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君と私と魔法のアトリエ  作者: 黒桜 海夜
すべての始まり
58/59

闘技大会開催

「クシュン……」

 誰かのくしゃみで目が覚める

 横を見るとシーツがはだけて寒そうに私に抱き着くリリィ達がいた

 裸だもんね寒いか……

 はだけてたシーツを2人にかけ直し

 起こさないように下に降りる

「……家とはいえ裸で徘徊するのは頂けないな」

「な な……な……なんでいるの!?」

 クリスティーがソファで紅茶を飲みながら寛いでいた

 あまりの出来事で

 シャツのボタンを留めてた手が止まってしまうほどに驚いてしまった

「いやいや……鍵閉めてたよね?」

 そう言うとおもむろにピッキングツールを見せてきた

 なるほど……不法侵入かこの人容赦ないな全く

「まぁいいや……それで用があるんですよね?」

「何 暇つぶしにと思ってな」

 理由なんて何もなかったよ……

 クリスティーの隣に座り紅茶を飲む

「暇つぶしって言っても何もないよ?」

「まぁ何 ここ最近の視線について少しな」

「なんだ 気づいてたんだ」

「流石にな……何もしないのか?」

「まぁね〜ここに来る前からだったし害もないからとりあえずは無視かな」

 足をパタパタさせながらそう答える

「来る前から……」

 それを聞くと突然クリスティーが黙り込む

 どうやら何か考え込んでいるようで……

 数分後真剣な眼差しでこちらを見つめ口を開く

「ならば警戒は絶対に怠るな特にリリィ達の」

「何で……?」

 クリスティー曰く

 最初はただの興味の視線だと思ったらしく今の今まで特に気にしてはなかったらしいが

 ついさっきの前の街からと聞いた瞬間にそれだけではないと理解したらしい

 どうもこの時期になるといつも何人もの行方不明者が相次いで報告されるとの事で

 その中には希少な魔法を使う者が多く報告されると

 だから今までの視線は品定めといった所ではないかとの事だ

「それに……」

「それに何さ今更隠し事は無しだよ」

「仮に発見されてもどれも何かしらの実験後のような無惨な死体でなんだよ……」

「……なるほど把握した」

「2人には……」

「言わないこれ以上心配させるのも嫌だ」

 なるほどなるほど……

 随分と強欲な者がいたもんだどこの誰だか知らないが

 誘拐に解剖多分だが人身売買もだろう

 それがリリィとノワールに迫ってると……

 死にたいらしいな……本当に

 その瞬間辺りから鳥の囀りなどが一切聴こえなくなる

 ただただクリスティーだけがゆっくりと紅茶を飲んでいた

「その辺にしておけ……」

 そう言われハッと我に帰ると同時に

 ピキッ!!

 物音と同時に太ももに熱さを感じる

「あっつ!!?」

 どうやらティーカップの取っ手が壊れて中身の紅茶が思いっきり地肌にかかったようだ

「あ〜……ついでだしちょっと着替えてくる……」

 そう言って2階に消えていく

「いやはや……随分と酷い殺気だった」

「貴様らはあれに喧嘩売ったんだ今更後悔しようがもう遅いだろう」



「ついでに起こしてきた〜」

「……おはよう……ござ…………いま……す」

「おはようで〜す」

 2人ともシーツに包まりながらソファに座り込み

 紅茶を注いでやるとそれをゆっくりと飲む

「……せめてシャツぐらい着ような君たち」

 ため息まじりにクリスティーが呟くと

 二人とも恥ずかしそうにはにかむ

 やれやれな感じに首を振る

「まぁいい あと4時間後には開会式だからな遅刻するなよ」

「もう帰る?」

「いや 色々と準備しないとでないい加減サボってるのがバレるとカンナに怒られる」

 ならなぜ来たんだこの人

 いやまぁ思いがけない情報が手に入ったからいいけどさ

 それでも誰がやってるとかまでは知らないぽいけどそこら辺はどうなんだろう?

 クリスティーが家から出ようとすると私だけが呼ばれた

(とりあえず大会中は私も基本傍にいるだがずっとは無理だからな)

(りょ!!)

「それじゃ2人ともまた後で会おう」

 2人にも挨拶をしてクリスティーは家を後にした

 本当に自由人すぎる……

「さて 私達も準備しよっか!!」

「ほら〜リリィ二度寝しないで〜」

「……抱っこ〜」

「はいはい 準備しようね〜」

 リリィを抱きあげ2階に上がり諸々の準備を済ませる




「……やっぱデカイな〜」

「うん……そうだけどね 時間無いの知ってるよね」

「いや……私も寝たから何も言えないんだった」

 急ぎ足で建物内に入るなり声をかけられる

「お待ちしておりました こちらをお付け下さい」

 唐突に腕輪を2つ渡される

「これは?」

「申し訳ございません こちらから説明はできません」

「しかし今回の必需品となっておりますので」

「はぁ……わかりました」

「それではまだ開始までお時間がありますゆえ建物内であればご自由にして良いですのでそれでは健闘を祈ります」

 大会委員は一礼だけするとそのまま何処かに消えていった

 とりあえず渡された腕輪をはめることにする

 さてまだ時間はあるみたいだが

 そういえばクリスティー達もここに居るはず

 探して2人を預けるとしよう

「とりあえずドS教官がどっかにいると思うから探そっか」

「この人混みから探すの?」

「めちゃくちゃ多いんだけど探せるの?」

「そこは任せたまえ あれは強者だからねすぐに分かるよ」

 さてさてどこかな

 あれは人間が放てる威圧の限界値をゆうに超えているから肌で感じ取りやすいんだよな

 とりあえず感覚的に近付きづらい方向に歩いていくと

 2人が物凄く嫌そうな顔をしてきた

「……本当にこっちに行くの?」

「めちゃくちゃ行きたくない……」

 どうやらあっているみたいだ

 曲がり角を曲がるとそこには1枚の扉がある

 それを開けるとそこにはクリスティーがいた

「……意外と早かったな」

「さすがにね 威圧感がヒシヒシと感じるんだよ」

「道中2人なんてずっと嫌な顔してたからね」

「だろうな……あとはカンナぐらいだったからなここに来たのは」

「2人とも大丈夫?」

 後ろを振り向くと先程までの顔が嘘のような普通の感じに戻っていた

「大丈夫そうだね」

 2人とも頷く

「とりあえず座ってると良い」

「それで……実の所闘技大会って何するの?」

 そこでようやく私は今 最大の疑問を聞いた

 いや……だってこの世界の人間じゃないし

 人に聞いても皆知らないってはぐらかすしで

「そうだなぁ〜……まぁあと10分もしない内に始まるし良いか」

 クリスティーがようやく教えてくれる

 まず初めに行われるのが

 バトロワのようで今回の参加者からまずは200人に絞るとの事

 今回は1000人以上の事だから

 勝利条件は参加者から今付けてる腕輪を自分の合わせて5個回収する事で次の種目に参加可能

 そしてそのまま次の説明に入ろうとした瞬間私の腕輪が魔力を放出しだした

「そんで……いや 次はそのまま説明はされるか」

「これはって……うわうわ!?」

 私の身体を中心に魔法陣が大量に出てくる

「転移が始まったようだな さて頑張れよ〜」

 随分と軽い応援だ事でまぁ良いけど

 2人を呼び抱き着くように両手を広げると

 2人とも勢い良く抱き着く

「それじゃ頑張ってくるね2人とも」

「うん 頑張ってね」

「気をつけてよ〜と言っても大丈夫でしょうけど」

「そうだね 死なないように気をつけるよ」

 そう言い2人の頬っぺにキスを済ませると同時に魔法陣に包まれ

 数秒だろうか光に包まれふいに視界が晴れると

 私は知らない森に移動と同時に風に流れたかのように

 大気中に声が響いた

「さぁさぁ!!紳士淑女諸君 これより闘技大会を開催致します」

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