初の防衛任務(下)
悠は足にあたった痛みをこらえながら体制を立て直した。
そして再び怪物の元へ行き、その後双剣を怪物の頚へと振り下ろした。
しかし怪物はまだ生きていた。
馨はその事実に一瞬で気づき、その後頚に槍を突き刺そうとしたが、顎のあたりにずれた。
しかし蒼が矢を頚へ放ち、その後体術型怪物は体が青色の光となり、儚くなった。彼の一撃が決定付だったようだ。
「よし、まず悠、馨、蒼ナイスゥ! あ、そういえば悠、だいじょうぶ」
藍香が言った。そして悠はズボンの裾を恐る恐るめくりあげた。すると脹脛の下辺りが1 cmほど内出血を指定タダが、普通に動けないほどではなかった。
「まあ、大丈夫。すこし内出血みたいになってるけど大丈夫。動けるし」
「ふぅん。無理しないでね」
「それじゃあ、次の怪物狩りに行こうぜ」
蒼が言った。
次の怪物は爆発型怪物だ。
「気をつけていこうね」
悠が言った。
そういうなり、四人は戦闘態勢に入った。
藍香はダメージが入らないのを承知で弾丸を頚へ打ち込んだ。すると怪物の口から電磁砲と検索したら出てきそうな光線を発射した。
四人には当たらなかったが、近くにあった半壊した家の屋根をいとも簡単に爆発させた。
「うげぇ。これ完全にあたしが攻撃したせいだよね」
「大丈夫! 周りにも人的被害はないし。でもむやみに攻撃しないほうがいいよね」
それぞれ藍香と悠が言った。
そして馨は近場にあった1 mほどの瓦礫の山に乗り、爆発型怪物の背中に乗った。そして怪物を下へ引きずり落とした。
「俺の槍じゃあ折れるし、悠の武器でやってくれるか」
「オーケー」
悠はそういうなり怪物の頚と胴体を引き離した。
これで二体目の討伐完了だ。
「ごめんね。迷惑かけちゃって。今回はたまたま大丈夫だったけど。次は絶対に役に立ってみせる」
「それじゃあ最後の行きますか」
蒼が言った。
最後は体術型だ。
悠と馨はそいつを見つけるなり、それぞれ一撃ずつ攻撃を与えようとした。しかし、攻撃はそれぞれ左右にずれ、彼らの刃は大きく空を切った。
「悠、馨! ちょっとそれぞれ左右にずれて! あたしの最強AIMであいつをやるから」
悠と馨は藍香の指示どうり、馨は右、悠は左にずれた。
そして彼女は狙撃銃の引き金を引いた。
彼女の弾丸は見事怪物の頚の中心を直撃した。
そして怪物は消えた。
「よし」
藍香が言った。
「え! 藍香すごい」
「あたしの見事なまでのAIMをみたかぁ」
「うんうん、見た見た」
「やっと藍香が役にたったか」
「そんな言い方すんなよ」
それぞれ、悠、藍香、悠、蒼、藍香の順番で話した。
「それは置いといて、報告に行こうぜ」
蒼が言った。
A級隊員のところへ報告へ向かうと、悠たち以外の隊員もA級隊員へ報告をしに来ていた。
「怪物3体とも討伐完了です」
馨が言った。
「すごいな。まだ14歳ぐらいだろ。そしたらこのぐらいの歳の子たちだけとしては歴代最速のチームじゃないか」
A級隊員がもうひとりへ言った。
「ありがとうございます。四人とも14歳です」
「じゃあ俺の読みはあってたんだな。それじゃあ討伐し終わったということで、あそこに立てたテントの中で休んでいてくれ」
*****
テントの中。そこには9チーム中6チームがいた。
「ふう。疲れたぁー」
藍香が言った。
「まあね」
馨がそう返した。
「お前ってそんな疲れる仕事やったか」
「わかる?狙撃銃ってすっごい重いんだよぉ! 後で持ってみ」
「お前に持てるなら片手でも持って見せるわ」
いつもの彼らの姉弟ケンカだ。
「まあまあ」
するとその時、
「「ねえ」」
同い年ぐらいの男の子と女の子に声を掛けられた。
「ねえ、四人とも何歳」
女の子のほうが言った。
四人を代表して蒼が答えた。
「14だけどなんか問題でもあるか」
「ふぅん。じゃあ俺と同い年か。俺は三上 司。こっちは三上 翼で、俺より一個下。俺の妹だ」
「私達は近所に住んでるお姉ちゃんとお兄ちゃんと一緒にきたの」
「じゃあな」
そう言うとその「近所のお姉ちゃんとお兄ちゃん」のもとへ戻っていった。自分のプロフィールだけ喋って。なぜか年齢より幼く感じられた。
「なんだったんだあれ」
「さあ」
そのタイミングで初任務終了が告げられた。
この話から2〜3週間ほど空きます。それ以上開く可能性もあります。
ゆっくりまったり、気長にお待ちください。