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もっとよく知れた、みんなの事

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 ....もぐもぐ。やっぱりうまいなこれ。


 そんな風に俺が味わっていると、みんなが何やらそわそわしている。疑問に思いつつ見ていると、突然ライアが、


「なあ蒼汰、今から話があるのだが、いいか?」


「もちろんいいけど、どうしたの?」


「ああ、蒼汰もみんなのことはまだよく知らないだろう?だから、それぞれに自分の事を話してもらって、ちゃんと理解しあってほしいんだよ。それはみんなも同じ気持ちだ。」


....なるほどね。確かにまだ俺はみんなのことをよく知らなかったな。ライアが用意してくれたいい機会だ。俺たちのことをちゃんと考えてくれていてありがとう。ライア。


「そうだね。俺もみんなのことをちゃんと知りたいから、話を聞きたい。だけど、まずはご飯を食べ終わってからにしようか。」


 俺たちは飯を食べ終わり片付けもすまして、話をするときの位置についた。そして、ライアが、


「さて、今すぐにでも話し始めたいところだが、順番を決めていないので、順番を決めよう。ああ、蒼汰はこの前話したから、大丈夫だぞ。」


「わかった。それじゃ、順番が決まったら教えてくれ。」


 そして、俺はみんなが話を決める順番を決めているのをライアとファイガと眺めていた。なぜ二人と眺めているのかというと、ファイガはまだしゃべれないため、ライアが代わりに話すのだが、言い出しっぺということでトップバッターになった。


 ....どうやら、順番が決まったようだ。


 最初にライア・ファイガペア、次にビーン、その次にバッシー・ゴッシーペア、次にリーズ、最後にシルグ・ガルジェペアの順番だ。ちなみにペアのところ、俺たちと出会った時期が同じで、長い間を共にしているからだそうだ。


「じゃあ、まずは私からだな。

 前にも言った通り私は元々あるキャジェルの集落の長だったんだが、なんで集落の長をしていたのかというと、集落の中では、私が一番強く、とりまとめる人が欲しいということで私が長になったのだ。

 しばらくして、私は妻と巡り会えたのだ。そしてファイガが生まれたのだ。しかし、ファイガが生まれてすぐに亡くなってな.....だから、今は男手一つで育てているのだよ。

 だがな、どうもうまくいかなかったのだ。特に苦労していたのがファイガを友達と呼べる者は集落にはいなくてな....いや、別にいじめられてたわけじゃないぞ。みんなが長の息子だからって遠慮してしまうんだよ。

 だから、気兼ねなく接してくれているみんなには感謝の念を伝えたい。そして、こいつに笑顔が増えたことで私もうれしくなっていたのだよ。感謝する。」


 ...なんか、前も言っていたな。色々と体験してきたからこそこんなにも博識なのかな?


「それでは、ラークライドが攻めてきた時の話をしよう。

 あの時はあまりにも多くのラークライドが来ていたため、みんな自分より二回りほど大きい相手を前にパニックになっていた。ラークライドと戦うことに慣れていない者たちが特にパニックになってしまっていたので、慣れている者たちに迎撃や、避難誘導をしていたのだが、うち一人が討たれてしまってな..... 

 そこから、戦線が崩壊したので、みんな散り散りにいってしまって、今はあちこちに散らばっているのだよ。

 だが、もしかすると、どこかで会えるかもしれないな。その時はその時で会える時を楽しみにしておこう。

 ....ともかく、蒼汰、私たちに住む場所をくれてありがとう。そしてみんな、毎日をにぎやかに彩ってくれてありがとう。これからもよろしくお願いするぞ。」


そういって、ライアは頭を下げた。それを見てファイガも慌てて頭を下げた。


「これで私の話は終わる。」


自然と拍手が起きた。まあ、確かにこれは中々ない機会で感謝を伝えてくれたから、いい経験になったとおもう。


「こちらこそありがとう、ライア。ライアのおかげでいろいろ知らないことが知れたし、出会えてよかったよ。これからもよろしく。」


そういい終わると、また拍手が起きた。涙ぐんでるものまでいる。拍手が鳴りやんだころ、タイミングを見計らって、


「さて、次はビーン、お願い。」


「了解であります。まずは自分の立場について話します。

 吾輩は、ごく普通の家庭のごく普通の環境で育ってきました。そこでは、チッキンのみんなに備わっている能力の扱い方について習っていたのであります。

 しかし、吾輩はこのしゃべり方と、周りからは堅物過ぎるという評価を得ていたため、幸か不幸か目立っておりました。ですが、それをあまりよく思わない輩もいるようで、吾輩は物を隠されたり、仲間外れにされたりしていたのであります。さらに陰で悪口を言われ、それを偶然聞いてしまったのです。

 私は集落から抜け出そうと決意を固めました。」


 .....なるほどね....どこであれ、いじめは起きてしまうものなのか....目立っても、目立たなくてもダメって、もはやどうしていいのか分かんないよな。ビーンの心の傷をこれから、いやしてあげたいな。


「そして、それは起こったのです。ラークライドが集落に攻めてきて、次々に吾輩をいじめてきたやつらが弄ばれていて、ざまあwwってなっていました。ですが数が増えてくるにつれ、そんな余裕はなくなったので、集落のみんなに知らせてきてから、出てきました。

 幸い、いつでも集落を出られる準備をしていたので、すぐに出てこられることができました。みんなは今、どうなっているのでしょうかね?吾輩をいじめていたとかは関係なく、みんなが無事でいたらうれしいと思っていた次第であります。

 そして、逃げ切って、ぶらぶら歩いていたところで、ファイガ君が飛ぶ練習をしているところを目撃し、強いあこがれを抱き、飛べるようになりたいため、ファイガ君と一緒に飛ぶ練習をライアさんに教えてもらいながら、していた次第であります。

 そこで皆さんと出会い、幸せな日々を過ごしていられているのであります。しかし、その一方でずっと、親族のことを気にしてしまっているので早くこの事態が収まってほしいと思っている次第であります。

 それはそうとしまして、皆さん、楽しい毎日をくださりありがとうございます。これで吾輩の話を終わります。」


やはり拍手が起こった。今度は別の意味で涙を流している者がいる。

 

 やっぱり、こいつも優しいやつではあるんだよな。何かあったら、みんなに負けないぐらいのスピードで来てくれるし。やはり、みんな何かしらのエピソードがあるものなんだな。


 しばらくして拍手が止むと、


「「次は俺たちの番ですね。」」


と、相変わらずの阿吽の呼吸で言った。どうやら、意図せずして同時にしゃべってしまっているらしい。そして内容を語るときも文字通り一心同体だった。


「「まずは、俺らが卵から生まれたときは親らしい姿は見えず、むしろ、他の動物たちに襲われなかったのが不思議でしたね。ほかの動物の卵を主食にしている動物もいるので。」」


ちょっと待て、ええと、まだ卵を主食にしている動物はわかる。だが、「バズゴズ」って見た目はどっからどう見ても牛と馬なんだよ。見た目が哺乳類なのに卵から生まれるってわけがわからん。


 ....話が脱線したな。はなしを聞こう。


「「そこから、歩けるようになるまでは2分ぐらいですかね?かかっていました。いや、3分じゃないか?」」


いかん、自分で自分に言っているようにしか聞こえん。実際はお互いに言っているんだろうな。


「「そこから、自分たちの勘を信じて、行動していたのですが、途中でいろいろな動物に遭遇してしまって、特にでっかい耳がある奴はこっちをなめてかかってきたから、イラっと来て、吹っ飛ばしてやったのですよ。そしたら、あまり襲われなくなっていたのですよ。

 ですが、やはり腹は減るので、自分たちから狩りに行って腹を満たしていました。まあ、吹っ飛ばしすぎて仕留めた獲物を見失ってしまうこともよくあったのですが。

 そんな毎日を続けていたある日、奴が来たのですよ。そう、ラークライドです。一体だけでしたが、かなり強くて、自分たちの得意としていた、突進も効かなかったのですよ。何度やっても全然効いている様子はなくて、むしろ、あざ笑われているような表情でイラッてきましたが、勝ち目がないことはわかっていたので、得意な突進を使って逃げたんですけどね。」」


なるほど、性格がわかった。負けず嫌いの脳筋タイプだな。というか、ラークライドの被害者の会みたいになっているのだが。自己紹介(特に自分たちの経歴みたいだが。)のはずなんだけどな....


「「そこから、ラークライドを巻いて、それでもずっと逃げ続けていたら、そうたさん達に出会ったのです。そこから、毎日気楽な日々を過ごせています。皆さんのおかげです。これで俺たちの話を終わります。」」


パチパチ。まあ、拍手して相手を褒めるってのはやっぱり大切だもんな。色々突っ込みたいところがあったのだが、一人(二人?)だけで生まれてから生活してたというのだから、すごいんだよな。俺よりも断然すげえじゃん。俺もそのたくましさは見習っていこう。


 さて次は....


「次は僕だね。僕はある森の開けた場所に生まれたんだ。なんかね、大きな木があって、僕たちはそこで暮らしてたの。僕たちは、狩りとかはできないから、果物とかを取ってきて、他の動物たちと交換してたりしていたんだよ。ちなみに、それを言い出しのは僕だよ!どう?よく思いついたでしょ!」


 ...せやな。確かにその発想がないところで育つと、普通出てこないからな。リーズって、ちゃんと教えたら、一回で覚えるし、理解が速いから、やっぱり、頭がいいんだよな。察することも俺よりできるし。


 それでは、話を戻そう。(といっても、俺が話すわけではないが。しかも、俺が勝手に脱線させているが。)


「....それでね、よく親切なモンシーのおじさんから果物をもらったこともあったよ。それとね、よく遊んでもらってたんだ。

 あとね、あとね、お友達もたくさんいて、色んな動物の友達ができたんだ。友達になった場所は大体、お母さんたちが交換しに行った先で暇だったから一緒に遊んで、お友達になったよ。」


....やはりコミュ力がいいのか、人懐っこいのがいいのか、悩むところだな。少なくとも俺は無理だ。話に引き込むのもうまいな。個人的な意見だが。


「そんなあるとき、ラークライドが僕たちのところに来たっちゃんだ。それでね、みんなで逃げきったんだけど、みんなとはぐれちゃったんだよ。

 それでずっとお腹が空いてて、やっと果物を見つけたと思ったら、お腹が空きすぎて取れなかったの。

 がっかりしたその時においしそうなにおいがしたから、近づいていったら、そうたが果物の皮をむいていたんだけど、危険な感じはしなかったから、さらに近づいていったら、果物をもらえたんだ。

 でも、一番びっくりしたのは、そうたが僕たちの言葉がわかるのがびっくりしたよ。あの時はちょっと僕は怖かったよ。今は面白くて、とてもいい人だと思っているよ。これで僕の話を終わるね。」


 パチパチ。....もしかしたら、俺より人脈があるかもしれん。...まあ、それは置いておいて、友達を行く先々で作れるって、色んな意味で天才だな。これはとんでもない才能が開花するかもしれんな。


 リーズの話が終わった後、シルグたちの番になった。


「じゃあ、次は僕たちの番です...ね....?」


 そこまで、言って、窓の方を見て固まっていた。なんだろうと思ってみてみると、100程の赤い光る点があった。幸いなのは、柵の外で、ある程度距離を取っていることぐらいか。そんな風に分析していると、


『この事態を乗り越えられるかな?異世界からの来訪者よ。』


はい、びっくりしました。.....ではなく、やはり、誰かがこの件に関与しているようだな。...確かに一つだけ目の大きさが違っていたな。


 まずは、この件を解決させて犯人を見つけ出そう。

 いかがでしたでしょうか?今回はこの前ザっとしか紹介しなかったみんなのエピソードの回でしたね。シルグたちがまだ語れていませんが、これから、どうなっていくのでしょうか?そして、蒼汰はどうなるのか?ぜひ楽しみしておいていただけると嬉しいです。

 さて、次回も金曜日の0時に投稿予定です。

 それでは、また次回お会いしましょう。

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