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ここが王国かー

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 俺は門をくぐると、その光景を見た。なんといえばいいのだろう....家の形は現代と同じだけど、素材が全然違うという感じかな。そして、この国の人が活発に行きかっている。主婦のような人や大きなカバンを持った人もいる。そして、ロバみたいな動物に乗っている人もいる。


 試しにその動物を調べてみると、


“あの動物は「ホッサス」と言います。重いものも運ぶことができ、長時間歩き続けることができます。重いものを運べることには秘密があり、固有スキルで物を持っているということを一切感じないというスキルがあるためです。


 そして、普段は温厚で他の生物にも友好的ですが、怒らせてしまうと口から炎をはいて炭にしてきます。

 また、ホッサスに似た「フロッサス」という動物もおり、この動物は姿を眩ます固有スキルを持っており、誤って荷物を運ばせてしまうと目を離したすきに姿をくらまし、荷物を奪ってしまいます。”


....こえーよ。怒ったらその相手を炭にするっておかしいでしょ!やっぱ、一周回ってこの世界の動物は面白いな。似ている動物に関しては確実に勘違いする人が悪い。....でも、姿を消すのはそのためだけにあるようなもんじゃね?じゃあ、どっちも悪いってことで。


「ソータさん?大丈夫ですか?なんかぼーっとしていますけど。」


 あ、いかん、いかん、つい動物に目が行ってしまった。まずはこの国の王様に会わないといけないから、ウルガさんについていかねば。


「いや、大丈夫です。少しここの景色を見ていただけです。なんだか新鮮で....」


「そうでしたか。体調が悪くなったりしたら言ってくださいね。」


 そうして俺はウルガさんについていって王城だろうか?に着いた。


 そして、ウルガさんが門の前にいる人に話しかけると、重々しく門は開いた。


 ウルガさんに先導されてお城の中を進んでいく。まずは廊下があり、真ん中にはレッドカーペットぽいものが敷かれている。壁には絵画が飾られていた。しかし、それ以外にこれといった特徴はなく、思っていたより簡素なつくりになっていた。....そういや、レッドカーペットが敷かれる理由は何だったけか?まあいいや。


 そして、途中で見たドアより一回り大きなドア....いや、この場合は扉か。扉の前に着くとウルガさんがドアをノックし、


「失礼いたします!ただいまリスタイル王国調査隊先鋭科ウルガ・ラズル、帰還いたしました。報告いたしたいことがございます。よろしいでしょうか?」


といった。正直、突然雰囲気が変わって大きい声で言い始めたからびっくりしたわ。いやね、俺もよく声が大きいって言われてきたけど、近くでその声を聞いていた人の気持ちになれたわ。もうちょい気を付けよう。


 それはいいとして、ウルガさんが言った後ドアの向こうから、


「うむ、しかと報告せよ。」


と聞こえてきた。そして、その大きな扉が開いてゆく。完全に扉が開き切ると、中に一段と高い場所に座っている明らかに高い身分の人が座っていた。


 椅子はデザインは細かいが、きらびやかに飾っているわけでもなく、至ってシンプルであった。座っている人はいかにも王様ですって感じな威厳がある。


 しかし、よく見る赤いマントなどはつけておらず、指に宝石などを付けているわけでもない。王冠もつけてはいるが、ところどころに宝石が少しだけついてるというぐらいで、ちゃんと装飾に見える。


 俺はウルガさんとともに中に入った。すると、当然、俺のことは目につくわけで、


「ラズルよ。その者は?」


「はっ!この者は今回のラークライド騒動を静めた人物です。さらに「ロームの森」に住み着いている人物であり、森の動物と暮らしております。」


「ほう?それは興味深い....」


そういい、王様は俺の方を見てきた。いや、そんなひげ面のがめついおっさんに見られても何もうれしくないんだが。いや、まじで。


「お主、名は何という?」


おお、唐突だな。5秒ぐらい見てきたから、ずっと見られるのかと思ったわ。とりあえず、これは答えないといけないな。...国のトップだから、言葉遣いには気を付けないとな。俺は跪き、


「はい、わたくしの名前はソータと申します。お目にかかれて光栄です。」


俺がそういうとその王様は笑って、


「よい、その様子だと堅っ苦しい言葉を使うのには慣れておらんのだろう?楽にしてよいぞ。なに、こうして許可は出したのだ。別に牢屋に入れたりはせん。」


うおー、確かに意外と気さくな人だなあ。確かにこの後の受け答えの仕方なんて知らないから、その方がうれしいな。一応、敬語は使っておく。


「ありがとうございます。それでは遠慮なく。ところで、質問なんですけど、あの森ってリスタイル王国が管理しているのですか?」


「ああ、そうだ。かの「ロームの森」は我が国が管理しておるぞ。とは言いつつも主に監視と異常事態の排除だけだがな。」


そうなんだ。ってか、監視ってことはもしかしたら、俺たちのことも探ってた可能性あるぞ。それとなく聞いてみよう。


「そうなんですね。監視ということは俺のことも監視していたということですか?」


そう聞くと、王様は目が泳ぎ始めた。


「いや、べ、別に危険な「ロームの森」で生活していた人間を調査していたなんてことはない...ぞ?」

「いや、その言い方は監視していましたよね!」


俺がつい突っ込むと、王様は顔をほころばせて、


「ハハッ、冗談だ。実際は監視しておったぞ。ワシもロームの森で生活している人間がおると聞いて驚いたわ。」


「そ、そうですか....」


だめだ。この人の冗談がいまいちよくわからないな。というか、テンション高くね?気のせい?


「ところで、ソータよ。そなたがラークライド騒動を静めたというのは真か?」


「ええ、まあそうですけど....俺一人だけの力ではありませんよ。」


「そうか。まあよい。して、ソータよ。何か欲しいものはないか?ラークライド騒動を静めたということはこの国に大きな貢献をしたのと同じである故、それに見合った報酬を与えようと思うてな。」


え?いいの?でも、報酬か...別に今はこれと言って欲しいものがあるわけでもないし...あ、そうだ。


「この国で森は管理しているのですよね?それでは森に引き続き済ませていただく許可を頂ければ....」


「なに?そんなことか?そなたは欲がないのだな。いいか、そもそも森は管理しているだけであって、所有しているわけではない。つまり、住もうが住まいが許可はいらん。本当にないのか?」


そうは言われてもな....この世界についても全然知らないし....


「実はですね....全然世間や一般常識について知らないんですよ。だから、ないというより、分からないが正しいですね。」


「なるほどな....では、私が決めさせていただこう。まずは、報酬金としてサルサを100万ほどやろう。そして、森で過ごしやすいように何人か人員を送ろう。その際は一緒に住むことになり、食事などの用意もせんといかんが、よいか?」


まあ、確かにいくら頭をひねっても出てきはしないから、決めてもらった方がいいしな。流石に100万は大金だと思うけど....それに人が来るのはいいんだけど、ライア達が納得するかだよな。人数によっては宿舎的な建物も作らないといけないし....


「別にいいですけど....危険ではないのですか?それに、ある程度技術面がないだったり動物に対して忌避感がないという人じゃないと無理ですよ。」


「安心せい。うちの国からはある程度の危険にも対処できる優秀な技術者が他国と比べて多いほうだからな。それに寝る場所や食材などはこっちが手配するから大丈夫だ。ロームの森はかなり広大だから、ある程度は森を切り開いても大丈夫だぞ。

 そして、お主がどこか遠くの国に出かけることもあるかもしれん。その際は一緒に住んでる動物たちも飯に困らないだろう。どうだ?好条件だと思わないか?」


うーん、確かにそれを聞いたらそう思うけど、ビビんないかな?


「あのー、一緒に住んでる動物の種類には「カシープ」と「キャジェル」と「バズゴズ」と「チッキン」と「ネッグウルフ」と「ラークライド」いるのですが、それでも驚かないですかね?そこにいるウルガさんの反応を見るに、余程動物に慣れていないと生活は無理そうですよ。」


「ウーム、確かにそれはとんでもないわ。「スキル持ち」なら大丈夫ではなかろうか?」


スキル持ち?何それ?


「すみません、スキル持ちって何ですか?初めて聞くのですが...」


「は?こんなことも知らないのか。スキル持ちというのはだな、その名の通りスキルを持っている人のことだよ。スキルを持っているものは大抵才能があり、500レベルは確実に超えていて強いため、他と区別してそう呼んでいるのだ。ソータよ。そなたもロームの森に棲んでいるということはスキルは持っているのだろう?」


合っている。だけど、さすがに5つもスキルを持っているとは言えない。俺だけが例外で500レベル以下の時でもスキルを持っていたとはもっと言えない。


「まあ、持っていますけど...それって必ず一つなのですか?」


「うん?それは違うぞ。2つ以上スキルを持っている者も「スキル持ち」と呼ぶぞ。例えば、ワシは2つスキルを持っているぞ。だが、詮索はするなよ?悪意あるスキルの特定の禁止は創造神様が定めたと言われているからな。」


てことはこの人は1000レベルは超えているということだね。さすが、一国の王だ。....創造神様とやらはまた出てきたけど、本当に何なんだろう?


 ....そういや、なんか、神様が創造主がどうとか言っていた気がするな。何か関係があるのだろうか?今度神様が話しかけてきた時に聞いてみよう。


「あなたみたいに王様はやはりどこの国でも一番強いのですか?」


聞けるときに聞いておかないと後悔する可能性があるから、聞いてみた。すると、


「む?そういうわけではないぞ。国のトップが護衛より弱いということもあるぞ。ワシは護衛よりも強いがな。」


そういいつつ、ウルガさんの方を見る。そして、


「ラドル、すまん、お前のことを忘れていたわ。下がってよいぞ。」


こう言い放った。ウルガさん....かわいそうすぎでしょ。ウルガさんも忘れられてたことに泣きそうになって部屋から出たから。ウルガさんは打たれ弱いかもしれない。


「...ゴホン、とにかく、お主にやる報酬はさっき確認した通りでよいか?」


「ええ、それでいいですよ。」


「それならよかったわ。ところで、気になっておったのだが、そのバッグには何が入っておるのだ?」

確かに俺が王様の立場になってみても気になるな。


「ええと、これはですね、この国売ろうと思って持ってきたラークライドとラビックとトッグの毛皮を持ってきたんですよ。いくつか使ってもあまってしまうので。」


「ならば、いくつかワシに売ってくれないか?一国の主は少しは着飾らないとだめだろう?だから、少し高級な毛皮が欲しかったところだ。ラークライドの毛皮が欲しいのだがよいか?」


「もちろんですよ。ですが...ラークライドの毛皮は固いから加工が大変じゃないですか?」


俺の場合はスキルで柔らかくしたりは簡単にできるけど。


「...それは問題ない。我が国には独自の毛皮を柔らかくする技術があるのでな。」


そうなんだ。なら大丈夫だね。


「ところでソータよ。ワシに売っても余るだろう?どうするつもりだ?お主は別にここの買取所など知らんのだろう?」


「ええ、まあそうですけど....」


「よし、ならばワシが教えてやろう。中には適正価格で買い取らずにそれよりも低い価格で買取を行う輩がおるからな。騙されないように覚えておけ。」


お、それは親切だねえ。その好意はありがたく受け取ろう。


「分かりました。ありがとうございます。」


「ワシがおすすめするところはな、この国が高い評価をつけている「ソルガ」という冒険者用施設がおすすめだぞ。ワシもそこで狩りなどをしたときにいらんもんを買い取ってもらうことがあったからなあ。


 しかもだ、ここからが重要なんだが、そこで冒険者登録というものをすると、買取金額が2割増しになり、それぞれの国で武器や、金銭などの支援を受けることができる。金銭に関しては借金という形でだけどな。


 さらに、この国には商人にしかないが、他の国では入国料が必要な国もある。その時に冒険者証明書を出せば通行料が割引されるというメリットがあるぞ。


 ....すまん、一気に喋り過ぎてもうたな。覚えきれたであろうか?」


うん、覚えられたよ?だけどね、冒険者優遇され過ぎでは?まあ、それだけ戦力になる存在が大切だということだね。


「はい、覚えました。色々と親切にありがとうございました。正直、国に初めて来たので、不安だったのですけど、話を聞いた感じだと、とてもよさそうな国であることが分かったので、よかったです。これから、この国にお世話になると思いますが、よろしくお願いします。」


「うむ、本当にお主にとって良いのかは自分で確かめてみるといい。ワシも久々に大分砕けた態度で話しをできた。皆にももっと楽な話し方でよいというのだが、出来ないようでな....。


 だが、ワシも肩の力も抜くことができたから、短かったが楽しかったぞ。


 それではこれからもよろしく頼むぞ。」


「こちらこそよろしくお願いします。」


そう言って俺は部屋を出ていこうとしたが、王様に引き留められ、


「忘れておったわ。ほれ、報酬金の100万サルサだ。大事に使えよ?」


そう言って、袋を一つ渡された。植物で編まれたのかな?一つ覗いてみると、ちょうど500円玉ぐらいの大きさだが、500円玉の2倍ぐらいの厚さのある赤いものがあった。これがウルガさんから聞いた一万サルサか。....初めて見るお金が一万円ってなんだかなぁ。


「ありがとうございます。それではこの国の良さを見つけつつ楽しんできます。」


俺はそう言って部屋を出ようとする。しかし、またしても王様に引き留められ、


「そういえば、ワシは名乗ってなかったな。ワシの名は、「ゼリージ・R・リスタイル」じゃ。ゼリージさんとでも呼ぶといい。」


へ~。なんか、立派な名前だなぁ。まあ、とりあえず覚えたね。


「分かりました。覚えておきます。親切にどうもありがとうございました。ゼリージさん。

 ....それでは失礼します。」


今度こそ俺は部屋から出て、正面の門から意気揚々と出る。これからどんなものが待ち受けているかを考えながら。


 ......そのとき、俺をじっと見ている人影があることに俺は最後まで気づかなかった.....。




 ワシは少年を見届けると一つ息をついた。


 ふう。中々に面白い少年だったわ。久々にあの少年にも言ったように肩の力も抜くことができたな。だが、あの少年はどうやら、見た目以上に普通ではないようだが。


 ワシのスキルでも少年の能力は看破することは無理だったのは初めてだったな。さて、あの少年を何とかして仲間に引き入れたいが....下手をすると、被害が出る可能性がある。未知ほど怖いものはない。


 .....もう少し様子を見ておかねば。


 そのためにあの提案をしたわけだしな。あの少年がどれぐらいのレベルかが分かれば、少しは調査が楽ではあるが。


 ....少なくともワシよりはレベルは高いだろう。


 どの道、今は「カラジャバ帝国」との戦争だ。その対策や被害を抑える方法を考えねば。


 いかがでしたでしょうか?今回はついに前に出てきたリスタイル王国が出てきましたね。ちなみに、最後に蒼汰を見ていた人影はゼリージさんではありませんよ。一体何者かは後々明らかに.....これから読んでいただいて予想していただけると嬉しいです。


 さて、今回から、二章に入ります。これからも僕も読んでいただいてる皆様にも楽しんでいけるような物語を書いていきますので、これからもよろしくお願いします。


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です。


 それでは、また次回お会いしましょう。


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