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誰がいいのやら......

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 ふと目が覚めた。まだ辺りは暗いが、外を見ると紫色の空模様をしているため、明け方ではあるのだろう。


 あまり寝た気はしてないが、不思議と気分はいい。


 ソファーの上で起き上がって大きく伸びをすると、もう一度仰向けに倒れた。


 いかん、体が二度寝モードに移行しかけている。早く水でも顔にかけて目を覚まさなければ。


 閉じようとする目を薄く開けつつ、水魔法を使って顔に冷水をかけた。


 すると、瞬く間に(まだ瞬いてはいないが)頭の中が鮮明になっていく感覚がある。


 少し気合を入れて飛び起きる。


 よし、これでもう体も頭も完全に目覚めたね!これから朝飯作って、それからディガの故郷に向かう準備を整えないと。


 一応他に誰が行くのか聞いておく必要はあるけど。


 顔にまだついている水を服で軽く拭ったのち、キッチンへと向かう。


「さてさて…朝は何を作るか……とりあえず味噌汁と……オカズはベーコンとかでいいかな。野菜は…」


 などと考えていると、


「ふぅ〜ん、目覚めてからの行動が面白いじゃないですか。」


と、声が聞こえて、驚いてしまい、俺は思わず肩を跳ね上げた。


 声のした方を見ると、リアンがいた。


「え、いつの間に…?」


「普通に蒼汰さんが起きる10分くらい前ですよ?何も変なことはしてないのでご安心ください。」


 んまぁ、昨日のことがあるし、一概にはまだ信じられんな…


 モル?俺が起きる前のリアンの様子とかどうだった?


 ……反応がない。おーい、モル〜?


『……んむっ?あぁいや何も問題はなかったぞ?』


 いや完全に寝起きの声なんだが。


『わぁわがこの時間に寝るわけが……zzz…』


 寝てるな?これ。まぁずっと起きてるってわけでもないからそりゃそうなんだけど。


『あ〜、モルさんの代わりに言うが…リアンは特に何もしてこなかったぞ。来てから声をかけるまでずっと椅子に座って、蒼汰の様子を見ていただけだったな。』


 え、何それ怖い。ホントに行動が謎なんだけど……


 っとその前にセク、起きてるなら一応確認しておきたいんだけど、ドワーフの里の近くにいる均衡守護者(バランスガーディアン)って知り合いだったりするか?


『えっと…たしか昔知り合いだったかもしれんが、あんまり覚えてないな。スマン。』


 そういやモルもあそこに閉じ込められて50年くらい経ってたって言ってたっけ?


 子供の時の話ってんなら、長い間会ってないのにお互いの顔を覚えている方が珍しいかもな。


 ……モルの言動を見る感じだと案外そうでもないぞ?


 ともあれ、今日向かうところの均衡守護者(バランスガーディアン)はモルが覚えてる感じだから大丈夫か。


 まあ、問題は仲間になってくれるかってのと、本来の目的であるディガの故郷の件なんだよなぁ……


 リアンにも一応ついてくるか聞いてみるか?


 そう思い、リアンの方を見ると、そこに姿はなかった。


 ちょっともうホントにわからんな。あれかな?寝起きは素が出やすいっていうし(情報源不明)、弱み探ってるとか?なくはない気もする。


 もう、そう言うことにしときますか。というかそもそもリアンは連れていけるか?もしかすると連中が狙ってくるかもしれない。


 逆に留守の隙をついてという可能性もあり得る。どうしたものか……


 うん、どちらにせよ今出会っても勝てないし、最悪逃げられるように一緒に連れていくか。その方がまだいい気がする。


 となると、誰が行くのか…あんまり大人数いても良くないからな……


「おはよ、ソータ。何悩んでるの?今日の朝ごはん?」


 耳元で声が聞こえ、肩を跳ね上げる。マジで神出鬼没な奴らばっかだなこの家。


 声の聞こえた右を向くと、ロサがいた。そして外を見ると、完全に日が上ったようで明るくなっていた。


 あ〜これあれだ。朝が弱い時あるあるの気づいたら時間が経ちすぎてる現象だこれ。


 時間感覚おかしくなってるのヤバいなこれ。まだちゃんと目覚められてないのか。


「おはようロサ。ちょっと今日出かけるところに誰を連れていくかみたいなのを考えててな……」


 そういうと、ロサは手で俺の言葉を静止する。


「待って、当てる。えっと、ゼリージさんのところに行く…でしょ。」


「その心は?」


「リアンを返しにいくんじゃないの?あの子、だいぶ頭のネジ飛んでるように見えるけど?」


 おぉう…すごい言いようだな。でも、それを言うなら多分俺も飛んでるし、ついでに空兎の方が飛んでるから問題ないな。


 地球勢全員ダメってことじゃねえかじゃあ。いやまだ明兎がいたか。ダメだそれでも中和できねぇ。


「そんなことはないよ。ディガが昨日帰ってきたのは知ってる?」


「うん、さっき会ったらなんか神妙な顔してたよ?」


 やっぱ眠れてねぇのか。まあそれもそうか。


「昨日ディガと話したんだけど、どうやらディガの故郷が危ないらしいんだ。だからそこに向かおうかなって。ちょうどその近くで用事もあったし。」


 伝えると、ロサは考えるように腕を組んだ。


「……それじゃあ僕もついて行っていい?ディガの故郷について知りたいことがあるんだ。話だけじゃわからないことが。」


 どこか真剣な雰囲気を纏ってそういった。ここで断ってもどうせついてくるだろうし、OKしておいた。


 すると満足げな表情をしたロサが、朝食作るのを手伝うよ、と包丁を握る。


 さて、連れていくメンバーはここにディガと…アリサも連れて行った方がいいのか?いやそれはもう本人にきこう。


 それはそうと朝飯を作らねば。


「ロサ、朝食は味噌汁とベーコンとサラダのつもりだ。だから最初は玉ね…モテトを切ってくれないか?」


「わかったよ〜ん。」


 謎テンションのロサに戸惑いつつ、俺もネギを切る。


 って待て、これネギじゃなくてポルック肉やないか。もう寝ぼけすぎてるかもしれん。


 まぁ、味噌汁に鶏肉入れても美味いし、問題はないか。


 そうこうしているうちに、料理が完成し、朝食を食卓に並べる。


 全員を呼んだのち、朝食を食べ、片付けをした。


「アリサ、ちょっといいか?」


「なに?」


「この後、ディガの故郷に向かおうと思ってるんだが、アリサも行くか?もしかしたら危険になるかもしれないけど。」


「やっぱり、あの周辺に均衡守護者(バランスガーディアン)がいるのね?」


 急に目の色変わるね(言葉通り)。サラと交代したね。やっぱまだアリサ自身はこういう話は苦手なのかな?


「まあそうだね。あくまでもメインはディガの故郷の方だけど……」


「メインで動く裏で協力を仰いで欲しいってこと?」


 そういう意図で言ったわけじゃないけど……確かにそれもありだな。


「不測の事態がら起こることしか考えられないから、確かにそれがいいかも。」


「わかったわ。そういうことなら行こうかしら。」


 よし、それじゃあこのメンバーで......


「蒼汰どこか行くん?俺も一緒にいっていい?」


 空兎だ。またしてなにも知らない空兎さんが釣れましたね。


 空兎まで一緒に行くのは正直怖い......人数が多くなりすぎると、万が一やつらと出くわしたときが不利だ。


「いっそのこと私の方についてこさせる?均衡守護者(バランスガーディアン)を知っていてもいいんじゃないかしら?」


 確かになぁ......普通にありかもしれない。その場合、サラの負担が大きくなる可能性があるけど......


「じゃあお願いしてもいいか?」


「えぇ!一緒にリアンちゃんも連れていくわね!」


 まあリアンも知ってた方がいいか。それでお願いしよう。


「じゃあ早速準備してくるわ。なるべく早くがいいでしょ?」


 その言葉にうなずくと、サラは部屋へと戻っていった。


「よし、空兎。お前も一緒にいくなら準備しとけ。」


「え、やっぱ何か装備した方がいい?」


「まあ一応?あ、あとでちょっと危ないけどあれ渡すわ。」


「あ、聞かないんだ、そんな装備で......」


「そんなパッと出てこねぇし、見たまんまだろ。とりあえず急いで支度は整えておけ。あと、俺はあのゲームをしたことがまだないぞ。必要なものだけにしとけよ?」


「りょうか~い」


 緩く返事して空兎は部屋に向かう。俺も後ろをついていき、自分の部屋からいつもの、ナイフホルスター、ポーチ付属ベルトに、木の棒、回復粉、閃光弾を掴む。


 そして、いそいそと準備をしている空兎に閃光弾を3つ、回復粉を4つほど渡した。


「えっ、蒼汰、もしかしてお前......危ないオクスリを......」


「違う違う、それは回復粉だ。どの程度まで治せるのかは知らないけど、基本的にどんな傷もすぐに治る優れものだ。本当にヤバイって思ったときに使え。」


「なるほどな、ヤバい粉かと思ったぜ。んで、この黄色いやつは?」


「これは閃光弾だ。地面に叩きつけたりして使う。名前の通り、使うと閃光を放つ。使うとき直視すると目がいかれるから、気を付けろよ?」


「わかった、こっちの方が危ないもんだってのはわかった。」


 空兎は俺が渡したものをポケットにしまい、他のものを確認する。


 明兎はそれを眺めているだけなので、こちらは行く気がないらしい。まあいうても多すぎてもホントに危ないからこれ以上行く人数が増えても困るんだよな。


 俺、ディガ、ロサ、リアン、アリサ、空兎、計六人。ふむ、中盤以降の戦隊ものの数だな。空兎リアンには不安が残るが、他三人は最悪自分でなんとかできるしあまり問題はないか。


 さて、俺は準備できたし他を待つか~。


 リビングにて待っていると、なぜか鎧のような防具をつけ、腰に棒のようなものを巻いて完全武装したロサが入ってきた。


「お待たせ~。いやぁこれ動きにくいね~。」


 少しくぐもったこえで言うと、甲冑を外して頭を振った。


「なんかお姉ちゃんに出掛けるって言ったらこれ渡されたんだよ。これで行くのは無理があるんだよね 」


「じゃあ俺が持っとこうか?しまえる場所あるし。」


「ん~、まぁ大丈夫でしょ!僕も入れるものの制限があるとはいえ、蒼汰と同じような物をしまえる空間魔法使えるし。」


 するとロサは鎧を脱ぎ、虚空に甲冑と鎧を放り捨てる。すると鎧と甲冑は消えた。


「どう?使えてるでしょ?」


 自慢げな顔でいうロサはどことなく無邪気だな......と感じた。



 いかがでしたでしょうか?今回は、蒼汰が向かう、ディガの故郷に行くメンツを決めていましたね。やっぱりどうしても二手以上に別れる必要があるっていう......人数多いし仕方ないね!それはそうと、二手に別れたときは、蒼汰視点と空兎視点で書こうと思います。


 次回の投稿は再来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それでは、また次回お会いしましょう。


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