滅びた村...
私とサラは数日かけて皆のお墓を作りました。
少女二人で一人一人を手厚く葬っていたので時間がかかってしまったが、こればっかりは仕方ないだろう。
しかし、悲しんでばかりもいられない。
今の私達には薬の原料となる山菜をとってきてお金を稼ぐと言う方法は村にいた医師さんがいなくなってできなくなったのだから、早く少女二人でも稼げる方法を探さなくてはならない。
と言ってもだ。
今のスラナ村で暮らしていくのは無理がある。
私はおびただしい数の墓を前にして涙を流すサラを見て考えていた。
(皆がいなくなったとは言え、サラにとってこの地は村の皆と過ごした大切な帰る場所なんだよね...)
こればかりは彼女の意思を聞いてみないと分からない。
もしも彼女が荒れ果てたこの地でも生きていくと答えるのならば、私は持てる力の全てを使い彼女を支えると誓う。
私は静かに息を吐いてサラに声をかけた。
「ねえ...サラ、落ち着いて聞いてね....」
「うん...」
「私達は生きていかないとならない...、けど今のスラナ村で生きていくのはむずかしい...、それでもここで頑張ると言うのなら私はそれさえも受け入れる...、だから率直なサラの意見を聞きたい...、どうする? ここに残って私と2人で残りの人生を過ごすか、それとも新天地を求めて一緒に旅をするか...、どっちを選んでも私はサラの決めた方を尊重する...」
私はまだ10に満たない子供に何を話しているのだろうか?。
けれど、遅かれ早かれ彼女に決めて貰わなくてならないのは事実だ。
しばらく間を開けたのちに彼女は答える。
「私は...」




