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よしっ!頑張ろう!あとちょっと.....

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 俺たちはライアを探してしばらく歩いていたが、やっと見つけた。


「おーい、ライ..ア...?」


「蒼汰..か?」


「どうしたんだ!そんなに傷だらけで倒れてるって。」


「ああ、実はな....」


「話すのはちょっとまって。」


「ああ、わかっ..た。」


 俺はもう、あの鉱石の粉....あー、そうだな、「回復粉」でいいか。をさっき使い切ってしまったので急いで取りに帰る。もちろん、仲間になったラークライドたちに襲わないでって言ったし、守っておいてとも言った。


 俺は家に戻ると、急いで原料となるなんとかって鉱石を取る。そして俺はライアのもとに走りながら、さっき「回復粉」を入れるのに使っていた袋に鉱石を入れ中身が粉状になるようにイメージする。そうして「回復粉」ができた。あとはライアに振りかけるだけ。


 俺はライア達のもとに着くと、早速この「回復粉」をライアに振りかけた。そうすると、みるみる傷がいえていく。やはり、ライアも驚いてるようだ。


「やっぱり、もう一度見ても信じれんなあ!」


「確かにそうでやす。兄貴!」


「あの光景は夢じゃねえかって思いましたぜ!」


....ハイテンションだな。どんだけ興奮しているんだか....って、今はそっちじゃなくて、


「ライア、なんでそんなにけがをして倒れていたんだ?」


「さっきも聞いてきたな。だが、話す前に聞きたいことがある。なんでこいつらを連れているのだ?それに敵対してこないようだが...」


「このことね。なんか、俺がラークライドを倒してあの兄貴って呼んでいるラークライドたちのケガを治したら、仲間になった。特に、「兄貴」って呼ばれている方は情に厚い感じで向上心とちゃんとした知能があるよ。」


そう話すとライアは小声で


「よし、わかった。だが、ほんとに信頼しても大丈夫なのか?後ろを狙われないか?」


と聞いてきたので大方、予想通りだった。


「それについては大丈夫だよ。あの兄貴って呼ばれている方は、その子分たちを助けてもらってとても感謝しているからね。それに俺におなかを見せたから、その心配をする必要はないよ。」


「.....ラークライドが理知的に交渉か....なかなかないぞ。それに、仲間を見捨てずに仲間のために負けまで認めるとは....興味深いな。....仲間に対する感情が他のラークライドより強いのか?」


「うん?なんか言った?」


「いや、別に。そういえば、なんで倒れていたかだったよな?」


....ライアが小声で何かつぶやいていた気がするが、今は話を聞こう。


「私がなぜあそこで倒れていたのかというと....」



 まず、私が蒼汰より一足先にラークライドの集まりに行ったときに隠していたが、だんだんちょっとした傷が増えていってな....まあ、それでも問題がない程度だったが。


 そして、蒼汰が来てどんどん倒していってラークライドたちが何頭か離れたすきに私は近くのラークライドを倒していったのだが、蒼汰が離れた後に突然、顔を隠している奴がいたのだ。そいつは顔の隠れていない隙間から、顔を見ようとしてもそこには光が一切ないような真っ黒な空間だったのだよ。今が夜だということを仮定しても異常な暗闇だった....


 まあ、何かしらのスキルでそうしていることも考えられるが....


 そして、そいつはラークライドたちに何かの指示をしておとなしくさせた。そのすぐ後、戸惑っている私に視認するどころか動いたことさえ悟らせないようなスピードで私の目の前に立ち静かにこう言い放ったのだ。


「次に私の計画の邪魔をしたら、許しはしない。そしてあの小僧にも言っておけ。『今回はラークライドをほぼ全滅させられたがために見逃しておいてやるが、次はないぞ。』とな。」


私はもちろん、


「なんで私が言わねばならんのだ?自分で言えばよかろう!」


と言い放った。しかし、その人間らしき姿の奴は


「ほう、私に逆らうのか。いいだろう。少し思い知らせてやろう。」


というなり、目に見えない何かで私を切りつけてきたのだ。私はわけがわからないまま、地面に倒れ伏した。そいつは興味が失せたとでもいうようにラークライドを連れ、去っていった。だが、去り際に


「私の計画を邪魔する輩は許してはおけない。すべてはわれらが主、シャガイランス様のために。」


とつぶやいてたのが聞こえたな。他にも何か聞こえたがそこで私の意識は途絶えてしまったのだよ。



「と、まあこんな感じで私が倒れていた経緯はこんな感じだな。」


ふむ、どうやら、そいつは今回の黒幕であったようだ。他にも「シャガイランス」っていうやつが関係しているらしいが。だが、この戦いを始める前に聞こえたあの声の人物とは異なるだろう。え?なぜかって?


 そもそも、そのライアと接触した人物?は、話を聞く限りだと、俺たちにラークライドをほぼ全滅させられて腹が立っていたようである。それに対して、最初に聞こえたあの声は俺たちを煽って戦うように仕向けた感じだった。そして、わざわざ集めたラークライドを減らすようなことはしないだろう。だから、ライアに接触した人物?と、最初の声は違うということだ。


 ただ、一つ言えるのは、俺たちにとって敵となる何らかの勢力が関係しているだろう。最低でも一つは。


 だが、まだ結論を出すのは早い。もう少し手がかりを集めて考察していかないと。流石にこれは放置していいような問題ではないからな。


 と、そこまで熟考したところで、


「そういや、俺様もそんな奴にあったぜ。だが、そこからを覚えてないんだよなあ。うっすら、『私の名前は....』とは聞こえたんだがなあ...」


「兄貴!俺達には聞こえなかった出やす。ちゃんと聞こえてるなんてさすが兄貴!」


「いつもすごいですねー!なんで、自分の女ができないのやら....」


「いやー。そんな褒めるなって。照れるだろ。あと、ラド。お前は後でちょいと来い。」


「ひえ~....言わなきゃよかった....」


なんか兄貴(仮定)がいうと、その子分たちが褒めるシステムなのかな?まあ、でも好きで褒めてるらしいしそこは好きにさせとこう。そもそもそれを制限するなんて権利は俺にはないからね。


 そして兄貴がラドと呼んだ子分をじゃれ気味にお仕置きしている姿を眺めていた。もちろん、去っていったとはいえ、まだ残っている可能性はある。そのため、警戒は怠っていない。


 ....しかし、改めてみると、分かりやすい特徴があるな。兄貴って呼ばれた奴は左頬と右前足に傷がある。どうやら、古傷のようだ。ラドって呼ばれた奴は足の色が体のいろと違っている。体が浜辺の砂のような薄い黄色に対し、足は毛が白くなっていっている。そして、もう一頭の方は鼻が黒くなっている。ちなみに他二頭は鼻は毛の色と似ている。


 そんな観察をしていたら、お仕置きが終わったようで、「兄貴」って呼ばれていた奴が、


「なあ、命の恩人さんよ、そろそろ、自己紹介をしてもいいよな?」


と聞いてきた。なので、


「うん、いいよ。だけど、簡単にね。一応、まだ周りにいるかもしれないし、他のみんなにも自己紹介してもらう予定だから。あと、俺は蒼汰ね。」


ライアはまだ少し警戒しているけど。だが、何か聞きたいことがありそうな顔だな。


「よっしゃ!それじゃ言うぜ!まずは俺様からだ!俺様はアドルだ!よろしく!そして、こいつらは俺様の子分である....」


「俺はラクっつーもんっす。よろしくおにゃーシャーす。」


「おいらはラドって言うです。どうもよろしくお願いしやす。」


あっ、「お願いしやす」はもう、普通のあいさつなのね。


「おい、俺様が紹介しようとしたのになんで遮るんだよ!」


「すみません、つい...」


「おいらも自分の事を知ってほしかったというか....」


「あーあ、せっかく俺様がお前らのことをいい感じに紹介しようとしたのになー。やめようかなー。くいらもほとんど知らないだろうのになー。」


えっ?まって、もしかして、くいらって俺のこと?なんかこっちを見ながら言ってきたし。一文字もかすってないじゃん。今度しっかり覚えてもらおう。


「そんな~。兄貴~、そりゃないっすよ。」


「お、おいらはとても兄貴が優しいといつも思っていますよ!ただ、今回はつられてしまってしまっただけで....」


「よし、わかった。ちゃんと紹介してやろう!それと、ラド、お前言い訳したな?後でちょいと来い。」


「なんでおいらだけ!?...いつものことですけどなあ。」


なんか、ラドもしゃべり方が少し変だな。...まあ、喋り方はそれぞれだから、伝わればいいか。


「....つーわけで改めてこれからよろしくな!カアルとライアさん!」


おじさんなっちゃたよ。ライアの名前は合ってるし。


「うん、よろしく。みんなが快く迎えてくれるかは俺でもわからないけど、出来るだけ受け入れてもらうように頑張るよ。あと、俺の名前は“そうた”ね。」


「わかったぜ!ありがとうな!グリン!」


....青々しい名前だな。やっぱり一文字もかすってないし。ここまでくると、せめて一文字はかすってほしい。


 それから何十分か待ったが、何も起こる感じがしないので、家に戻ることにした。


「よし、ライア、もう襲ってくる気配はなさそうだし、家に戻ろうか。」


「わかった。それでは戻るとしよう。今回は私の主義に反するが、仕留めすぎた過剰な分のラークライドは置いていくとしよう。家に戻れば罠の中に残っているだろうからな。」


「なんで、おいていくの?」


「それはな、持って帰っても食べきれずに腐ってしまう可能性があるだろ?それなら、腐らないうちに他の動物に食べてもらって肥えてもらった方がいいだろ?」


お、おう。また、ライアの計算高さが見えた気がする。獲物に対してだが。


 そう決めたなら、すぐ出発しよう。リーズたちが心配だし。そこで腰を上げたところで、アドルが、

「なあ、ちょっと行く前にいいか?ちょっと俺様たちの助からなかった子分たちを埋葬しに行きたいんだ。いいか?」


「いいけど....恨んでないのか?」


「あん?何がだよ?」


「アドルの他の子分たちを殺してしまったことだよ。」


「あー、それか。別に恨んでないって言ったらウソになっちまうが、過ぎたことだし、こうらもあそこでやってなきゃやられてだろうしな。だから、今回はお互い様だ。それに今、ここにいるラクとラドを助けてもらったんだ。そのことを忘れるわけがないだろう?だから気にしなくていいぞ!」


....確かに言ってることは間違ってはないけど...それでも申し訳なさがあるな。名前もまた間違ってるし。でも、活舌をよくしたら、そうたに聞こえるから、だいぶ近づいたな。


 そんなわけで俺たちはアドルの子分たちを供養して、家を目指して歩いた。思ったより遠くに来ていたようだ。



 帰っている途中、ライアがアドルたちに


「いいか、絶対に今から会いに行く私たちの仲間には手を出すなよ?出したら分かってるよな?」


「ははっ!それは大丈夫だ!俺様達も目に見える動物を手あたり次第襲うなんてことはしないって決めたからな。」


「よっ、さすが兄貴!学ぶのが速い!」


「さすが、考え方がすごい、いいですね!」


「うんうん、そうだろう、そうだろう!ありがとう!それと、特に理由はないが、お前ちょいと来い。」


「おいらだけ理不尽!?」


 騒がしいな。まあ聞いていて楽しい騒がしさだからいいかな。ライアはまだ心配そうな顔をしているような気がしたが、俺が見ているのに気が付くと、迷いを振り払うかのように首を振った。

いかがでしたでしょうか?今回はこの件に関与した人物が出てきましたね。あの人物は何者なのでしょうか?最大の黒幕は?それは今後明らかになってくる....と思います。

 次回の投稿も来週の金曜日の予定です。

 それでは、また次回お会いしましょう。

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