骸骨剣士ザラン③
サラの声が聞こえたかと思うと、私はすぐさま彼女に撤退の指示を出した。
「サラ!! 逃げて!! こいつはやばい!!」
私の決死の叫びに彼女はこう返してくる。
「逃げないよ!! 姉ちゃんが戦っているのに逃げるなんて嫌だ!!」
私の指示を無視して攻撃魔法をザランに向けて放つ。
「丸焦げになっちゃえ!!」
彼女の魔法は年齢の割にとても強力である。
しかし...。
「今...何かしたかな?」
鋼鉄の鎧に身を包み、挙句に骨の盾によりサラの魔法は四散してしまう...。
「そ...そんな」
しかし、私はそんな奴の行動に目を光らせていた。
(...サラの攻撃は防御した?)
私の攻撃は全てまともに受け止めたと言うのに、サラの攻撃はきっちりと防いでいるのを見て徐々に奴の謎が解明できた気がする...。
(物は試し...)
私はこっそりと手の中に魔法で水玉を作り出し機会を伺う。
「さて...、そろそろ邪魔者には退場していただこうか...、俺に攻撃をした報いとしてな...」
ガラガラガラ...と剣を地面に引きずりながら走るやつの動きは素早い!!。
「まずい!!」
そう思った矢先、奴の攻撃はとある人物によって受け止められているのでした。
「なんだ貴様...」
ザランが声をかけている人物はゆっくりと顔を上げて答える。
「クレイトン騎士団・団長グレイヴ!!、此度の天災を引き起こさせたであろう元凶を討伐しに参った!!」
名乗りを上げた大男は身の丈にあった大剣を振るう!!。
「ぐっ!!」
ザランはグレイブの攻撃も回避した。
その後に攻撃に使った大剣の刀身部分を見てみると、遠くからでも視認できる程の熱気を帯びているのを見て確信する私。
(やっぱり!! あの熱カウンターは接近戦でしか効力を発動しないし、武器を使えば無力化出来る!!)
言うなれば武闘家殺しの技なのだと判明すれば怖くない。
こう言うのは分からなければ警戒せざるをえないのだが、タネさえ分かってしまえば問題ないのだ。
そうと分かれば話は早い。
私は遠距離から魔法で攻める事にするのでした。




