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答えられるなら答えるぞ

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 とりあえず家に戻り、家に空兎が戻ってることを確認する。ソファーで若干暗い顔をして座っていた。


「空兎、なんか暗い表情だけど大丈夫か?」


「ああ......うん蒼汰、なんかごめんな。」


 なぜか空兎に謝られた。なぜだろう、言葉には違和感を感じないのだが、声に覇気がない。


 それ以上は特に何も言わないようだったので、そっとしておく。なんかこう、モルにされたことが心にひびでも入れたのかな?


『なんじゃ、人が悪いことしたいみたいな言い方は。』


 多分あれは空兎にとって悪いことだったと思うよ、うん、めっちゃ混乱してたし。いきなり試すとか言われて挙句に自由に選んでいいと言われたものを選んだのにずぶ濡れにされて......そりゃあ気分も落ち込みますわ。


『ということは妾がやったことがあやつの落ち込んでいる原因と言いたいんじゃな?』


 いや、言いたいとかじゃなくてそうだって言ってるんですけど......


『水をかけたことか?しかし妾が言葉で止めたというのに止まらなかったのが......』


 モル、そこはツベコベ言わず反省しようぜ。


『いやでも.....』


 反省しましょうねっ!


『...う、うむ、わかったわ。』


 よし、じゃあ空兎のアフターケアだが、まあ今は話しかけんなオーラがにじみ出てるし、しばらく置いとくか。夜飯食った後にどうにかするしかないな。あれ、割と空兎の扱い雑かもしれねぇ俺。


 一度荷物を置きに自室に向かおうとしたところで、ドアの所でリアンがこちらをうかがっていた。


「リアン?どしたそんな身を潜めるみたいに。」


 話しかけると、驚いたのかビクッとした。


「い、いやあの別に隠れてたわけじゃ......」


 こっそり様子をうかがうのは確かに隠れてると言えるのか怪しいがまあいいだろう。


「それはいいんだけどどうしたんだ?用があるなら普通に話しかけてくれれば......」


「冷静になってさっき蒼汰さんにしたことを悔いていて......顔を会わせるのが気まずいというかですね......」


 ああなるほどね、本当に言葉通りなのかはわからないが、まあそのまま受け取っておくか。今後協力するって言ってるし。最悪不審な行動してたらモルとかセクが教えてくれるでしょう。


『あくまでも妾たちが感知できるのは寝首をかくことがないかということぐらいじゃぞ。』


 十分十分。むしろそっちをしてくれた方が助かる。変にリアンの考えてることとかは聞く必要がないしな。別に知ろうとも思わないし。


『あのよくわからない言動ばっかしてるのじゃぞ。知りたくないのかの?』


 まあ知りたくないわけじゃないけど、逐一人の考えてることなんて気にしてられないし、それでリアンを理解できるかと聞かれたらそうでもないしな。


『蒼汰の考えていることがわけの分からないことや、理解しがたい時もあるしの......そのようなものか。』


 うんもうそんなイメージでいいよ。


「まあそれは気にしないで。過ぎたことだし。これからしたりしなければ別に。」


 リアンにとりあえず気にしなくていいと伝える。リアンは承諾するように頷いたが、まだ何か話があるようで少しそわそわしている。


「そわそわしてるみたいだし、何か話がある感じなら聞くけど。」


 言うと、リアンは一度深呼吸して表情を引き締めると、リビングへと入ってきて食卓につく。


 俺も向かいに座り、リアンの話を聞く体勢に入る。


「もしもですよ?もしもの話なんですけど、自分の故郷に戻りたくないのに戻らないといけないときってどうします?」


 ......えっと。質問の意図が分からねぇ。リアンなりの考えはあるんだろうけど。俺が家族のもとに帰らないといけないなら......?あんまり想像できないけど......


「そこにいる大切な人のことを考えたり、そこでの楽しみを考えたり、少しでも思考をポジティブに持つ......とか?」


 戻りたくないなら嫌な記憶があるってことだし、なら少しでも自分の心を軽くしようみたいな感じ......かな?よくわかんないけど。


「......真面目に答えてくれるんですね。」


 え......もしかしておちゃらけた答えが欲しかったのこれって。しかし、半ば無意識だったのか、ハッとしてリアンは謝る。


「あの、すみません、さっきのは決して悪い意味じゃなくてですね、その、今までこの質問をしたときにまともな答えが返ってこなかったもので......」


 そういうことね。ならまあ......いいか。


「あともう一つ聞いてもいいですか?」


 なんか動きがぎこちないけどどうしたんだ?


 とりあえずリアンに向けて頷く。


「もし故郷に戻ったとして、私の持つこのスキルが悪用される可能性ってあります.....かね?」


 そういうことか。リアンは少なくとも地球にいた時も良くない環境ではあったわけか。だからこの質問をしたと。


「正直に言うと、その可能性は分からない。でもスキルが取られることでもない限り、そのスキルを使う自分の意思次第だとは思う。リアンのスキルはまだよく分かってないけど、自分にとって都合がよくなるみたいなスキルだろ?結局のところ自分の意思と認識の問題だとは思う。」


 我ながら答えにならない答えを伝えてしまったが、リアンのスキルは別に、他人からの干渉でどうこうなるものではないから杞憂ではある気がする。まあそもそも地球に戻ったときにスキルが残ってるかはわからなかったが。


「まあとりあえずリアンが心配してるように、悪用されることはないと思うよ。ただまあ、地球に戻った時にスキルが残ってるかは分からないけどね。」


 そういうと、リアンの表情が暗くなる。やっぱり何か暗い過去を抱えてるみたいだ。まあだからと言って俺から深掘りはしない。そういう話に興味本位で触れられるのが一番つらいと俺自身が知ってるしな。

「心配してる理由とかはきかないけど、自分に力があるからと言って悪用したり、誰かの指示で悪用させたりってのはダメだからね。自分の命の危機とかなら使えばいいと思うけど。」


 一応くぎを刺しておいたが、リアンもそれは重々承知してるだろう。


 リアンは考え込むように視線を下げる。何を考えているのかは分からないが、彼女なりの結論だか俺の言葉の真意性だかについて考えてるのだろう。これで関係ないこと考えてたら、言ってたことが恥ずかしくて死ぬぞ。聞いてもらえてないなら特に。全く響いてないなら俺のこの説いた時間は何だったんだみたいな、すべて無駄だぜってなるね。


 だが案外そんなことは一切ないようで、リアンは口を開いた。


「蒼汰さんの意見は理解しました。ご意見ありがとうございます。」


 え、なにアンケート的なやつだったこれ?いや、リアンの口元が少しモヨモヨしてるし、ふざけて言ってるだけだわこれ。しゃあねえこっちもするか。


「はい、では、ありがとうございました。何か質問事項等ございましたらこの後申し付けていただけると幸いです。はい、それでは失礼します。」


 もう自分がどういうポジなのかよく分かんなくなったが、まあいいだろうってことでそのまま席を立つ。


「蒼汰さんちょっと待ってください、まだ話はあるので!」


 リアンに止められた。なんとなくだろうなとは思った。リアン的に、思い出したくないことを思い出したのかなという感じではあったので、ノったように見えて一人走りしてる俺のよくわからないムーヴに突き合せちまったね。


「ここからが本題なんですけど、明兎さんと空兎さんいるじゃないですか?あの二人ってなんでことあるごとに喧嘩してるんですかね?部屋を借りてる身ではあるんですけど、昨日隣から聞こえてきたもので......」


 なるほど、騒音トラブルについてね。確かにまああいつらはいつも喧嘩してるけど......なんで喧嘩してるんだろうな?


「まあお互い気に食わないところがあるんじゃない?でもああ見えて仲はいいし、いざとなった時のチームワークはバケモンだしなあいつら。」


 俺がゲームでボコりすぎて、チーム戦になった時に足も手も出なかったのを覚えてるわ......まあそのあと対策して負かしたんだけどね!強がりとかじゃないし別にねうん。


 まあだからあいつらはお互い反発してるけど、お互いを信頼してて連携もとれるよねって話。


「ちなみに喧嘩を未然に防ぐ方法とかは......」


「まあお互いを離すか、二人の身動きを取れなくして口も封じるか、相当危険な状態に追い込むかぐらいじゃないか?」


「そうまでしないと喧嘩やめないんですね......」


 さすがに言い過ぎかもしれないが、俺が釘を刺しに刺した直後に喧嘩するからな......言いすぎじゃないかもしれない。


「だからまあそこは悪いけど我慢してもらって欲しいかな。」


「分かりました。」


 と、そこまで会話が進んだところで、後ろから深いため息をつく音が聞こえた。


「......蒼汰ぁ?あのな、俺らだって目を合わせた途端バトルみたいなことはしてないのよ、四六時中喧嘩してるわけがないし。明兎が突っかかてきて俺がそれにノるみたいなことをしてるから、騒がしくなるだけで......」


 何やらブツブツ言っているが、まあ無視でいいだろう。まあまあ声小さいし、なんて言ってるか聞きにくいしな。


「それと、レサさんについてなんですけど、あの人ってマッドサイエンティストみたいな人ですか?」


 空兎は空気として見たようで、リアンは俺に質問を投げかける。おいもっと空兎の扱い改善しようぜ。まだ信用されてないのは分かるけどさ。


「レサは......うん、人で実験しようとするだけの発明と実験が趣味なだけだから......まあ危なくはないよ。何か地雷でも踏まない限り。踏んだらね、容赦なく危険物の実験台にされるだけだから。」


 割と自分でもひどいことを言ってる気がするでもないが、まあいいだろう。実際そんなことしてくるし。間違いじゃない。


「それがマッドサイエンティストなのでは......?」


 少し戦慄したようにつぶやくリアンは、レサの部屋がある方向を見て、体を震わせた。


 一応警戒しすぎて交流できなくなることは避けたいし、一応訂正しておく。


「地雷踏むって言っても、やってることのあからさまな妨害をしたり、レサ本人やロサやルーナに対して悪口言ったり、危険を加えなきゃ大丈夫なんだけどね。」


 それ以外にもあるかもしれないが、俺が観測できてる範囲ではそれぐらいだし、間違っちゃいないだろう。訂正する場所が間違ってる気もするがまあいいだろう。


「じゃあ私は何で......」


「うん?なんか言った?」


「いえ、何でもないです。まあでも、この後レサさんの部屋に行こうかなとは思ってたので、ヤバいことされたらどうしようって心配が出てきたので、大丈夫そうではあると知れてよかったです。」


 何されるか分かんないんだったら確かに警戒するのは分かる。レサに部屋呼ばれるときは大体何されるんだろって、若干警戒するところはあるし俺も。


 リアンに他に何か聞きたいこととかがないか訊いたが、ないみたいなので、話は終わった。質問の軸はどこにあったのかわからなかったが、リアンの力になれていたらそれでいいだろう。


 さっき呟いてた空兎はいつのまにか寝ていて、先ほどの発言は寝る一歩手前だったようだ。


 ここに放置するのもなんなので、部屋まで空兎を運ぶことにした。



 いかがでしたでしょうか?今回は、リアンが蒼汰に様々な質問をしていましたね。リアンの質問には一貫性があるのかないのか、目的があって質問しているのか、まだよくわかりませんが、これから知っていけたらいいですね。


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それでは、また次回お会いしましょう。


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