対策、どうしようか...
楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。
よし、これでできた。さて、
「リーズ、ライア、ファイガ、ちょっと来てくれ。」
ドタドタドタと、みんなして慌てたように出てきた。途中で大きな音も聞こえた。
「蒼汰、急にみんなを呼ぶとはどういうことだ?別に飯というわけではないだろう?あと少しで寝られそうだったというのに。それにここに来るときにこけそうになってしまった。」
さっきの音は寝ぼけてこけそうになった音だったのか。というか、ファイガはほとんど寝ているな。
「呼んだ理由はラークライドがどんなのかがわからないから、ここに設置した罠や策が有効かを聞いておきたいと思っておきたいと思ってな。どうだ、これは通用するだろうか?」
..そう、一人でわなを設置していたのだ。
「ちなみにどんな罠を作ったのだ?」
「ええと、まず、ここら辺を囲うように1.5メートルぐらいの柵を設置して、そのすぐ近くの地面を掘って水を引っ張ってきて、堀を作って、その周辺に木の杭を組み合わせて作った障害物を置いて、万が一超えてきた時用に落とし穴を作って、落ちたら、網で捕まえられる仕掛けにしたよ。」
すべてイメージでやったんだけど、このスキルはイメージをすればいいからな。
「ほう。それだけ仕掛けがあれば十分だろう。..しかしよくもこんなにも思いつくものだな。」
まあね。アニメで見たものを作ったぐらいなんだけなんだけどね。
「それに解体もしていたが、疲れた様子がないな?」
「まあね。なんか全然疲れないんだよ。」
「ほう。お前というやつはますます興味深いな。」
えっ、そんな感じで見られてたんだ。まあ、いいけど。
「それで?捕まえたらどうするつもりだ?」
捕まえたら!?考えてなかったな。ってか気が早くないか?それはあえて言わずに
「..別に考えてなかったけど。」
「それなら、食うのがいいぞ。あいつの肉は柔らかく、余計な脂肪がなくてうまいからな。お前の料理ならさらにうまくなると思うぞ。」
はへぇー。食えるのか。だったら食ってみたいな...じゃなくて、捕まえてもないのにどんな味かを想像するんじゃなくて、まずはラークライドの数を減らしていかなと。せめて、この事態が収まるぐらいには。
「なあ、ライア、ラークライドはどのくらい減らしたらこの事態も収まると思う?」
..というか、リーズとファイガは寝てるな。家の中に戻っていったし。いつの間にかね。
「それについては正直分からん。しかし、この森のラークライドを狩りつくしてしまったら、この森の生態系が壊れてしまうから、ラークライドたちに私たちの力を見せつけて逆らわないようにしてやればいいのだよ。」
なるほど...従わせるね...確かにそれの方がいいね。だが...
「直接戦って勝てると思うか?少なくとも直接な。」
「無理だと思うぞ。1、2頭ずつなら余裕だが、多くいると無理だな。」
だよなー。俺では勝てる自信がないぞ。
「...まあ、これは私の話で、蒼汰、お前ならできると思うぞ。お前の道具も使えばな。」
What?..いかん、わけがわからなくて、普段使わない英語が出てしまった。
「俺なら勝てるってどういうことだ?どんな奴らかは知らないけど、俺はライアよりも弱いと...」
いや、レベルはライアの4倍だったからな。でも、だからと言って必ず強いというわけでもないはずだ。
「はあ~。蒼汰、お前、自分の強さに気が付いていないのか?見ないとそこにいると分からないほど、お前からは何の気配もしないぞ。それが異常だとは思わないのか?レベルもかなり高いはずだぞ。それこそ私とは比べ物にならないくらいな。」
ライアってホントに何でも知っているな。
「なあ、ライア、そのレベルと俺の気配がないことには関係があるのか?」
「ああ。俺も持っているが、ある程度レベルが上がると、ある特性が手に入ることがある。それに関係があるんじゃないか?ちなみに私は「実力計測」というやつを手に入れたな。これは見たものの実力をある程度測ることができる。しかし、お前に関しては計測ができない。何か秘密でもあるのだろうか?せめて、人間の街にある「能力測定機」があればわかるんだけどな。今は無理だろうな。」
まじか!俺ってとんでもないのな。というか、「実力計測」って、もはや特性ではなく、スキルではないのか?レベル何事に手に入るんだろ...
『蒼汰さん?聞こえますかー?』
うわっ!びっくりした。急になんだ?って、今の声は神様じゃん。とりあえず答えてみるか。今もずっと蒼汰さん蒼汰さん言っているからな。
『はい。聞こえてますよ。どうかしたんですか?』
『...やっと、つながったー。実はですね、本当はレベルが二倍ほど上がりやすくする能力を送るつもりが、送る際に間違えてレベルがとてつもなく上がりやすくなるようにしてしまったんです。それで、慌てて取り消したのがつい昨日のことで...言おうと思っていたんですけど、なかなかつながらなくて、今になってしまいました。しかし、その過程で獲得したスキルは取り消せなくて、それを伝えようとしていました。』
ああ、それで急に来たのか。
『そこは気にしないでください。..ちなみに手に入れたスキルはどんなのですか?』
『それはですね...まずはあなたにあげた、ものを好きな形に変えられる「イメージクラフト」、そして、私のおすすめにすこし引っ張られてしまった、疲れず、動物に好かれやすくなる、「動物好き」、イメージクラフトに相性のいいどんなに重いものでも持てる「ストロングパワー」、実力を隠せる「隠蔽」、気配を消せる「気配消滅」がありますね。ちなみにレベルが500上がるごとに1つ新しいスキルが手に入りますよ。だから、あなたのスキルは5つあります。それと、常に発動するスキルもあります。例えば、「気配消滅」は、あなたのことを視認していないと気が付かないというものです。』
...多いな。そんなにあったとは。最初の3つについては能力自体は大体予想と同じだね。うすうす思っていたけど、神様がつけたスキルではなかったんだな。..まあ、これらのスキルにお世話になっていたんだなあ。
『ねえ、神様、ひとつ言っていいですか?「隠蔽」のスキルはまだわかります。異世界ものでは実力は大体隠した方がいいからです。だが、「気配消滅」ってどういうこと!?そりゃあ俺の方を見なかったら、気づかないのも当然でしょう!スキルってこういう意味不明なものもあるんですか?』
『ありますよ。詳しくは言えないのですが、一見すると、意味不明なスキルでも、使ってみれば案外、役に立つかもしれませんよ。』
案外役に立つってなんだ!?役に立たない可能性もあるってことじゃん。スキルにも当たり外れがあるということを知れてよかった。...あっ。そういえば..
『神様、今更ですが、スキルの発動を任意でするにはどうすればいいですか?』
『それはですね、先ほども言いましたように常に発動しているスキルもあって、それの割合の方が多いですが..そのスキルを解除するには、脳内でスキルの名前を唱えた後に「スキルを終了」といえば解くことができますよ。』
はあ~。試しにやってみよう。「気配消滅」スキルを終了。オケ。ライアに聞いてみるか。
「ライア、今の俺ってどういう風に見える?」
「おん?なんでそんなことを聞くのだ?って、うおっ!急にとんでもない密度のオーラが出てきたぞ。何なぜだ?」
よしできたな。...解除した後、スキルの発動の仕方聞いてないや。
『神様、できました。ちなみになんですが、解除した後のスキルってどう発動するんですか?』
『え~っと、確かここに書いてあったはず...ああ、あった。ごほん。解除した後のスキルは、先ほどと同じようにスキル名を唱えた後、「スキルを発動する」といえばいいですよ。』
『...なんか説明書的なものでも読んでいません?』
『...い、いやだな~。蒼汰さん。そんなことあるわけでもな、なく無くないありまするよ?』
いや、どっちだよ。というか、ごまかすの下手か!語尾もかなり変だし!まあいいや。このことは置いといて、早速やってみよう。「気配消滅」スキルを発動する。これでいいかな?
「ライア~、今度はどんな感じだ?」
「はあ。急にオーラがお前の体の中に引っ込んでいったぞ。どうなってんだよ全く。」
よしっ!成功だ。これでいいな。
『ちなみに、常時発動型でないスキルの場合はどうなんですか?』
『あなたの場合は持っていませんが、発動にはかなり精神的な難易度が高い「詠唱」が必要になってきます。その詠唱は頭に思い浮かんでくるので、それに追従するように“口に出して”唱えればいいです。』
あの、アニメとかによくある、意味があるのかないのか分からなくて、大体聞き流しているあれね。うん、魔法かな?この世界では、魔法ではなく、スキルという概念でまとめられているようだ。
そこも大事だが、口に出すのは確かに恥ずすぎやろ!...いや、別にどんなのかは知らんけどね?あくまでも詠唱はイメージだからね?すると、ここに朗報が舞い込んできた。
『確か、スキルの中に詠唱が必要なくなるものがあったはず...あっ、ありました。蒼汰さん、スキルの中に「詠唱省略」というものがありまして、これはスキルの発動に必要な「詠唱」がいらなくなるスキルです。これを獲得すればいいと思いますよ?』
...それだったらいいかな。でも、一つ気になることが...
『スキルを獲得する際、スキルはどのように選ばれるのですか?』
『それはですね...基本的にスキルはランダムで選ばれますが、自分の願望があって、その願望の強さが強いほど願望に沿うスキルが選ばれます。また、スキルも成長し、使い続けるほどスキルの隠された機能が使えるようになります。といっても、隠された機能の解放条件は様々なんですけどね。』
なるほどー。なんか、「動物好き」だっけ?..に、解放されたとかなんとかってあった...
『あっ。どうしよう。先輩にミスしたことを創造主様に報告されてしまった。どうする?私。とりあえずはミスした証拠を隠そう。幸い、蒼汰さんにはいいスキルがあるし..。というわけで蒼汰さん、また機会があったら、またお会いしましょう。』
さようなら~。なんか、おてんばな神様だよなー。でも、それがいいな。というか、言い訳に絶対俺の、「隠蔽」のスキルでごまかそうとしてるよなあ?...別にいいけど。
さあてと、こっちもこっちで頑張っていこう。この騒動が終わったら、町か、村に行ってみたいなあ。いかん。これは死亡フラグじゃね?気を付けないと。死ぬことだけはしたくないからな。
いかがでしたでしょうか?毎回聞いてるような気もしなくもないですが、こんかいは久々の神様の登場でしたね。また機会があればとのことでしたので、今後も登場する可能性が大きいですね。
突然ですが、言葉のレパートリーが少なくてすみません。あまりいろいろな言葉を使って文を作ることがなかったので、なにとぞ、ご理解を頂けますよう、よろしくお願いいたします。