何故ですか?
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「殿下、仰ることがどこもかしこもおかしいですよ?」
言い分を十分に聞いてやった私は、そろそろ我慢を止めることにした。
「殿下と私は、事実として、親しくないですよね?お茶や食事を共にしたり、語らったりしたこと、無いですよね?日常的な私をご存じ無いのに、私が素直な時とそう出ない時の差をどうやって比べたのですか?好ましい人への態度と、そうでない人への態度の差を知る機会が、殿下にあったでしょうか?」
話を素直問題へ引き戻されて、不意を突かれたのか、第一王子は何も言わなかった。
「無いですよね?殿下。私が素直で無いというのは、殿下の思い込みです。私は自己主張をはっきりとすることが出来る質の女です。好きな人へは好きだと、嫌いな人へは嫌いだと、態度でも言葉でも示します。」
「それも…君が私を好きだから言ってるのかもしれないだろ?」
悪足掻きだろうか?お話にならなすぎて思わず鼻で笑ってしまう。
「そんな無駄なことをすると思いますか?私が?」
「恋の駆け引きってヤツだろ?」
「もし、私が殿下を好きなのであれば、駆け引きをする必要性はありません。殿下が私を妃にと仰った時点で、必要無くなっていませんか?いいですか?良く聞いて下さい?私は殿下が、嫌いなのです。」
すぐさま話が飲み込めないのか、ポカンとした表情がゆっくり驚きへと変わっていく。
「…はぁ?!え?はぁあ?!!」
こういうリアクションは、コンラート殿下との血縁を感じるなぁ。ようやく頭の回線が繋がりだしたらしい馬鹿王子へ、次の話をふる。
「殿下、殿下はいつから私をご存じでしたか?学園に入る前ですか?」
「…いや…ここで知った」
驚きの表情から一転、戸惑いの表情。為政者になろうという人が、こうも感情を表していいのだろうか?腹芸を体得するまでの道は長く険しそうだ。コンラート殿下もそうだけど、周りが苦労しそう。
「私を好きだから張り合うのは辛いと仰いましたけど、学園に入る前の試験から、殿下は私より評価が低かったですよね?何故低かったのでしょう?」
「それ、は…っ」
「分かりませんか?」
馬鹿王子が王子である故なのか、認めようとしない真実を、私は容赦なく突きつけた。
「学問に関して、私が殿下より優秀なんです。ここで共に学ぶようになってからも、ずっと。どなたに何を聞いたのか存じませんが、好きな人より優秀な事を隠したがる殿方は、一般的に少ないと思いますよ?世間一般と言うのであれば、自分はこれだけできると、女性へ示す事の方が多いと思います。」
「でも…だって……が…」
少し俯きながら、真っ青な顔でブツブツと言い始める馬鹿王子。声が小さすぎて聞き取れない。
「レオンハルト殿下」
改めて声をかけると、のろのろと視線を上げた。やたらお綺麗な顔は、今や悲愴感でいっぱいだ。
「殿下が私を好きなのだと思い始めたのは、いつ頃からですか?」




