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そして魔法界へ
「殺されるーーー」
勢いよく叫びながら僕は意識を取り戻した…正確には記憶を…
気づいたら子供の姿になっていた…
ここはどこだ?? 僕は何をしている? まだ、宿題が残っているのに。それどころではないことは百も承知なんだけれど混乱していた。何か行動して頭を冷やしたい。とりあえずこの部屋の窓を覗こうか。
「森…?」
窓枠という額縁には木々が生い茂っていた。とすればここはツリーハウスのようなところか。全く身に覚えがない。林間学校は中学でおしまいだった。とりあえず家か警察に連絡をとろうと電話を探していた時――
コツン コツン とドアをノックする音が響いた。僕の心臓も同じリズムでドクン ドクンと緊張の音を上げた。
「ご飯できましたよ リク」
拍子抜けするほど優しい声とこの世界での自分の名前を聞いてようやくこの世界のことも思い出した。