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どうしよう....この状況を....(8日目、そして日をまたぎ9日目)

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 ようやく驚きでフリーズしていたみんなが、いち早く状況を理解したライアの声で動いた。


「何をボーっとしている!今のところラークライドと互角以上に戦えるものは私と、シルグ、ガルジェ、蒼汰だけだ。そのため、シルグとガルジェは他の者たちを連れて安全な場所に隠れておけ。そして、私と蒼汰はここで押さえておく。早くいけ!」


「ですが、ライアさんと蒼汰さんが危険ですよ!」


「大丈夫だ。むしろ、みんながここにいたら、下手したら全滅だぞ!ならば、少しでもみんなを逃がすことを考えろ!」


「...わかりました。ほら、みんな行こう!」


 俺とライア以外のみんなが逃げていく。幸い、家の裏は気づかれにくいようだ。....俺はこっちに集中しよう。


「それで、どう時間稼ぎをする?ライア。」


「蒼汰、お前何のために落とし穴などを作ったのだ?何も真っ向からいかなくても罠に誘導してやればいいだけだろう?そうして少しずつ無力化していけばいい。」


あー。確かにそんなの作っていたな。走り回るだけで誘導できるかな?ともかく一筋縄ではいかないだろう。


 ....そろそろ外に出ないといけないのか....ライアが視線で促してきているし。しゃあない。ここは覚悟を決めよう。.....よし!いこう!


 外に出ると、とりあえずビビった。数と威圧感が強かったのだ。意気込みと肝の据わりは全く違うということが分かったな。それと、まだ、柵の中に入ってきたものはいないようだ。すでに腰が引けてしまっているが、あれに近づいて、柵の中から攻撃できるだけ攻撃してみるか....上からゆっくりと.... 


「ちょっと待て。蒼汰、お前何をしている?今は遊んでいる場合ではないぞ?」


「いやいや、遊んでいるわけじゃないから。ちょっと怖いから、上から、少しずつ攻撃して数を削っていこうかなって....」


「そんなまどろっこしい真似をしなくても、突っ込んで落とし穴に誘導したらどうだ?私も一緒に行くから。さあ。」


いや、柵の中から安全にするよ?なんで押すの?ほんとに怖いんだって。だから押さないでよ。


「ここでグダグダしていてもほかのみんなが危険にさらされるだけだが、それでいいのか?」


「いや、それは絶対によくない。」


「なら、ここでその恐怖心を維持でも押さえろ。」


あー。やるしかないな。ここまで来たら、本気で腹をくくるか。


「わかった!やってやる。」


「うん、いい顔になった。それでは、いくぞ!」


さすが、集落の長だ。言葉で誘導するのがうまい。


 まずは、ラークライドの数が少ないところの柵を乗り越える。


 罠の位置は....この近くの木にあったな。


「おーい。こっち来いよ!」


我ながら、幼稚な呼びかけやなあ。....よし、いつもの調子が戻ってきた。とりあえず、10頭ぐらいはついてきたか?あとは、全力ダッシュだ。そうすれば、俺の重さでは耐えられるが、大型の動物では地面が落ちるように設計した大きめの落とし穴に来たな。


 あとは、落ちるかだが....よし!5頭ぐらいは落ちたな。落とし穴に設置している逆さにした槍もどきのせいで苦しんでいる。かわいそうだが、これで無力化はできただろう。


 そうやってしばらくは無力化したが、さすがに学習したらしく落ちることは少なくなった。でも、20頭近くは落ちたから、上出来だと思うぞ。


 今は周りにいないから、一休みっと。お。ライアも少し休んでいるな。


「おーい。ライア。今はどんな感じ?」


一瞬ライアは身構えたが、俺だと気づくと、安心したような雰囲気になった。


「....私は9体ほどは仕留めたぞ。やはり、連携されると厄介だな。」


こんな短時間で実力で仕留めるとは。あれ?でも待て。


「なあライア、前は一度に叩けるのは2,3体って言ってなかったか?最低でも7頭で行動していたよ?」


「ああ、そのことか。確かに前に話したな。確かにそう言ったが、それは、ファイガを守りながらの話だ。一人でなら、この数は本気を出せばいけるぞ。しかも、連携を取るとはいっても短絡的な動きしかしていなかったから、楽だったな。....ただまあ、少し疲れたがな。そのあとも出てきたが、一休みしたかったので、奴らを巻いてここで休んでいるのだよ。....それで、蒼汰はどんな感じだ?」


「....あー。俺は罠に落としただけだよ。ライアと違って、かわいそうだからと止めもさしていないし。」


「ならば今とどめを刺せば間に合うぞ。今から行って来い。」


「いや、でも....」


「行って来い。」


「はい....」


 はあ。結局こうなるのか。こうなったら、仕方ない。かわいそうでもここは腹をくくってとどめを刺しに行くか。....俺って、どれだけ腹をくくらないといけないのか。もしくは、どれだけくくる腹があるのか。どちらにせよ、俺は臆病ということは分かった。


 とどめを刺したところはあまり言いたくないので、話すのはよしておく。....これに慣れていかないといけないとな。これからもこういうことはあるだろうしな。そういや、魚以外の生き物を仕留めたのは初めてだな....


 戻ると、ライアは15体ほどのラークライドと戦っていた。やばい!この数は多い。さすがにライアでも無理だろう。加勢しよう。ライアと一緒に真っ向勝負だ!


 俺は手元にあったアラガン鉱石で作ったナイフを持って、近づいていく。その時にスキル「気配消滅」を使う。そうすれば気づかれないはずだ。



 果たして、それは真っ向勝負といえるのだろうか?そしてうまくできるのでしょうか?あ、どうもナレーターです。



 よし。やっぱり気づかれてないな。後ろから首筋に切りかかる。やはり固く、このナイフでも葉があまり通らなかった。とはいっても首の三分の一ほどは通っているので、十分だが。


 急に倒れたことに驚いたのか、周りのラークライドが反応する。だが、こっちを向く前に木の陰に隠れたので、見つかってはない。もう一度、同じようにする。さすれば仕留められた。何回か同じことを繰り返していく。


 だが、やはり見つかってしまうもので、4頭仕留めたところで見つかった。その時にライアは気づいたようで、安心したような顔をしている。


 ...あと3頭だな。ライアは2頭を軽くあしらっている。俺はというと...何気に正面から戦うのは初めてなので、とにかく、攻撃をよけている。こんな心もとない長さのナイフだと刃がラークライドに届くかどうかすらもわからない。(届かないと思う。)だから、決定的な案が浮かぶまでは避け続けている。ちなみにライアはもう終わって俺を見守っている。どうやら、俺に任せるつもりのようだ。



 えーい!仕方ない!ここは一発当ててみ....やっぱ無理!何かもうちょい長くできればいいのだが....あっ!長い枝にスキルを使ってこのナイフを付ければ長くできるぞ。早速やってみよう。よけながら、長い枝を探してみる。


 ......あった。だけどラークライドに近い場所にあるな。どうしよかな?よくあるスライディングでラークライドの股下を抜けるやつをやってみようかな!


 結論を言おう。無事に抜けられました。いやー、初めてやったにもかかわらず、こんなにあっさり行くとは。運動能力も上がってたな。強いて言えば、スライディングしたときに肘を擦ったから、そこがいたいぐらいかな?


 あとは、これをナイフと組み合わせてと....オケオケ、出来たな。とりあえずは1メートルぐらいは伸ばせたから大丈夫だろう。だいぶ枝も太かったから、丈夫だろうし。


 しっかり持ってラークライドの方をしっかりとみる。



 一筋の風とざわめく木々。それはまるでこの勝負の行方を見守っているかのようだった。

 そして二人の間に緊張が走る。まるで二人の間に火花が散っているかのようだ。

 ライアが見守る中、両者は同時に動き出した。一瞬のうちに二人の距離が縮まり、気が付けば元々お互いがいた場所に両者は立っていた。

 はたして勝ったのはどちらなのか!?


 結果は....両者とも倒れていた。しかもどちらも痙攣するかのように震えている。だが、決定的に違うのは片方が目に涙を浮かべて腰を抜かしているという所だ。そう、蒼汰であった!この勝負を制したのは蒼汰である!!


 以上、実況は私ナレーターでした。



 あ~~~。緊張した。それと怖かったわ。緊張の糸が切れた瞬間に腰が抜けちゃったし。やはり迫力あったな。正面衝突は初めてだったからな。やはり、ライアがいないだけでもこんなにも違うものなんだなあ。(ライアが見守ってはいたが)しかも、なんか聞こえてきたし。


 ....でも、こういう風に一騎打ちみたいなことをできたのは嬉しかったな。それでもあまりやりたいとは思わないが。そんなことを思っているとライアが駆けよってきた。


「蒼汰、やればできるじゃないか!さすがだな。お前に足りないのは度胸だったようだな。」


「あのー、ライアさん。別に度胸試しをしていたわけではないんですよね?見守っていただけなんですよね?」


「ああ、見守っていただけだ。ただ、どうしても危なかったら、助けようと思っていたのだが、正面から向き合ったのでな、度胸を手に入れたのかと思ったのだが違うのか?」


だめだ。これはいじってるわけではなくガチの方だ。つまり天然だな。助けてくれたっていいじゃん。....おかげでいい経験になったけど。


「そうだ、蒼汰。まだまだラークライドは残っているぞ。とはいってもあと20頭ほどだがな。ラストスパートだぞ。この調子で頑張ろうではないか!」


そうだった!まだいるんだったな。空気的になんか長みたいなのを倒したのかと思った。それと、関係ないけど、「そうだ、蒼汰」って語呂いいな。


 少し休んでから、(たくさん休んでいるって気がするでしょ?実は俺もこんなに休む必要なかったと思う。別に疲れないからな。)ライアとともに歩き回っていた。ふと、


「ライア、これって全部を仕留めたら生態系的にやばくならないか?」


「ああ、そうだな。」


「だったら、全部倒さずにこの前言ったみたいに力を見せて降伏させるってのはいいんじゃないか?」


「いや、前はそう言ったが、今は奴らに腹が立っている。何度も集団で来たからな。

 それと実は言い忘れてたことがあったのだ。あの時生態系が壊れるみたいなことを確かに言ったが、一時的にだ。今ここにいるやつらをすべて仕留めてもほかの森に散っているラークライドがまた増えていくだろう。それに、ここにいるやつらがすべてだったとしてもだ、要は絶滅してもオスとメスが2頭ずつ急に出るらしい。

 まあ、それはすべての動物に言えることだがな。人間も例外じゃない。」


 へえ~じゃあ別にすべて仕留めても問題ないわけだ。てか、急に出てくるって何なん?何、この世界は動物は必ず絶滅しないようになってるってことだよな。何種類いんだろ?それとも最初からいたのか?これだけで地動説が唱えられそうだ。いや、関係ねえだろ!


 .....今更だけど、これが平常運転とか客観的に見たら悲しくないか?今更だけど。冗談が通じる親しい人ができたらこの症状?も収まるんじゃないかな?


 そうこうしているうちにラークライドがすべていそうな集まりを見つけた。


「蒼汰、まずは私が先に行くから、お前はさっきみたいにこっそりラークライドを仕留めてくれ。」


「わかった。気を付けてね。」


「なあに、お前が来る前に半滅ぐらいはさせるさ。」


あれ?思いっきし死亡フラグを立てたような....


「おい、ライア、そのセリフは....」


「それで行ってくる。蒼汰も早く来てくれよ!」


 ....まあ、いいか。俺が援護すれば大丈夫だと思うし。それにもしものためにこの前取った効能がおかしそうな鉱石を粉末にして持ってきたからな。名前は忘れたけど。


 それではあとひと踏ん張り行きますか!

 楽しんでいただけましたでしょうか?今回、蒼汰はやっとラークライドと戦いましたね。(確かに腰抜けそう。)果たして、無事ラークライドは倒すことができるのか?それは今後分かってきます。

 次回の投稿も来週の金曜日の予定です。

 それでは、また次回お会いしましょう。

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