使用禁止です!
私はレイナに教えて貰ったイメージで新しい魔法を生み出した。
ぱちっと指を鳴らしながら荒れ狂う波を連想させた魔法を解き放つ。
「【ケロっとれいじんぐ☆】」
「...えっ?」
私の魔力の流れを察したレイナが自らの箒に飛び乗ってサラを抱き抱えました。
「【疾走】!」
なぜレイナがこの様な奇行に走ったのかと言うと、だいたい私のせいでした。
勢いよく空に飛び立つ彼女達を飲み込まんとするほどの波が辺りに発生していたのです!。
私自身もこんな広範囲を攻撃できるような魔法を生み出せるとは思わなかったので驚いている。
「早く! 魔法を止めてください!! このままでは近隣に甚大な被害が出ます!!」
「あっ!」
私はそう言われてすぐに魔力を弱めた。
と同時に荒れ狂う波は姿を消して後には雨が振った日の様な痕跡だけが残る。
私の魔法を見たレイナが怒りながら私の近くに降り立ちこう言いました。
「ケロナって本当に【村娘】なんですか? 私より高位の【魔女】もしくは【賢者】とかじゃないですよね?」
膨れっ面で私の事を恨めしそうに見てくる彼女の視線が痛い。
「本当に【村娘】だから!! 嘘じゃないから!!」
「本当ですか〜?」
ジト目で私の事を見てくる彼女はしばらくしてこう言いました。
「まあ良いです、けど先程の魔法【ケロっとれいじんぐ☆】は使用禁止ですからね!」
人差し指を立てながら私に注意してくる彼女はなぜ使用禁止なのか説明し始めた。
「まず【ケロっとれいじんぐ☆】の効果範囲ですが仲間も巻き込みますし何より威力がおかしいです、水系譜の魔法なので一点集中した場合の貫通力があるのは知っていますが、これがどう見ても一点集中型の魔法ではありません! それなのに木々を薙ぎ倒すほどの威力があるんですよ!? 巻き込まれたらこちらもただじゃすみませんよ!! なので使用禁止です!! 分かりましたか!?」
彼女は早口で長々と禁止理由を並べていたが正直言って長いので途中から聞いていなかったのだがここは分かったと言っておこう。
「ええ、分かったわ」
「本当にわかってるんでしょうね...?」
相変わらずのジト目で私のことを見てくる彼女でしたが、この状況を1人だけ喜んでいる者がいました。
「すご〜い!! やっぱりケロナお姉ちゃんはケロナお姉ちゃんだ!!」
妹のサラだけは私の魔法の威力を見てすっごく喜んでいるのでした。




