決戦ガーディン邸!!
しっかり一夜をかけて作戦を練った私達は夜にガーディン邸の後ろにやってきていた。
「そろそろ奴らが寝静まる時間帯だ、サラ作戦の方は分かっているな?」
「うん! 大丈夫、私とカイナ姉さんが早くソーラを倒してガーディンを盗賊団の皆でタコ殴りにするんだよね?」
「ああ、ソーラさえ倒せればあとはどうにでもなるからね」
彼女がウィンクを決めると作戦は決行される。
素早く移動しながらも音は立てないように動く。
これは昨日カイナ姉さんに教えて貰った盗賊流の走り方だ。
この走り方を覚えてしまえば音を立てずに動く事ができる。
無論、その場に適した靴を履いていればの話だが、今の私は音の出にくいスニーカーを用意してもらっているので問題ない。
なぜスニーカーなら音が出にくいのかと言うと、靴底にゴムが貼られていて、それが結果的に静音効果となり盗賊の中でも使われ始めたと言う。
スニーカーと盗賊の走り方の二つが合わされば、相当ヘマをしない限り足音が出ることはない。
これからは盗賊や斥候職の足元を見てみるのも悪くはないのかもしれないと思う。
敵として現れたのなら足音を戦闘中に聞いてどこにいるのかを判断できるし、もしも静音だったのなら油断できない相手だと判断する事ができるからだ。
やはりプロの言葉を聞くだけでも勉強になるので、これからも沢山の人と関わっていきたいとは思う。
(...まあ犯罪者の手を借りるのはこれが最後だといいんだけどね)
けど今はそんな事も言ってられないのも事実。
ケロナお姉ちゃんが【洗脳】の毒牙にかかったのはほんの2日前だ。
きっとまだ【洗脳】の魔法が完全に定着していないだろうからどうにかなると思う。
ガーディンには1発火炎魔法でも放ってから逃げるつもりではあるのだが、最悪ケロナお姉ちゃんを助け出した瞬間に逃げてもいいと私は考えている。
ガーディンみたいな奴が貴族として統治している町なんか今すぐにでも脱出したい気分なのだ。
月が暗雲に隠れるのを見てカイナ姉さんは突入の合図を出すのでした。




