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とりあえず....行ってみよう!

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 俺はゼリージさんに見送られて城を出た。そういえばどこら辺に「ソルガ」という施設があるのかを聞いていなかったため、門番さんに聞いてみた。


 どうやら、門を出て、交差点を3つほど進んで右に曲がって、さらに交差点を2つ進み、左に曲がって少し行くと大きく「ソルガ」という看板があるらしい。....ちなみに門番さんから聞いたことをそのまま行っただけで、決して俺の語彙力がないわけではない!.....多分。


 そう俺が言い訳しながら言われた通りの道を進むとなにやら、暗号にしか見えない見慣れない文字が見えてきた。いや、ここに来るまでにもいくつか見たことない文字があったんだけど。


 俺がなんと読むのか分からずにいると、しばらくしてその文字の上に文字が新たに浮かび上がってきた。


 それを見てみると、ちゃんと読める。何々?「冒険者施設ソルガ」って書いてある。


 ここがそうで間違いないな。うん。.....いゆあいや、なんで日本語が出てくるの?こういうのは文字が読めなくて苦労したりするもんじゃないの?


 原因は不明だが、これはこれで、ちょうどよかったと認めるしかない。一応、他にも看板があったが読みたいと思って初めて文字が浮かび上がるらしい。日本語で。


 とにかく、この疑問は置いておくとして、中に入ろう。この世界に来てからの経験を踏まえたら、すぐにわかるだろうしな。


 そうして、俺はドアを開けた。カランと鈴の音が聞こえた。こういう鈴の音ってなんか好きなんだよな。分かる人いるかな?


 中に入ると、中にいた人たちが一斉にこっちを向いた。こういう所にいるのはごつい人が多いイメージだったけど、別にそうでもなかったわ。普通に15ぐらいの青年がいれば、6歳ぐらいだろうか?それぐらいの子供までいる。何なら、主婦でもやっていそうなエプロンつけたおばちゃんもいた。


 俺が受付を探しながらいろいろな人を見て回っていると、ある一人の190ぐらいは身長がありそうな(ちなみに俺は175ぐらいだ。)スキンヘッドに目に傷がついてるサングラスのようなものをかけた人が近づいてきた。


「おい、兄ちゃん、もしかしてここは初めてか?」


予想通り俺に絡んできたな。どんな感じかちょっと気になるから、話してみよう。


「まあ、そうですけど....ここの常連さんですか?」


「ああ、よく飯食いにくるぜ。この国でも特にここの飯はうまいぞ!そうそうここに勝てる店なんてないだろうからな。

 おっと、話がそれたな。俺は「ヘッヅ・ドンナ」だ。よろしく。」


いや、ドンナって....ツルピカですね。まぶしいぐらいに。これが生まれつきとかだったら可哀そう過ぎる。っと、危ない。大分失礼なことを考えてたわ。とりあえず、こっちも自己紹介っと....


「俺は蒼汰と言います。よろしく。」


「ソータ?珍しい名前だな!....そう考えたら、名前なんてみんな珍しいな!....ごほん、とにかく、初めてなんだったら、ここを案内してやるが....どうだ?」


どうだって言われても、これは断ったらゲームで言うチュートリアルを飛ばすようなもんだろ。こんなん、ちょうどいい機会を逃すわけないじゃないか!


「もちろんです。ありがとうございます。」


「わかった。それじゃ案内と何があるのかを説明しながら見ていこう。


 ここは基本的には食事処だな。みんなよくここに飯を食いに来るぞ。安いし、さっき言った通りうまいからな。


 そして、あそこが受付だ。受付では冒険者証明書の発行手続きができる。冒険者証明書を発行すると、様々な特典が付き、自分のレベルとか、自分の能力の確認もできるぜ。そこは自分で確認してくれよな。

 次に、あそこが依頼書掲示板だ。掲示板には動物や植物などで困っていることがあれば掲示して、やってくれた人がいればその人に報酬を支払う仕組みになっている。掲示板からどんな依頼書を取るかは自由だが、内容については完全に自己責任だな。


 最後にここが、買取所だ。ここでは狩ってきた動物や薬の材料になる薬草などを売ることができる。ちなみに万が一動物の解体ができなかった場合は解体してくれて、欲しい部位をくれるぜ。....まあ、無料でやってくれる国はこの国含めてかなり少ないからな。


 冒険者施設についてちゃんとわかったか?基本的には他の施設に行っても同じ作りだから、覚えておくといい。」


またまた親切な人に出会ってしまった。いや、別にいいんだけど....過去のことがフラッシュバックしそうで怖いところはある。


 まあ、とりあえず覚えられたな。


「はい、ちゃんとわかりました。どうもご親切にありがとうございます。それにしても、なんでそんな親切にしてくださるのですか?」


俺がそう問うと、ヘッヅさんは少し考え、


「俺が単に世話好きだからか?新人を見ると、つい世話を焼いてやりたくなるんだ。おかげで説明役は俺が任されるようになったんだけどな。」


「いいですね。俺もそんな風になってみたいです。案内してくださり、ありがとうございました。」


「おう、何か困ったことや、分からないことがあったら、いつでも言ってくれ!それじゃあな!」


そう言ってヘッヅさんは颯爽と去っていった。だが、ドアがヘッヅさんの身長より少し低いから、思いっきし頭をぶつけていた。あれは痛い。でも、意外といつもの事っぽい。周りの人を見ると、「またか~。」みたいな顔で面白がっている。


 それじゃあ、冒険者証明書を発行しよう。俺は受付に向かう。


「すみません、冒険者証明書を発行したいのですが....」


すると、受付の人は、なにやら紙を取り出して、


「分かりました。それではまず、ここに必要事項を書いてください。」


そう言って俺に差し出してきた。


 えーと?何々?まずは、名前を書く欄があるな。まずは書こう。


 そうして俺は名前を書き終えてはたと気が付いた。日本語で書いちまったじゃん!やばい、どうしよう?消せるわけでもないし。


 俺が迷っていると、受付の人が、


「どうかしましたか?何かわからない何か分からないところは言ってくださいね。」


と言ってくれたので、俺は、書き間違えたということにして、言ってみた。


「すみません、少し書き間違えてしまって....」


「はい、このソータという部分のことですよね?」


はぁい?なんで読めてんの?まあ一応、苗字はあえて付けずに書いたけど...なんで?


 しかし、名前を書いた欄を見てみると、よく見たら、日本語で「そうた」という文字が浮かび上がっている。あれ?浮かび上がってるってことは、やっぱり下にはこっちの世界の文字があるってことだよな?


 結論・俺は深く考えないでこの状況を受け入れることにした。日本語を書いたらこっちの世界の文字が書かれるってことだよな。オケ。そう考えよう。


「すみません、名前の所を他の所と勘違いしただけでした。」


それを聞いた受付の人は、「分かりました。困ったことがあれば、また言ってくださいね。」と言って、書類の整理を始めた。


 よし、残りも書いていこう。えと、次は年齢ね。17と。どれどれ?これまでに行った国?こっち来てからはここしかないから、リスタイル王国っと。んじゃ、次は.....出身地?それなら、にほ....待って、日本は多分この異世界には存在しないよな?じゃあ、一番最初のロームの森でいいかな。


 その後も様々なことを記入していった。


 よし、これで最後だな。最後は扱いやすい道具についてだったぜ。もちろん、ナイフしか使ったことがないから、ナイフって書いたけどな。


 受付の人に言おう。


「すみませーん、書き終わりました。」


すると、受付の方は顔をあげ、


「ありがとうございます。それでは登録料1万サルサを頂いて、こちらにご自分の血を一滴でもいいのでここに垂らしてください。」


そう言って、小さいナイフとなにか四角いプラスチックのようなスマホの大きさをしたカード?を渡された。


 血を垂らすのか~。血を付けるだけは多分だめだよな.....そもそも垂らすって結構深く切らないとだめじゃん。いやだな。


 いやいや、でもこれは痛みを我慢してやるしかない。幸い、「回復粉」はあるしな。それに、今まで何度も料理するときに指は切ってきただろ!だから大丈夫。


 俺は自分にそう言い聞かせると、覚悟を決めて、ナイフの刃を指先に当て、ナイフを動かした。そうすると、指先から血が流れ始めた。いったいな。俺はこういうのに敏感なんだよ。まあ、すぐに「回復粉」で治せるから今回はいいんだけどね。


 そして、俺はそのプラスチックのようなものに血を垂らした。しかし、余分に2滴ほど垂れてしまった。まあいいだろう。


 血が完全に垂れ落ちたことを確認すると、すぐにバッグから「回復粉」を取り出して、少しだけ指に振りかける。そうすれば、みるみる傷がふさがり、血も完全に止まった。


 ....よく考えたら、自分に使ったのは初めてだなあ。何も違和感が残らないんだな。傷もふさがった形跡もなく見えるし。


 俺が「回復粉」をバッグに仕舞うと、プラスチック板に(今はこれでいいだろう。)何か文字が浮かび上がってきた。


 しかもそれは日本語であった。.....今回は虚空に文字が浮いてるんじゃなくて、直接プラスチック盤に日本語がある。それを読んでみると、


[名前・間田井 蒼汰] 

 年齢・17 身長・175.4センチ 体重・61.8キロ 

 出身国・日本 異世界での出身地・ロームの森

 レベル・2413

 体力・4379

 スタミナ・1507

 耐久力・10653 ※精神面も含めた数値

 運動神経・ギリ高い

 知能・116

 神からの贈り物(詫びの品)・レベルアップ効率2倍

 スキル・『イメージクラフト・解放済み機能 想像加工・過程省略・高速変化(鉱石の加工の現在の速度・2分38秒)』『動物好き・解放済み機能 能力の確認・名前の確認・動物の解析・固有スキルの拝借・言語翻訳』『ストロングパワー・解放済み機能 重さなど関係ない!』『隠蔽・解放済み機能 スキル・能力の解析不可・日本語化・スキル「イメージクラフト」との組み合わせによる物質・物体の不可視化』『気配消滅・解放済み機能 痕跡消去・不意打ち・気配の希薄化・擬態』

 冒険者協会公認ランクD


と、こんな感じなのだが、なぜか、スクロールしながら読めてズームもできた。


 色々と突っ込みたいが、まずはさっきの受付の方に見せてと言われたので見せる。


 そして、俺が渡して、受け取った受付の人は一度すべてに目を通していく。


 しかし、秒を数えるごとにどんどん受付の方の顔が困惑に染まっていった。....おそらく、受付の方の目から見ても日本語なのだろう。


「えーと、ソータさん?これってどういうことですか?見たこともない文字で読めないんですけど...。」


だろうね。俺が受付の方の立場でもそうなるわな。何せ全く読めないからね。.....それにしても、どう答えればいいのだろう?正直に言うしかないな。ごまかし方も思いつかんし。


「これはですね、俺の故郷の文字なんですけど、なぜか、その文字になったんですよね。もちろん、俺は読めますよ。」


「そうなんですか!?しかし、こんな文字は聞いたことも見たこともないのですが.....。」


これはごまかす方法は思いついたぞ。


「この文字はこっちで使う人はほとんどいませんよ。だからじゃないでしょうか?」


「なるほど....それなら見たことないのも当然ですね。


 .....それでは気を取り直して、ソータさん、これで冒険者証明書の発行が完了いたしました。文字を見せて分からない場合は、きちんと口に出していってくださいね。必要事項ですので。あ、今回はいいですよ。さっきの書類で確認はできましたし。」


よかった。これでなんだかんだで憧れてた冒険者に慣れたぞ。にしても、これが証明書なのか。なんか、スマホをポケットに入れる感覚に陥るな。


 それじゃ、早速一つだけ依頼を受けに行こうかな?と思ったが受注法を知らなかったので、聞いてみた。


 なんでも、受付に依頼書をもっていって受注手続きをすれば受けられるらしい。


 何があるかなーっと。おっ!ここにちょうどよさそうな迷子のペット捜索があるじゃん。これにしよう。えと、内容はっと?


『迷子のヘルスネークを探しています。見た目は黒い体に赤い斑点があります。頭の近くに青いバンダナを巻いています。どうか見つけてください!

報酬 1000サルサ 飼い主の笑顔 冒険者協会公認ランクポイント15

※追伸 人気のないところや肉類が大好物なのでうまくおびき出してみてください。そして、下手に捕まえて噛まれると死ぬほど痛いです。毒はないので安心してください。

依頼主 ケルガ・ミクス』


やめとこうかな?痛いのは嫌だよ。いや、でももう掲示板からはがしちゃったしな。.....やろう。ついでに国を見て回ることもできるし、一石二鳥だな。それに、これができれば冒険者協会公認ランクっていうのが上がるためのポイントを稼げるみたいだし。何か上がったら有名にでもなるのかな?まあいいか。


「すみませーん、この依頼を受けたいのですが。」


「早速ですか?頑張ってくださいね。..........はい、確かに受注いたしました。冒険者証明書に現在受けている依頼が出ているはずなので、確認してみてください。尚、受注中の依頼が終わる前に別の依頼を受けることができないので気を付けてくださいね。また、今回はありませんが、時間制限がある依頼もあるのでそこは気を付けてくださいね。」


そんなのもあるのか。そういわれれば確かに時間がどうのって書かれた依頼書もあったような....


「はい、分かりました。気をつけます。」


よし、それじゃ出発しよう。


 の、前に、まずはお腹が空いてきたから、飯を食おう。


 俺は食事処に向かう。ここには注文するところがあるのでそこで注文する。とはいってもメニューをまだ見ていないのだが。


 メニューは注文する場所の上に大きな木の板で「ボルガ茸のホワイトソース煮 350サルサ」や、「トメイトスープセット850サルサ」、「キバラ肉団子のトメイトスパ670サルサ」などが書かれている。


 主に気になったのがこの三つなため、少し予想してみよう。


 一つ目は分からん。ボルガ“茸”っていうぐらいだし、キノコが入っていそうだけど.....。


 二つ目はトメイトスープ?発音的にトマトに似てるけど、違うものの可能性があるぞ。


 三つ目はキバラ肉?聞いたことはないけど、多分、鶏肉っぽい味だと思う。肉団子と言えば鶏肉のイメージだしな。.....あと、“スパ”ってなんだ?


 それじゃ、どれにしようかな?一番気になるのは一つ目の料理だけど.....トメイトってやつが使われているのが多いから、一番情報が少ない「トメイトスープセット」にしようかな?.....こんな事なら、ヘッヅさんにおすすめを聞いておけばよかったな。まあ、過ぎたことだし、いいか。


 俺は注文所に行き、そこにいたおばちゃんに注文した。すると、その人は


「あいよ、会計は850サルサだよ。」


と答えた。


 .....こう考えると、、金額的には日本とあまり変わらない感じだな。そういや、一万サルサしか持ってないや。他にないし、これをだそう。


 俺は一万サルサを出す。


「一万サルサかい?ほかに小さなお金はないのかい?」


「まあちょうど給料もらったばかりなんですよ。」


ウソは言ってない。ある意味あれも給料だろう。


「そうなのかい。なら、お釣りは9350サルサだね。」


そう言って、9350サルサを出した。


 ....うん?計算的におかしいな。200えn....サルサ多いぞ。


「あのー、200サルサほど多いのですが....」


「おや、あたしとしたことが計算を間違えてしまったね。そういう時は運がいいと思って、黙って持っていくもんだよ。」


「いや、それは申し訳ないですし、ちゃんとした価格で食べたいので、間違えてたらちゃんと言いますよ。」


「いい子だねえ。周りの奴らにも見習ってもらいたいもんだよ。あたしゃあ、お釣りが少ないと言われることはあっても、多いと言われたことは初めてだったから、驚いたよ。ありがとうねえ。

 どら、その親切さに応じていつもより腕によりをかけてみようかね。」


「ありがとうございます。楽しみにしてます。」


「楽しみにしておきな。おいしすぎて飛び上がるかもしれんよ?あそこにでも座って待ってな。出来たら持っていくさかい。」


そうしておばちゃんが注文したご飯を作っている間、席に座って待つことにした。


 一つ、冒険者証明書の機能を見つけたから確認しておきたいんだよな。


 いかがでしたでしょうか?今回は、異世界系あるあるの能力が確認できる手段を手に入れましたね。なんとなく、スマホが思いついたのでああいう風にしました。それにしても、リスタイル王国で出会った人はみんな優しいので、国民みんなが優しい説ありますね。他の国がどうかは知りませんが。


 今後蒼汰はどのような人間関係に恵まれるのでしょうね?


 さて、次回の投稿も来週の金曜日の予定です。


 それでは、また次回お会いしましょう。


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