ひまわりってよく見るとエッチだよね
私、ひまわりは結構イケメンだと思ってる。
いつも明るくふるまって皆に元気を与えてくれる。
常に日向を向いていて前向き。
もちろん朝の挨拶も欠かさない。
「おはよう、今日もいい天気だね」
そんな風に語り掛けてくるような気がして、彼を見かけるとウットリと見つめてしまう。
黄色い大輪の花はライオンのたてがみのよう。
熱さにやられて疲れ果てた私を優しく包み込んでくれる(ようなきがする
ああ……ひまわりみたいな彼氏がいたら、どんなに幸せか。
自宅から駅へ向かうまでの道のりには、複数のひまわりが植えられているポイントがある(略してひまポイント
ひまポイントで十分にひまエネルギーを補充したら、次のひまポイントへ向かう。
ちょっと遠回りになるけど、複数のひまポイントを経由することで、私のなかのひまエネルギーはドンドン蓄積されていく。
駅へたどり着くころにはフルひまわり状態。
私は最高に元気になるのだ。
そんな充実したひまライフを送っている私だが、最近ある悩みを抱えている。
ひまわりがあまりにエッチすぎて、直視できないのだ。
ひまわりを人間に例えるとしたら、ガチムチマッチョボディに超絶陽キャ。
サーフィンが趣味のツーブロックなイケメン営業だろうか。
私を軽々とお姫様抱っこできるくらい、たくましい身体。
小麦色に焼けた肌に、金色の髪。
見ているだけでうっとりしてしまう。
あんまりにもエッチな身体をしているので、朝っぱらから変な気分になってしまう。
火照った身体で出社するのも大変だ。
それにしても、ひまわり君。
稼ぎは良いけど常に遊んでいて、ずっと付き合うのは難しそうなタイプだと思う。
ひと夏の思い出作りくらいにしておいた方が身のためかもしれない。
なんて自分勝手なことを考えている私に、新たなる出会いの運命が巡って来た。
ひまわり君のようにエッチではないけれど、繊細で、華奢で、知的で、やさしそう。
秋の始まりと同時に私の元へとやって来て、秋の終わりに去っていく。
ひまわり君とは対照的なキャラ性の彼の名を、コスモス君と言う。
彼との出会いは突然だった。
ひまわり君と涙を呑んで別れたあと、失恋の傷がまだ癒えていない私の元へ、さっそうと王子様のように現れたのだ。
こんな僕で良かったら君の傍にいてもいいかい。
そんな控えめなセリフが私のハートをがっちりキャッチ。
こうして、新たなる出会いを迎えた私は、コスモス君と禁断の恋に落ちるのだった。
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