みんな!無事でよかった!
楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。
俺たちが他愛もない話をしながら、家に戻ると、そこには誰もいなかった。
もしや、襲われてしまったのか?と不安になったが、よく考えたらまだ終わったとは分からないな。ここにいないし隠れてるだろうからな。
.....どこを探すべきか....俺が思いつく隠れられる場所といえば、鉱山ぐらいしかないから、そこに向かってみようかと思う。
そこで、ライアとアドルとその子分たちには家の周りの仕留めたラークライドの回収をお願いした。ちなみにもし何か取れた時のためにくいの下に網を張っているから、その網を引き揚げれば簡単に回収できる。ちょうど4人いるし、みんな力的には問題ないだろう。四方を引き揚げれば簡単だろうし。
一応、アドルたちにはほかのラークライドを食べることについて聞いてみた。そしたら、
「俺らが共食いするみたいなことを心配してるんだよな?それは大丈夫だ!どうせ俺様のことをイラつかせた奴か、俺様に関係ない奴だろうからな!俺様たちの仲間じゃなければ、抵抗感はないぜ!」
....どうやら、無理しているようには見えない。どうやら、本当のことのようだ。仲間じゃない奴に対してはずいぶんとドライだな。まあ、所詮はこの世の中は弱肉強食だろうしな。まあ、食べられるときに食べておかないと、力はつかないしな。
「それじゃ、行ってくるね。戻ってきた時はもう朝だろうから、昼頃に自己紹介はお願いね。」
「ああ、わかった。私も疲れたから、回収し終えたら、少し眠るとしよう。」
「おう、行ってらっしゃい!戻ってきたら、ちゃんと教えてくれよな!」
「「俺は眠いのでその時になったら、起こしてくやさい(起こしてください)。
「わかった。とはいっても、俺が起きるのが最後になりそうだからな。」
流石に俺も疲れないとはいえ、眠くはなるからな。太陽が昇りそうになってきているが、今は4時ぐらいだろうか?緊張の糸が切れた瞬間寝そうになったが、シルグたちが寝ないで待っていると考えると、ここで寝るわけにはいかない。早く探しに行こう。
俺は鉱山へと向かう。ついでに今回のことでかなり強力な敵がいることが分かったため、装備を強化しておきたい。そのために少し鉱石を持って帰ろうと思う。だから、一輪車を持っていく。
俺はどれぐらいとればいいかを考えながら、鉱山へと向かっていく。
鉱山に着いた。中に入って奥の方を見ると、比較的暗いところにリーズたちは寝ていた。子供組は寝てた。シルグもガルジェもかなり眠たそうにしていたが、俺の姿が見えたのだろう。すぐに顔が輝いた。
「蒼汰さん!終わったんですね!」
「しーっ。シルくん静かに。子供たちが寝てるでしょ?」
「あっ、ごめん。」
「それにしても蒼汰さん、ずいぶんと早かったですね。まだ、数時間しかたっていないというのに。さすがだよね~。」
「うん、確かに蒼汰さんはすごいと思うよ。」
....そっか!あの間は数時間しかたっていなかったのか。一日ぐらいは経っていたような感覚だったよ。俺にとってはいい経験になったと思うから、いいけどね。
「ありがとう。シルグ、ガルジェ。....ところで、二人はこれから、歩いて家に帰れそうか?」
「?どういうことですか?」
「ごめん、説明が足りなかったね。多分二人ともつかれているだろうけど子供たちを連れて帰るかってことね。もし無理ならここで軽く寝てから帰ることにするけど.....」
「いやいや、大丈夫ですよ。むしろここで寝たら、まぶしすぎて寝れませんよ。」
「そうそう、ここでは落ち着けないしね。」
....確かにここは明るすぎるし、落ち着かないな。いま、かなり眠いけど、ここでは俺でも寝れないし。
「よし、そうと決まれば早速帰ろうと言いたいところだけど、二人は先に子供たちを連れてここの外に出ておいてほしい。なんなら、先に帰っても大丈夫だよ。」
「何かするんですか?」
「そうだよ。ちょっと今回のことでさすがに自分の装備を強化しないとやりにくいことが分かったから、ある程度、その材料を集めておきたいんだ。」
「わかりました。それだは僕たちは体が冷えるといけないので先に帰っておきますね。.....さすがにバッシー・ゴッシーを乗せるは無理だな。申し訳ないけど起こそう。」
「ええ、そうね。」
そういって、シルグたちは自分たちの背中に子供たちを乗せている。リーズを乗っけるのには苦戦したっぽいが。
....ていうか、そこは待ってくれる流れじゃないの?まあ、自分で先に帰ってていいよって言ったしな。それに、シルグたちも疲れたから寝たいのだろう。
てなわけで俺は多めに鉱石を取っていく。何に使うかわからないし、どれぐらい使うかは分からないから、一輪車に入るだけ入れる。
オケオケ。このぐらいでいいかな。結構山盛りになっているけど。
それじゃ、帰るか。
俺は一輪車を押しながら、歩いて帰っていたが、正直、もうちょいコンパクトに運べることができたらうれしいんやけどな。重くはないんだけど、獣道でガタガタしてるから、落ちそうなんだよな。今度、余ってる動物の皮で何か作ろうかな。あれ?そう考えると、いろいろ思いつくぞ。またアドルたちの自己紹介が終わったら、作ってみるか。今回の戦い方を軸にして作ってみようかな。
そんなわけで俺は家に着いた。やはりみんなは眠かったのか、静まり返っていた。俺が今日帰ってきたら毎回静まり返っているな。...まあ、今日だけだからいいけど。
というわけで俺も眠いから、倉庫として使っているところに一輪車を置いてきて、部屋に戻ってベッドにダイブなんてことはしない。まだ、最初に作ったベッドのままだから、耐久性があるかどうかが心配だからな。とりあえずは問題は片付いたから、明日は家の強化とか、家具とか出かけるときの装備でも作ろう。
それじゃ、寝ますね。お休みんさーい。
そこは毒々しい植物があり、この世のものとは思えないような禍々しい動物があたりにいる。空も酸化した血のような赤黒い色でおおわれており、雲はそれに合わせるかのようにどす黒い色である。それはまるでこの世界の終わりを示しているかのよう。あるいはもう崩壊しているのではないのだろうか?
しかし、そんな風景とは裏腹に辺りは陽気な者たちでいっぱいであった。話が盛り上がれば豪快に笑う額から角を生やした所謂鬼みたいなやつもいれば、どんちゃん騒ぎしている動物の耳を生やした人間のような姿も見える。また、いたるところに酔っぱらっている兵士のような装備をしている者もいる。この者たちの共通点で言えば、だれもが、ある程度のプレッシャーを纏っていて、どれも人間の姿とは異なるが、限りなく人間に近いことであろう。
だが、様々な種族が紛れていることから、他種族を侮蔑あるいは差別し同族間で争いあう人間の方が愚かなのかもしれない。
ここにいる楽しい時を過ごしている。だが、中にはうっすら寂寥とした雰囲気を纏っている者もいる。その者たちは一様にこの地から離れて行って音信不通のままの家族や友人を心配しているが故であるのだ。
そのうちにみんなが解散していく。だが、鬼のような見た目の男が突然こちらを向く。
「お前....どこから入ってきた?」
そう問われる。しかし、質問の意味が分からず、問い返そうとしたが、なぜか、声が出ない。
「なんか答えろよ!いや、これは幻想に迷い込んだ幽体か。幽体がここにいすぎると引き込まれて危ないらしいからな。どれ、戻してやろう。」
どんどん頭に?が浮かんでいく。幻想?幽体?何を言っているんだ?ここは現実だろ?
しかし声は出ない。そして、その男が何かを唱えた後、俺の目の前で思い切り手を叩いた。そう認識した瞬間に目の前が真っ白になっていった。すぐ後に視界は真っ暗になった。
.....ん?もう、朝か....まだ全然寝たような感覚がない。要はまだ眠い。久しぶりに夢を見た気がするが...覚えていないな。まあ、そもそも夢を見たということ自体を忘れることなんてよくあるし。なにやら、騒がしい声が聞こえるので、もうみんな起きていることだろう。....起きるか。
俺はリビングに向かう。ドアを開けると、
「ライアさん!危ないですって!なんでかばうんですか!?」
「だから、何度も言っているだろう!」
「だからって信じてもいいんですか!?少なくとも僕は話を聞くまで信じられませんよ。」
とまあ、ある程度は想像できたかもしれない状況になっていた。やっぱみんなは信じられないか。
「それなら、聞けばよかろう!ちょうど来たようだしな。蒼汰、説明を頼む。」
急だな。まあ、話の流れからして説明することになることは予想できたけども。
「ええと、それじゃまずは、みんなおはよう。」
「いや、蒼汰、挨拶じゃなくてだな....というか、今は昼だぞ?」
相変わらず、昼に起きていたようだ。寝るのが遅かったからね。しょうがない。
「わかった。まずは自己紹介してもらおうか。それからじゃないと説明できないからね。それじゃよろしく。」
「よし、わかった!俺の名前はアドルってんだ。そして、こいつらが俺様の自慢の子分の...」
「ラドって言いやす。よろしゃーす!」
「おいらはラクです。よろしく。」
「だから、俺様があいさつするってんだろ!」
「す、すいやせん。つい。」
「おいらもまたつられてしまった。」
テンションは一緒だな。しかし、このやり取りを誰が見ても好意的なのかというと....
「ねえ!子供たちがおびえてるから、大きい声で言わないでくれる?」
という感じでそうというわけでもないようだ。。ちなみに今のはガルジェだ。そして、リーズ達の方を見ると、確かにおびえている様子が見て取れる。大丈夫かな?俺が説明して恐怖心は薄れるのだろうか?だが、ここは言うしかないな。
俺は、アドルたちが仲間になった経緯を話した。すると、みんなは口々に...
「蒼汰さん、そんなの聞いたこともないですよ。」
「そうよ。自分たちから仲間になりたいと言ってくるラークライドなんていないわよ。」
「よくわかんないけど、僕はそうたの判断を信じるよ。実際、今も襲ってきていないしね。」
「自分もリーズと同じ意見であります。」
「「俺たちも信じるぜ!」」
ファイガはライアの方に行き、どうするのかを聞いているようだ。それの考えをくみ取ったライアが、
「どうやら、ファイガも仲間にすることに賛成のようだ。もっとも、私も面白いからいいと思うぞ。....それに、無理に敵にしようとしなくてもよかろう?」
.....意外にもライアは賛成だったようだ。
それを聞いたシルグとガルジェはまるで降参したかのように、
「はあ~。そこまで言われると、いやだなんて言えないじゃないですか。....まあ、仲間が増えること自体は歓迎できることなのですが....」
「みんながそういうなら、私もそうする!」
「ここは蒼汰さんを信じましょう。子供たちの意見もいいところをついてますしね。僕はまだまだのようですね。」
オケ。まとまったようだ。
「ありがとうな。みんな。こいつらを受け入れてくれて。多分、こいつらもこいつらなりに頑張っていくと思うから、温かく見守っておいてほしい。」
みんなの回答はもちろん、イエスだ。シルグや、ライアなどの大人はまだ少し警戒している様子も少し見受けられるが....そのうちに無くなるだろう。
「というわけでようこそ、俺たちの家族に!そして、これからよろしくな!アドル、ラド、ラク!」
「おう!よろしくな。タロウ!」
「「よろしくお願いしやす!」
....俺の名前が見本か、犬の名前っぽくなっていたんだが。色々と台無しだな。みんなも訂正したそうにしていたが、拍手で歓迎していた。
.....今更だが、みんなどうやって、拍手の音を出しているんだろう?
いかがでしたでしょうか?今回はラークライドとの戦いが終わってすぐの話でしたね。問題点を見つけた蒼汰はどうしていくのでしょうか?そして、アドルたちはなじめるのでしょうか?それはまたのお楽しみです。
次回の投稿も来週の金曜日の予定です。
それでは、また次回お会いしましょう。




