カイナ
「んっ、うま〜い!!」
「お姉さん、これただうさぎを焼いただけの肉だよ? それも香辛料も何も使ってない肉...」
目の前のお姉さんは思ったよりもお腹が減っていたみたいでただのうさぎ肉を美味しそうに食べていました。
結局1匹じゃ足りなかったので、今度は大きめのイノシシをお姉さんと一緒に狩って焼きました。
「これも美味い!!」
と絶賛する彼女でしたが、昨日ガーディンの邸宅で香辛料をたっぷり使った豚の丸焼きを食べている私には味気ないと感じてしまうのだ。
「ふぅ〜...、嬢ちゃんご馳走様」
「嬢ちゃんじゃなくてサラだよ!」
「そういえば私も名乗ってなかったね、私の名前はカイナ、この辺で盗賊団の長をやってるものさ、最近部下を大量に失っちゃってね...、これも全部ガーディンのせいだからいつか復讐してやるつもりさ」
「ふ〜ん...カイナさん盗賊団の長やってるんだ...」
そこまで言いかけて「んっ?」となる。
(お姉さんが盗賊団の長で最近部下を大量に失ったって事は...!)
間違いない!! このお姉さんの盗賊団は最近ケロナお姉ちゃんがやっつけたところだ!!。
それがバレると厄介な事になると思った私は「そろそろこの辺で...」と逃げようとしたのだが...。
「サラ、あんたもガーディンに恨みがあるんだろう? ここであったのも何かの縁だ、一度アジトに戻ってからガーディン邸宅攻略の為に力を貸せ!! ちなみにサラに拒否権はない」
(ええ〜!!?)
がっしりと腕を掴まれてしまった私は、そのまま彼女に担がれてしまい盗賊団のアジトまで運ばれてしまうのでした。




