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上手くできてるじゃん!

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 リビングに戻ると、珍しくレサがそこにいた。


 何かの本片手に度々ルーナの様子を見ているが、たまにロサの方も様子を見ている。心配になってきた感じか?


 ふとレサは顔を上げ、俺と視線が合う。しかし、特に何もなかったのかまた本へと視線を落とした。


 まあ、部屋から出てることくらいあるだろうし、むしろそれを言ったらまた部屋に戻っちゃいそうだから何も言わないようにしておこ。



 一応ロサとガルジェの様子も見にいったが、多少野菜の切り方が乱雑なのと、少し焦がしたくらいで他には何も問題はなかった。


 とまあ、とりあえず今はやることがないので、一度食卓を拭いた後、ここに居ないみんなを呼びに行こうと思う。


 机を布巾で拭いてるとねぇ......確かに綺麗になるんだけどたまに繊維が机について取れなくなることがあって、気になった時めんどくさいよねぇ......と誰に言うでもなく心で呟いていた。


『分かります。普段は気にしないことこそ気になったら、解決するまでどうしてもむず痒くなっちゃうんですよね。』


 そうそう。カバンの中がゴッチャゴチャになったときも、ふとした時に綺麗にしたくなるみたいな......


『私の場合、かさばるメモとか書類整理とかですね。普段はやる気がな......じゃなくて、サボっ......でもなくて、時間がなくてできないんですけど、やる気になったらすぐ終わりますよね~。』


 明らかに普段からやる気がない人が来たのだが。


『なんですか!久々に来たらいけないんですか!?』


『久々って......前回からまだ二日しか経ってませんよ......?』


『いえ、この二日間はホントに大変だったんですよ!?』


 エルスさんはこの二日にあったことを話し出す。どうやら、ルルナさんの監視下になくてもちゃんと業務をこなしていたらしい。俺が言えた立場なのかは分からないけど、成長できたってことだね。


『......そんなわけで、この二日大変だったんですよぉ~。もうホントにサボ......コホン、休み暇もないくらいに。』


 相変わらず隙あらばサボろうとしてるなことの人......


『あ~あ、先輩がいてくれるだけでどれだけ心強いか......』


 ルルナさんに対してたまに愚痴言ってたりするけど、何だかんだで尊敬してるらしいんだよな。エルスさんは。


『さて、さっきアーカイブ見てきたんですけど......』


『え、俺の生活って常に撮られてるんですか?』


『あ、いえ、別にそんなことはないです...よ?ただ、チラ見したときに面白いことが起きてたので、後から見ようかと。』


 動画見る感覚じゃねぇか。まあいいか。仮にエルスさんが見てなくても、すでにモルとセクに見られてるわけだし。あれ?俺のプライバシーってどこ消えた?今更だし、もう気にしないけど。


『なぁに、妾たちはお主が何しようが気にせんわ。』


 だとは思うけどね?うん、一応気になるじゃん?


 しかしモルからの応答はないので、多分片手間に聞こえた部分に答えただけだろう。


『それでですね、一つ気づいたことがあって......言ってもいいですか?』


 なんか謎に溜めるな。なんか衝撃的な事実みたいなのでも見つけたのだろうか。


『どうぞ、お願いします。』


『コホン、それでは。実はですね......蒼汰さんの反応が初心で可愛らしいな、と。』


『............え?』


『ですから、先ほどロサさんに迫られてた時の反応が可愛らしかったって言ってるんですっ!』


 よし、オーケー。終わった。あんなん思い出しただけでも自分の行動に顔から火が出る思いなのに、さらにそれを微笑ましく見られるって......もう相当じゃねぇか。絶対もう顔向けできないって。


『あ、あのええと勘違いしないで欲しいのが、それが悪いってことではなく、というかむしろグイグイ行ってもよかったとは思うんですけど、ずっと照れて困惑してドギマギしている様子がとてもおもしろ......よかったってことを伝えたかったんです。』


 ダメだぁ、声の抑揚が高くなってきてる。明らかにからかうための声音だ。口元絶対ニヤけてるじゃん。しかも面白かったって言いかけてたし。


『エルスさん、からかうのはやめてくださいよ。俺だってまだ頭抱えてうずくまりたいんですから。』


 そう、だから今は何かしてないと落ち着かないのだ。


『別にからかうつもりはありませんよ。蒼汰さん、ピンチの時や、普段の態度と違って、ああいう詰め寄り方されると対応できなくなるんだなぁ......って勉強になっただけです。』


 やっぱからかいに来てんじゃねぇか。


『まあでも、私的にはあれ以上の展開にならなくてよかったですよ。』


『何でです?』


 若干膨れたように、声が軽くこもって聞こえたので、お、嫉妬か?などとくだらないこと考えつつ理由を訊く。


『それはもちろん.....そういうシーンになったら、モザイクがかかって画面がよく見えなくなるんですよ。』


 んまあ、そんな感じだろうなとは思った。一ミリも期待なんてしてないよ!?半端にフラグなんて立てられると対処ができません。


『前に蒼汰さんのお風呂を覗こうとしたじゃないですか?』


『当然のように言ってるけど、別に許可はしてませんね。』


『未遂だったんですし、それはいいじゃないですか。それでですね、その時から先輩がなにやらいじってたらしく、肌面積が増えすぎたりだとか、ウフフなことになるとモザイクがかかって音声のみになっちゃうんですよね~。』


 うん、それはいいけどさ、もしもホントにそういうことになった時の俺の気持ちを考えてくれ。


『わざわざ気にする必要もないんですよ!前に間違えてえっちなサイト開いたときはモザイクなかったのに、何でこっちになると見れなくされてるんですか!?』


 うん、プライバシーの問題じゃないかな?あと人目につく場所で、間違いでもソッチ系のサイトを開くのはかなりメンタルいりますね。


『とりあえず、ルルナさんなりの配慮じゃないんですか?この前も結局コッソリ覗こうみたいなこと口走ってましたし。』


『そうなんですか!?気づきませんでした。やっぱり先輩がすべての黒幕かぁ!』


 むしろ今まで無意識で思ってること口に出してたのかよ。あと黒幕も何も、エルスさんのちょっとした暴走を止めるためでしょうよ。あと、テンションおかしなことになってますよ。


 何やらブツブツと呟き始めたエルスさんだったが、その内容は聞き取れなかったため、特にまあ気にしないとする。


 それからちょっとして。


『そういえば蒼汰さん!先輩から一応連絡つきました!300件くらいメッセージ飛ばしてやっと連絡返ってきました!』


 結局連絡したのかよ。しかも、二日で300件...しかもメッセージでって怖いわ。それならまだスタ連1000件のほうが可愛い方だわ。


『なんか、「助けはいらねぇな?今どこにいる?」みたいな内容でした。』


『え、なんかそれ内容的におかしくないですか?』


『いえ、その後少しやり取りしたんですけど、先輩が、「私がいないってときに急に飛び出して、探しに出そうで内心冷や冷やしていた。」っておっしゃってたので、多分心配してただけだと思います。』


 まあ確かにエルスさんなら飛び出してもおかしくない感じはする。


『2週間後くらいに帰るってことでしたので、取りあえず安心しました。』


 問題じゃさそうなら何よりですね。いやでもルルナさん、休暇って言ってた上に、連絡するなっていっておいて、連絡するか?


『あ、すみません。そろそろ行かなくてはならないので、ここら辺で失礼しますね。』


『わかりました。それではまた。』


 考えているうちに、エルスさんが去ってしまったので、この思考は打ち止めになる。


キッチンの方をみると、そろそろ完成するみたいだ。


「みんな~ごはんできたよ~」


 というロサの声が聞こえたので、空兎と明兎、リアンを呼びにいく。


 空兎は目覚めていたようで、本を片手に明兎とベッドの取り合いしていたため、飯に呼ぶついでに仲裁しておいた。


 リアンはレサの部屋で寝てたようで、起きたばかりなのか、少し閉じかけの目を擦っていた。若干げっそりしているように見えるが、気のせいだろう。といいたいが、レサが何かをして疲れたってのは事実だろうな。


 全員が食卓について食べ始めると、これが美味かった。


 ローズマリーやバジルのような独特だが、香りのよい香草に包まれ、ジャガイモ食感の玉ねぎや、ニンジン、ネギモドキの鶏肉に旨味が詰まっていて美味だった。


 塩加減も自分で調整できるようにか、置いてあり、いつの間に買ったのか、ミルで砕くタイプの岩塩もあった。


 今回のは白米もいいけどパンだったなぁ......と考えているうちに全員食べ終わっていた。


 ロサとガルジェも好評だったのが嬉しかったらしく、終始ニコニコしてるか、口元がニヨニヨしていた。


 片付けを済ませると、それぞれが自分の部屋にもどるなり、就寝準備をするなりしている。俺も寝る準備をしておこうと、ソファーに毛布と枕を置き、そこに横になる。


 しばらく目をつむっても寝られそうにないので、魔法の練習をしてみる。


 眼前で雷を作り出し、任意の方向に飛ばす練習だ。今は静電気より見やすいかなくらいの大きさで練習している。


 電気を消して暗い中に、時おりバチッと光る電気が、夜中に隠れて悪いことしているみたいな気分になって楽しかった。


 しばらくすると、ほとんど一定のリズム感だったせいか、まぶたが重くなってきた。目をつむって意識が完全に落ちそうになったとき......


「蒼汰ぁ!今戻ったぞ!」


 元気な声がリビングに響く。


 驚いてソファーから落ちてしまったが、お尻しか打ってないのであまり痛くはない。


「おかえり、ディガ。遅かったね。」


 落ちた瞬間の間抜けな顔と格好をしている俺をみて、ディガは少し目を細めて笑った。



 いかがでしたでしょうか?今回は、エルスさんがまた蒼汰くんの生活を覗いていましたね。まさかのリアルタイム動画再生機能(アーカイブ付き)とかいう、中々に高性能なもので覗いているみたいですね。ともあれ、先輩のいないなか、エルスさんは一生懸命頑張っているみたいです!


 次回の投稿は再来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それでは、また次回お会いしましょう。


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