vs騎士団長③
彼は突っ込んでくる私を見て剣を持ち替える。
さっきまでは刃で斬り込む形だったのに対し、今では剣の腹の部分で私を薙ぎ倒そうと身構えているようだった。
確かにその方法ならば単純に攻撃面積が広がるので当たりやすくはなるだろう。
しかし...。
「浅はかだね! その程度の思考ならいくらでも機転を利かせられる!!」
私はあえてスピードを緩めて彼の攻撃に対するカウンターを狙う!。
あの大剣を振り切った直後であれば反撃に出られない。
私はそこを突くためにスピードを緩めたのだが...。
「それを読んでたぜ...!」
なんと! 彼はそう呟いた後に剣を捨てて私に突貫してきたのだ!!。
「なっ!」
剣を振る動作にばかり集中していたので体の対応が遅れてしまった。
(躱しきれない! やられた!)
ぐっと力を入れてブレーキをかけたのが更に裏目に出る。
(しまった!! ブレーキをかけたら重心が後ろにそれるから...!)
そのまま押し倒されてしまうのは明らかになった。
「...くっ」
私を馬乗りにしてニヤリと笑う彼を見て悔しさがつのる。
私を拘束した時点で彼の勝ちだろう。
「そこまで!!」
王の言葉を聞いてようやく戦闘が終わる。
負けた事は悔しいが仕方ない。
「ふうっ」と息を吐いて一息つこうとした瞬間、彼にこんな事を言われた。
「もう一戦だ」




