これを使えば、食べ物には困らないのか。相変わらず、食べ物だけなんかスキルの縛りが緩いのは気になるけど、まあ、難しいって言ってるしな。


 よし、次行こう。次。


“イメージクラフトの機能「高速変化」は想像加工でかかる時間を縮めることができるというものです。現在、鉱石以外の加工したことのあるものの加工は1秒未満でできますが、鉱石の加工にかかる時間は一回あたり2分38秒かかります。これは一度加工するにつれて1秒ずつ短くなっていき、現在の状態では最終的には1秒になります。なお、このスキルの機能をすべて開放すれば、1秒未満にすることも可能です。”


なんか、さっきの「過程省略」と似てない?なんでわざわざ似たような能力が分かれているのかな?そこは分からんな。


 ってか、さっきから、結局説明を見てさらに謎が深まっていくばかりなんだが。.....どのみち、ちゃんと使いこなせればいいのかなあ。


 とにかく、とりあえずはどんどん見ていこう。じゃないときちんと理解もできないしね。次は「動物好き」の機能を見ていこう。これに関しては前に聞いたことあるけど、一応見ておこう。


“動物好きの機能「能力の確認」は自分含めた動物の能力をその場で確認することができます。そして、その動物のかかっている病気やスキルなどの影響なども確認することができます。しかし、自分よりレベルの高い者の能力は見ることができない場合があります。また、動物以外、幽体やスケルトン等の命のない者はこの機能は適用されません。”


“動物好きの機能「名前の確認」はその解析した動物の名前を知ることができます。これはその動物が使っている偽名と一緒に本名のフルネームも表示されます。”


“動物好きの機能「動物の解析」はその動物の種族全体で見た詳しい情報を知ることができます。固有スキルは特殊ではありますが、スキルではなく、種族全員が持っているため、能力としては加算されません。また、このスキルの機能をすべて開放すれば解析した対象の体の構造を調べることが可能になります。”


“動物好きの機能「固有スキルの拝借」は固有スキルを使っている動物の固有スキルを使っている間且つ、自分の目の前で使っているという条件が満たされた場合に使用可能です。また、その動物との仲がかなり深まるとその動物がその場にいなくても固有スキルを使うことも可能です。しかし、「固有スキルの拝借」で拝借可能な固有スキルは一回の機能の使用につき一つまでとなっております。また、一度使うと、少なくとも6時間は使うことができないため、連用は不可能です。そのため、使うタイミングを見極めたほうがよいでしょう。”


“動物好きの機能「言語翻訳」はたとえ自分の知らない言語でも自分の知っている言葉に翻訳されるというものです。また、それは自分の発した言葉も相手の使う言葉で翻訳され、伝わるようになります。そして、これは文字にも適用され、自分の知る文字が相手の知る文字に、相手の知る文字が自分が知る文字に翻訳され、読めるようになります。「言語翻訳」は極まれに機能しない場合があります。”


よし、止めよう。なに?その便利な機能。そして、微妙にいやな欠点は。大事な部分で聞き取れなかったら、大分大変だよ?


 .....でも極まれみたいだし、起こる確率はかなり低いと思うから、怒らないと願っておこう。


 他は大体頭の中に聞こえてきたことと同じ感じだな。よし、次。


“ストロングパワーの機能「重さなど関係ない!」は、どんなものでも重さ関係なく持つことができます。しかし、物が自身の重さに耐えきれなければ、持つことは困難になります。また、軽いものは感覚で重さをはかることが難しくなってしまいます。”


え?終わり?なんか短くない?そもそも、機能が少ないから、これ以外に説明することがないという感じかもな。


 ....っていうかさ~、別に軽いものの重さが分からなくても別によくね?まあ気になる人は気になるだろうけど。いざ軽いものをはかることが必要になったとしても、スキルを解除すればいいだけだし。

 と、そこまで考えたところで、とつぜん、


「ほら、出来たよ。これが「トメイトスープセット」だよ。熱いから気をつけなね。」


と、後ろから来た。......まじびっくりした。急に元気な声がかかってきたからだな。


 それはいいとして、トメイトスープとやらはどんな見た目.....。


 は!?この真っ黒な液体は。一応、セットと言っていたから、スープっぽいもの他にもベーコンや目玉焼きっぽいもの、パンらしきものがあった。とにかく、それはいい。今はスープの方だ。何も言われないで出されたら、スープとは思えんぞ。一応、これが失敗では確認しておかねば。


「すみません、これが真っ黒なのって失敗ではないですよね?」


「うん?別にあたしの失敗じゃないよ。もともとの食材が黒いから、スープが黒くなるんだよ。初めて食べたお客さんはみんなして驚いて聞いてきたね。あんたも今、その一人になったね。」


そう言って、おばちゃんは笑った。いや、ここまで黒くなるってどんな食材なの?毒は確実にないとは思うが.....ついでに聞いてみよう。


「ちなみに、スープの食材って何を使っているのですか?」


「ああ、それはね、主にトメイトを使っていて、これがこのスープが黒い理由だよ。見た目はそんなに良くはないけどね、香りと味はおいしいよ。」


俺はそう言われたので、皿に顔を近づけて匂いをかいでみる。


 結論。トマトスープのにおい。しかも豆とかも入ってそうなにおいがする。味覚を破壊しそうな匂いはしていないから、味は大丈.....いや、匂いと味は一致しないことがあるとこっちに来て学んだから、気をつけてはおかないと。残りの食材は....


「あとは、ダーズとモテトとキャジンとキャジャとポルック肉が入ってるね。」


なるほど....ダーズは食べたことはまだないけど、見たことはある。だけど、キャジャとポルック肉ってなんだ?ポルック肉はなんとなく鳥っぽい響きだけど。


 まあ、とりあえず食べれば分かるか。


「いただきます。」


俺はスープの一口目を若干ためらいながら、口に運ぶ。口の中に広がったのは.....案の定トマトスープの味だった。


 具材は.....ダーズは枝豆の味がする。味だけ若返っているね。そも最初はどんな見た目かは知らんけど。


 次にキャジャ。これは見た目はホウレンソウだが、味はキャベツともレタスともつかない微妙に両方をかすってる感じの味であった。....考えてみたが、意外とこれは色んな料理に合うな。どっちも取れないからこそちょうどいいってとこか。


 んじゃ、最後にポルック肉。これは最初見つからなくて、さっきのおばちゃんに聞いたら、このネギみたいなやつらしい。というか、これは完全に見た目がネギですね。食べてみれば、あ~ら不思議!なんと味と食感がスーパーで売られている感じのよく食べる鶏むね肉の味になったではありませんか!.....相変わらず、よくわからんな。未知のものとして見た目で判断せず、食べてから判断していこう。


 にしてもこの肉って売られてるかな?野菜もそうだけど....普通に料理に使いたい。その際、調味料類もないかも見てみようかな?


 そういや、スープにばかり気を取られていたけど、ちゃんとこのパンみたいなやつとベーコンと目玉焼き的なものも食べよう。


 結果、パン的な奴はご飯みたいな味がして、少し硬かった。米粉で作ったパンが少し硬くなった感じだ。


 ベーコン的な奴はちょうどいい塩加減のハムの味がした。まあベーコンとハムは小さいころには見分けられなかったぐらいは似てるしなあ。


 目玉焼き的な奴は普通に目玉焼きだった。普通にうまかった。一番好きな塩をかけて食べるという食べ方だったのもありそうだが。


「ごちそうさまでした。」


どれもうまかったで。またここに来たときは他のも頼んでみよう。..とりあえずは、食器をカウンターの方に持っていこう。


 俺が食器を持っていき、おばちゃんに


「どれもおいしかったです。また食べに来ますね。」


と伝えた。すると、おばちゃんは


「ありがとうねえ。そう言ってもらえてうれしいよ。これからも腕を振るっちゃうよ。それにしても、そうやってお前さんみたいに、食器を持ってくるのもあまりいないから、感心だねえ。ちゃんと見習っておいてほしいもんだよ。全く。

 とにかく、またお腹が空いたときには来んしゃい。もしお金が無くなって食べるもんがなくなった時にも言いなね。その時は少しは食べさせてあげられるからね。ただ、これだけは約束して。まだ若いからって無茶だけはしないこと。そして、ちゃんとお金には困らないぐらいには頑張りなね。特に駆け出しのころは頑張りんさい。」


なんか、一気に言われたなあ。心配してくれてるんだろうな。まあ、お金にはしばらくは困らないし、無くなっても別に森の中でも暮らしてるから、大丈夫だけど、その好意は受け取っておこう。


「分かりました。ありがとうございます。頑張ってAランクになれるよう、頑張ります。それじゃ、また来ますので。」


「頑張りなね。そういえば、今日泊まる宿とかに目星はついてるのかい?」


「いえ、特にはないですけど.....」


「なら、『メルカの宿』がおすすめだよ。あそこは盗みとかの危険が特に少ないし、あたしの友人もいるからね。しかも、あそこはベッドがふかふかだしね。ついでに言うと、安いのもあるからね。ここから近いから行ってみな。」


「分かりました。ありがとうございます。それではまた来ますね。」


「ああ、また来な。」


これは有益な情報をもらえたな。正直今日中には依頼を終わらせられそうになかったから、宿の場所を教えてもらって助かったぜ。


 今日はもうすぐ暗くなるから、早めに宿に行って残ってる機能の説明を見るか。多分ではあるが、この依頼はすぐに終わりそうな依頼ではなさそうだし、また明日早くから探そう。


 てなわけで俺は、『メルカの宿』を探してしばらくさまよった後、見つけた。冒険者協会から、2つほど通りを挟んだところにあった。


 俺はドアを開け、受付らしきところに向かう。


 ここではおじいさんが受付をしていた。そのおじいさんは俺が近寄ってきたことに気が付くと、おじいさんは目を細め、


「いらっしゃい。今日は泊りに来たのかね?それとも、飯かい?」


と聞いてきた。もちろん、俺は、


「泊りに来ました。多分、飯もここで食べると思いますけど....」


と答えた。すると、そのおじいさんは目を見開き、驚いたように、


「そうか。珍しいもんだな。こんな若いもんが泊りに来るとは。」


どゆこと?別に悪くなさそうなとこだけど....


「それって、評判が悪いってことですか?」


「いや、違うんだよ。最近は他の宿が若者に人気なゲーム場を設置するところが増えてきてな....特にサルサを賭けて遊ぶところが多いらしいのだ。だから、そんなものがないうちにはめっきり客が来なくなってしまってな....。たまにくるお客も常連でほとんどが年寄りの客しかおらなんだ。だから、君みたいな若い客が泊りに来ること自体が珍しいのだよ。

 ....一人だけ例外で若いもんの常連でここで寝泊まりしているけどな。まったく、ホントにあの子はワシと同じぐらいには強いのにずっと、ここにいるのだか...」


.....関係ないんだが、いいか?ある程度年を重ねた方々は話が長くなりやすいのだろうか?


 それはいいとして、あのおばちゃんは普通にここが気に入ってたから、ここをおすすめしたんだろうな。ちゃんと来たからには泊まるけど。


「すみません。ここに泊まるのって、手続きみたいなものはあるのですか?」


「おお、すまんな。つい、話が長のうなってしまったわ。特に手続きはいらんぞ。金を払ってくれれば部屋の鍵を渡すぞ。ただのう、たまに複数のドアが開けられるカギがあるから、部屋を間違わんようにな。

 あと、外に出かけるときはカギはワシに渡してくれよ。もし盗もうものなら、鍵一つ一つに場所がわかるように仕掛けを施してあるから、言葉通りワシが飛んでくるからな。気を付けるのだぞ。ちなみに一泊当たり、1200サルサだ。飯は別に金がかかるが、部屋の中はいいものだぞ。他の宿よりベッドがやわいからな。」


そういって、おじいさんは俺に「泊まるか?」という感じで目で聞いてくる。


 もちろん俺は2000サルサを出して、おじいさんに渡す。


「あいよ、とりあえず一泊だな。これがカギだ。ドアのところにカギについてる『バガド』という部屋で泊まりな。まちげえて他の客の部屋にだけは行かないようにな。下手したら、巻き込まれるぞ。」


俺が何に巻き込まれるか聞こうとすると、


「おーっと、ここから先は個人情報だから言えねえ。うちは客との信頼を第二ぐらいにおいてるんだ。妙な詮索はよしてくれ。人からの情報とは君が自分で確かめてこそ価値があり意義が生まれる。

 だから、これを鵜吞みにするんじゃなく、毎日、一つの欠片でもいい。集めておけばいずれはつながって真相へと導かれる。若いうちに経験を積んでおけば後悔するなんてことはありゃあせん。少なくともワシはなかった。だから、今を大切にしてしっかりと人間関係を少しずつ築き上げていけ。

 そして、その関係を大切にすれば、またそこから学べることもあるってもんよ。

 つまりはつらいときも悲しい時も信頼できる者、動物でもいい。それらと一緒に乗り越えていけということだ。今は分からなくてもいつしかわかる日は来る。それまでは何があっても頑張れよ、兄ちゃん。」


うおー、なんか急に哲学的な話になったな。確かに何を言っているのか分からない部分もあったから、このおじいさんの言うとおり、経験を積んでいくしかないな。


「はい、頑張ります。そのためにも、まずはここに泊まらせてください。」


「おう、もちろんだぜ。ちなみに兄ちゃん、名前ってなんていうんだ?」


「名前はソータといいます。」


「ソータっていうんだな。ワシは『メルカ・バルザ』という。この宿の名前だから、ちゃんと覚えておいてくれ。」


おけ、ちゃんと覚えてさっき言ったようにいい関係を築き上げていこう。


 だから、街中で「能力の確認」は人には使わないようにしよう。とはいってもそんなにデリカシーがないやつではないからね。


 いかがでしたでしょうか?今回は今まで説明がなかったスキルの機能の説明が出てきましたね。とはいってもまだ半分ほど残っているので、それは次回説明していきます。


 また、なんか、物語で出てきそうな何かと助言をしてくれるタイプのおばちゃんやおじいちゃんを書いてみました。今後も出てくる予定なので、ぜひこれからも読んでいただけると幸いです。


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です。


 それでは、また次回お会いしましょう。

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