表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/141

もう全部俺のせいってことで。

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 とりあえず、蒼汰の所に戻り、昼食の準備の手伝いをする。とはいえ、俺にできるのは運ぶことぐらいなので、それをしようとする。


 しかし、しようとした瞬間、ルーナちゃんが俺の死角から寄ってきて、俺の役割を奪い去っていった。


 一応、俺にできることがないか聞いてみたが、やはりというか、蒼汰は手伝わなくていいと言った。


 なら、もう思いつくこともないため、大人しく食卓で待つことにする。仮に無理に手伝おうとしても邪魔する結果になることもあるからな、うん。決して、やろうとしてたことが取られ、自分は何もできない役立たずだ......なんて考えてないから。やっぱちょっとだけ。


 目の前に昼食と思われる、冷しゃぶたちが並んでいく。なるほど、見た目は記憶にあるのとほぼ同じだな。まあこの世界限定の見た目になっているが。地球の食材と若干見た目が違うんだよなぁ......


 だが、シャキッとしてそうなほど、みずみずしさを放つキャベツだかレタスだかどっちつかずの野菜の上に、茹でられてもピンク色をしている豚肉、その上に乗る細切りの人参。


 彩色豊かで、実に食欲をそそる見た目だ。


 そして、そのわきに見えるのは、マヨネーズや、ポン酢っぽい匂いのする、醤油のようなもの、ゴマダレも一緒にあった。そして、何より感動したのが、ネギ塩が出てきたことだ。


 なぜにネギ塩があるんだ?と思ったが、よく考えたら、手間がかかるとはいえ材料で作ることはできるのか。


 え?見た目?思った以上に真っ赤っかだよ?多分原因はネギなんだろうけど、まだ青とかじゃなくてよかったと思った。赤はまだ食欲は出る。色があるなら、せめて黄色か黄緑にしてほしかったが。ごく薄い色のね。


 気がつくと、レサさんと明兎が戻ってきていた。


「空兎、ルーナちゃんが一生懸命お手伝いしてるのに、一人そこで何もせずに待ってるのはどうかと思うんだけど?」


 ジト目で言ってくる明兎に対し、反論しようと口を開こうとしたが、それよりも早く。


「はぁ、今から言い合いを始めるなら、外でやってくれよ?私は早く飯食って続きがしてぇんだ。」


 レサさんに言われ、俺は口をつむぐ。


 確かに、俺がここで返せば、明兎がヒートアップする可能性はあるしな、たまには俺が引くのも大事だろう。


「そうそう、空兎も私に突っかかるのやめれば、仲良くやってあげなくもないよ?まあパシリにするだけだけど。」


 うん、無理。


「よし明兎、お前外行くぞ。俺は特にお前にゃ容赦しねぇ。」


「は?そんなに喧嘩したいわけ?私は別に何もしてないのに?」


「お前が先に始めたんだろ。」


「それはさすがに言いがかりでしょ。というか、さっきの言葉で傷つくなんて、ソフトな豆腐よりも脆い精神なんだねっ。」


「はっ、内弁慶でしかないお前が何言ってるんだ。俺が豆腐なら、お前は卵の黄身ぐらい繊細だろ。」


 お互いに相手をバカにするような眼差しでにらみ合う。


「やっぱバカだこいつら......」


 呆れたように首を横に振るレサさんを横目に、明兎から飛ぶであろう、次の言葉に備えていると、蒼汰がこちらに来た。


「二人とも、ここでやめなきゃ、昼飯抜きにするぞ。なるべく食卓で喧嘩はするな。」


 蒼汰にいさめられ(俺たちにとっては半ば脅し)、このちょっとした口論は幕を閉じた。そろそろ兄貴らしいところとか見せとかないとな、うん、めちゃくちゃ舐められてるわ。


 まあ、兄貴らしいことを見せようと思って見せても、ただただダサいだけだけどね。


 この話は置いておいて、一旦飯ですね。朝結局食えてないし、お腹空いてる。ここで抜きにされたらたまったもんじゃない。全く、明兎のせいだな。6...いや4割くらいは。


 蒼汰が作った飯はうまかった。ネギ塩もゴマダレも自作だと言っていたが、シンプルにスーパーとかで売ってる感じの奴よりも美味かった。どうやったらあんなに美味く作れるんだろうか......試行錯誤の繰り返しつってたな。


 俺も機会があるときに蒼汰に教わろ。自分流になるだろうからと、蒼汰は断るかもしれないが、味付け的にドンピシャで俺の好みだからな、むしろ蒼汰の作るレシピでいいんだよぉ!!


 さて、食後についてだが、もちろん皿洗いはした。というかさせてもらったが正しいな。


 さすがにここで何もしないわけにはいかないからな、まあ、明兎はレサさんやらロサさんやらに連れられ、どこかに消えてしまったが。ちなみに、リアンさんは、蒼汰に本を借りると言っていた。


 蒼汰は、どの本を貸すか若干悩んでいたようだったが、どうやら、無難なものを選んでいたようだった。何か良くない本でも持っていたのだろうか......ないわけがないか。


 皿を拭いている最中、気になっていたことを聞いた。


「なあ蒼汰、お前ってあん中の誰かと付き合ってんのか?見てる感じ、ロサさんとデキてそうに見えるけど。」


 蒼汰がブッと、息を吹き出す。どうやら、器官に水が入り込んだようだ。今はゲホゲホとむせている。


「な、なんでそんなことをきくん...だ?」


 おやっ、ビンゴだな(ニチャリ)これは追い詰めがいがありそうだ。


「いや、さっきの二人で料理を作ってる様子を見てさ、明らかに距離感が近いじゃん?だから、付き合ったりしてんのかなって。」


 俺の安直的な考えを話すと、蒼汰は少し黙ってしまった。やっぱり、合ってたのか?


「.........別に付き合ってるわけじゃないよ。ただ......ロサに告白されたというか、それに答えられてないだけというか......」


 ふむふむ、なるほど?告白ねぇ......しかもロサさんから。なるほどなるほど。


「蒼汰!それはもう一台ビッグイベントじゃねぇか。ウダウダしてないで答えを出したらどうだよ?いつまでも相手を待たせてると、相手から離れていくかもしれないぞ?」


 まあ、俺が経験したというか、過去に告白した相手に返事を待たされて、結局返事もされずに離れ離れになったからなぁ......あ、ゲームの話ね。


 恋愛ゲームなのに、告白イベントはフラグがない状態じゃないと発生しないとかいう頭のおかしいクソゲーね。結局、ヒロインを落とす方法が突然始まる格ゲーに勝ったらだからなぁ......しかも、操作性が悪いから、難易度はバカ高い。負ければまた最初からだからな?あれに勝つまで何十回やり直したことか。


 この話はいいんですよ、今は蒼汰がどうしようか迷っていることにあるんですよ。


 たしかに、相手を気遣いすぎて返事を早くしても、後々に後悔することになるかもしれないからな、大事な部分は慎重に考える必要はある。


 だけどさっき言ったように、慎重すぎても相手が離れていく可能性はあるからな、難しいところではある。


 まあ、偉そうに言っているが、リアルで告白したこともされたこともないんだけどな!だからこそ無責任なことが言えるんだろうな......


「ウダウダしてるってよりは、本当に俺でいいのかな......みたいな感じかもしれん。もちろん、ロサのことは好きだよ?でも、それが恋愛的な意味で好きなのか、友人的、家族みたいな感じの意味で好きなのか、それがよくわからないんだよね......」


 なぁるほぉどねぇ......このネットリとした発音は意外と口に出すのは難しい。それはどうでもいいんだが、なんでこんなに蒼汰が後ろ向きなの分かんねぇんだよなぁ。


 重要な決断はもっとバシッと決めてる感じがしてたけど......まあ、蒼汰にとっても初めての経験だろうし、仕方ないっちゃあ仕方ないか。


「ロサは返事はいつまでも待ってるって言ってたけど、さすがに伸ばしすぎてもダメかなって思ってて......今悩んでるんだよね。」


 ......えっ?ごめん、俺の耳がおかしいだけかもだけど、『いつでも』じゃなくて、『いつまでも』って言ってた?それさ、仮に断ったところで既成事実作らされるやつじゃん。最高じゃねぇか。


 それに気づいてるのか、気づいてないのか、蒼汰は結局今もまだ答えは出せないようだ。別に、俺も答えを急かせるわけじゃないしな、まあそこら辺はゆっくり見守っていきましょうや。


「まあ、蒼汰なりに考えていけばいいんじゃね?もしもそれでお前が最低な選択してたら、俺が止めるやら何やらするつもりだけど。」


 例えば、嘘をついてまで断ったりとかね。さすがにするわけがないとは思ってるけど。蒼汰も人間だし、絶対にないとは言い切れないからね。


「まあ、最低な選択をすることにはならないようにはするよ。とはいえ、最善の選択もわからないから、その最低な方に向かいそうだったら、空兎が止めてくれ。」


「もちろんだ。」


 俺が言い出したしな、それは守るつもりだ。


 とりあえず、この会話に区切りはついた。話が途切れる。ちょうどいい、もう一個聞きたいことというか、提案があるんだ。


「そういえば、朝方にここの近くのカラフルな石どものいるところに、扉みたいなのがあったけど、あれはなんなんだ?」


 すると、蒼汰はこっちを向いた。よく見つけたな......みたいな驚いた表情をしている。


「あ~、あれはただの隠し家みたいなもんだ。行ってみたいなら、これ終わったら行くか?」


 それを言った時、蒼汰の目に、水が光を反射したときのような、七色が混じりいったような、よくわからん色になっていた。だがそれもすぐに消え、いつもの黒目に戻った。


 え、なに?もしかして隠された力を持ってるとかそういう感じ?めっちゃかっこいいんだけど。


 若干厨二的だが、まあいいだろう。思ったことに正直にいこう。そうそう、厨二で思い出したんだけ...ど.........うん、持ってきてる蒼汰の黒歴史ノートは見つからない場所に封印しとこ。多分、蒼汰自身も、俺も、ロサさんとかそれぞれ違う意味で死ぬことになりそう。


 そして、皿洗いが終わったので、例のドアの所に向かうことになった。蒼汰が出かけるときのセットなのか、ポーチとナイフを携帯していたのだが、何気にこういう感じで、ホルダーに収める感じのナイフ好き。なんかかっこいい。


 俺は持っていけるものもないので、手ぶらで向かうことにした。



 いかがでしたでしょうか?今回は、またしても、空兎と明兎が言い合ったり、何事もなく、至って平和な会話を蒼汰としていましたね。意外とちょっかいかけたがる空兎さんなのでした。


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それでは、また次回お会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ