ゾンビは怖い
17層
草原の次はまた洞窟?ぽい所辺りが真っ暗で上手く確認できないが
なんだろう……あんまり好きじゃない匂いが充満している
「ちょっと待って 火出すから」
そう言ってリリィが鞄の中身からランタンを人数分取り出しそれにオイルをいれてマッチで火を付けると辺りが照らされてここがどんな場所か分かった
墓場だそれもかなり古いタイプのようだ
棺桶とかに入ってるんじゃなくそのまま何かに巻かれた状態で棚のような所に置かれてる
あ〜なるほど……匂いの正体が分かった
線香だ
私はあまりあの匂いが好きではない気分が悪くなるからだ
2人を見ると何故か涙目になってた
ノワールはずっと服の裾を持ったまま顔下に向けてるし
リリィはギリギリ堪えてる
「ごめんなさい…私達……アンデット型ダメなの」
「え!?待ってまって あの虫は行けるのにこっちが無理なの!?」
「いや……でも好き嫌いは人それぞれだよね」
2人には一昨日苦労掛けたからな
今日は一肌脱ぎましょう
「分かった 今回は2人の希望の進み方で行くから言って?」
そんな時だった奥から何かを引き摺るような音がし
呻き声やカタカタと揺れる音もする
2人がその場でしゃがみ込み耳を塞ぎ目を瞑る
奥の方を照らす
微かだが何かがこちらに近づいてくる
しかし動く速度はそこまで早くないようで
確認出来るまで時間が掛かった
いつもならすぐに倒すのだが今回2人が離さないから動けずにいて時間が掛かる
それを視認して2人がダメな理由が良く分かった
「なるほどね 確かに怖いな子供が見ていいものでは無いね」
それは身体は腐りおち所々骨が見え内蔵はダラりと零れ引き摺っており
顔なんて知ってる人間であればギリ誰かわかる程の腐り方で見るに堪えない
それが呻き声をあげながら私の眼前まできて掴みかかろうとするが……
ペシッ!!
骨があらわになってるおでこの部分にそこそこ強めにデコピンをすると
身体はバランスを崩し倒れ頭が飛んでいって何かにぶつかり
凄い物音を立てた
響くなぁ……2人は大丈夫かな?
2人を見るとめちゃくちゃしがみついていた
もうね動けない両足がっつりホールドしてるもん
2人の肩を叩くと
「きゃぁぁぁぁ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
「何もしてないですだからアンデットにしないでくださいお願いします!!!」
身体をビクつかせ泣きながらめっちゃ早口でそう言う
それを見て少し笑ってしまうが2人はきづいてない
なるほどなるほどこの世界では多分子供を躾けるときに何かあるんだろう
しかし進まなければずっと入口で進まないのはイケナイ
止まってる限りずっとアンデット型は現れるからね
もう一度2人の肩を叩き私の顔を見るように無理矢理頬を掴み私を見させる
「私見てれば怖くないからとりあえず離して?ね??」
2人とも頷きゆっくりと離す
それを確認して私もしゃがみ2人に目線を合わせる
「ずっとここで立ち往生しててもどうにもならないか進もう?」
「怖いけど進まなきゃずっと出てくるよ」
「分かってるけど……足が動かない……」
ノワールは頷くだけ
確かに2人とも身体が強ばって震えてる
「じゃあ また抱えていこっか?」
一瞬嫌な顔をしながら考えるが
「できればそれで……背に腹はかえられない」
そう涙目でそう言った
背に腹って……あの運びも嫌か
まぁたしかに吐く可能性あるからなぁというか吐いてたのか
そうして2人を片腕ずつに持ちがっちりホールド落とさないようにする
「さて行くからね」
その一言を聞くと2人とも私の手をギュッて抱きしめ
私は走った道中アンデット型に攻撃を仕掛けられるが動きが遅いからかすりもしない
奥に進むにつれアンデットの数も増えると同時に2人の悲鳴も増える
こっちでもないどこだ?2人のためにもすぐに階層主に行かなければ
そして1番アンデットが密集してる所を抜けその先の曲がり角を抜けようやく扉を発見する
しかしノワールが結界張ってないからとりあえずノワールを正気に戻す為に揺さぶったりデコピンしたりするがダメだ
仕方ないとノワールにキスをするノワールが舌を絡めてこようとするがそこで唇を離すと残念そうな顔をしながらこちらを見てようやく正気に戻る
「ごめん 続きは今度ねとりあえず結界張ってくれる?」
そこでようやく周りを確認して状況を把握した
「う……うん」
「ありがとう 扉入ったらもう動かなくて良いからね我慢してね」
そう言って扉の中に入っていく
ノワールとリリィは抱き合いながら端っこで結界内で座り込む
奥の方から沢山のアンデット型がわらわらと出てくる
100はくだらない数だ
すぐさまに駆け寄り巻き込むように一体のアンデットを蹴る
蹴られたアンデットは他のアンデットを薙ぎ倒しにしながら後方にぶっ飛び道ができたがすぐさま倒されたアンデットは起き上がる
「はぁ!?そのまま倒れてろよ!!!」
上の方に行き全体を確認する
横に横にとアンデットが広がっている感じであれに囲まれたらただでは済まないだろう
狐々奈もどうしたもんかと考えてると一体だけ無駄に服が豪華な奴がいる
「なんだアイツ?錫杖だっけあれ?なんで持ってるんだ?」
それを見てるとそいつだけがこっちを見つめケタケタと笑い出した
一瞬でそいつが親玉と感覚で分かり同時あいつがこれらを操ってるとも感じた
しかし1度でも視認すればあとはそこまで難しくもなかった
槍を生成しそいつの付近まで急降下し槍をぶん回し周りの奴らを吹っ飛ばすと同時にそのアンデットの服を掴み逃がさない
「なるほどリッチだったかな?昔倒しといて良かったよ」
約半年前の修行の時にかなりの苦戦を強いられたやつの一体だ
「お前らは胸に核があるもんな」
そう言って腕に格闘武器を纏わせ胸にぶっ刺し貫通すると同時に手でその核を砕く
それと同時に周りのアンデット型が活動をやめそのまま消失ドロップ品だけが残り
リッチも消えてドロップ品だけが足元に残った
2人の所に戻り声をかける
「終わったよ大丈夫?」
そう言うや否や2人とも抱きついてきて号泣しだす
「怖かったぁぁぁぁあああ!!!」
「もうやだぁここ〜!!!」
ハイハイと2人を撫で慰めどうにか落ち着かせドロップ品を回収し
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