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また現れた新たな仲間

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 リーズと話しながら(話し相手がいるのっていいな。)家の中に戻ると、子供用の手袋ぐらいの大きさの天使の羽のような真っ白い羽根を生やした黒い猫1メートルぐらいのと、40センチぐらいの猫が、2匹いた。なんでここに猫が?(しかも、かなりでかい。大型犬ぐらいはある。)


 と思ったのもつかの間、

「おい、そこの人間。礼を言う。助かった。」


 「ニャー」と、はたから聞くとそんな鳴き声だが(よかった。ちゃんと猫の鳴き声だ。)、はて?助けてないよな?動物を助けたのもリーズぐらいだし。聞いてみよう。動物の言葉が聞こえるのはこの際、おいておこう。


「あのー。俺はあなたたちを助けた記憶はないのですが...。」


「っ!?話していることがわかるのか!?...すまない、先ほどはあのような態度をとってしまい、失礼した。」


 ずいぶん紳士的な猫だなー。この猫はなんていうんだろう?


“この動物はキャジェルといいます。キャジェルの能力は、羽を使うことで飛ぶことができ、羽も体もサイズを自由に変えられます。大きさにより乗ることも可能。しかし、大きさが変わると胃袋の大きさも変わってくる。”


とのこと。それでも、助けられたってどういうこと?


「話していることは分かるよ。ただ..助けられたとはどういうことでしょうか?」


「敬語でなくともいいぞ。そういえば、その問いに答えていなかったな。なんせ、他の種族の言葉がわかる人間なんて初めて見たからな。ちなみにその問いについてだが、まずは..すまん。お前の家にあるサシュをすべて食べてしまった。」


サシュ?なんだそれは?


「あのー。サシュって何ですか...じゃなくて、なんなの?」


やばい、この猫の威圧感がすごい。まるでうちのじいちゃんみたいな威圧感があるぞ。長生きしてそうだし、長生きすると、そうなるのかな。そのせいで、敬語で話しそうになって、にらまれたからな。(にらんでる自覚はないだろうけど。)


「何!?サシュも知らんのか?人間たちの間でもかなり有名な魚だぞ!私らでもなかなかお目にかかれない純粋で綺麗な川にしか住まないというのに。..昔はそこら中にきれいな川があったが、人間が汚してしまったのだよ...」


へー。そんなにいい魚だったのか。でも少なくなった原因はどこでも人間なんだな。


「あー。そうそう。話を戻そうではないか。ええと、最初に礼を言うたことについてだな?実は...ラークライドが集落をおそってきたのだよ。しかし、2頭や、3頭は対処してきた。しかし、なぜか大量にいたのだよ。それも異常なくらいな。結局、20頭ぐらいいたのだが、押されてしまい、まけてしまったのだよ。それで、集落から離れ、あちこちを移動していたのだが子供もいるために満足に狩りもできんでな..」


そういいながら、いつの間にかリーズと仲良くなりじゃれあっている子猫の方を向いた。 


 俺もつられて向くと、自然と口が緩んでしまった。


「...狩りも何度もしようとしたのだが、いずれも失敗してな...そうしたらサシュのにおいがしてな、行ってみたらお主の家があったのだよ。そこで窓から入り、サシュを全部食べてしまったわけだ。勝手に食ってしまいすまなかった。」


ふむ、なるほどね...食べたことはいいんだけど、ちょっと気になることがあるな..。


「なあ、リーズ、お前の集落を襲ったのも“ラークライド”ってやつだったよな?その時は何頭だった?」


そう問いかけると、リーズは、


「ええとね..4頭5頭はいたよ。それに周りで見てたやつも含めたら、15頭ぐらいはいたよ。」


といった。そんなに来てたのか。って、待てよ?立て続けに起こったってことは、ここに来る可能性も高いじゃん!急いで対策しないと。そんな風に焦っていると、おもむろに大きいほうのキャジェルが、


「...私の名前は、ライア。そしてこっちの俺の息子が、ファイガだ。申し遅れた。今更ではあるが、よろしく頼むぞ。」


おおう..急だな。だが、こっちも自己紹介はしないとな。ついでにここに住んでみるかを聞いてみた。


「自己紹介か。確かにしていなかったな。俺は蒼汰だ。よろしく。..ちなみに聞くが、行くあては、あるのか?住むところとか。」


「...行くあてなどない。しかしこのままでは、狩りをしているときにファイガが襲われないか心配でまともに狩りなどできず、生活もままならないのだ。」


「じゃあ、ここに住む?そうすれば、ファイガの安全も守れて安心して暮らせるよ。」


 すると、ライアは目を丸くした。


「いいのか?おこがましいとは思っていたが、頭を下げてでも頼もうとしていたのだよ。」


「いいに決まってんじゃん。むしろ大歓迎だよ。だ・け・ど、ライアには毎日やってもらいたいことがあるんだよ。いいかな?」


「やってもらいたいこととな..それがすむための条件か?」


「うーん..条件ってほどでもないんだけど、毎日、この4人?1人と3匹?...まあとにかく、困らないだけを狩りに行ってほしいんだ。できるかな?」


..ちなみにリーズは見た目は羊ではあるが、雑食性だとのこと。


「もちろんだ。むしろそれで、息子が安全になるのだったら、お安い御用だ!蒼汰!」


ライアに初めて名前を呼ばれた。俺も食べられるものくらいは探さないとな。


「負担をかけるかもしれないけど、これからよろしく、ライア。」


「っ、こちらこそ、よろしくするぞ、蒼汰。」


 そうして、1日に新たな仲間が増え、この森で起きているという、異常現象も知った。「ラークライド」こいつは十分に警戒していかないとな..。



 ライアにもなぜここで暮らしているのかを聞かれ、話していたら、いつの間にか、リーズと、ファイガが眠っていた。


 窓を見ると、もう真っ暗である。...いや、気づいてたんだけどね。なんなら、途中からしっかりたいまつもつけたからね。それにしてもこの2人はもうこんな仲良くなったのか。リーズのおなかをベッドのようにして、ファイガは寝ていた。


すると、ライアが、


「ファイガに友達ができてよかった。蒼汰よ、これはつまらない話なのだが、聞いてくれるか?」


「うん、もちろん聞くよ。」


「実はだな、集落では私はトップだった。村のだれからも尊敬され、どうじに、息子も私の子だからと、ファイガが話しかけても恐れ多いと、まともに話をしてくれる相手が一人もいなかったのだよ。だからな、ああして、ファイガに初めての友達ができて、私は嬉しいのだよ。」


 ..リーズ、いいことをしたな。確かに、これからは一緒に協力して暮らしていくから、仲は深めておきたいな。


 ...本物の友情か..俺もいつかそんなものに出会えるといいな。ちなみにこいつらには家族愛が先に来るので、友っていうより完全に家族だよな。


 それにしても、ラークライド対策はどうすっかな。


 ふと、ライアの方を見ると、眠っていた。たしかに、もう、今日はもう遅いし、そろそろ寝て明日また考えよう。じゃ、ってことでおやすみ。

 いかがだったでしょうか?3日目では、新たにリーズ、ライア、ファイガが登場しましたね。3匹とも、「ラークライド」とはいったい、なんなのか?そして、あちこちの集落を襲うのはなぜなのか?それは読み進めるとだんだんわかってくるかも?次回もお楽しみに!

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