連れてこられた理由
「アトリエにようこそ」
どうやらここがリリィの家兼アトリエらしい
何故こんな森の中に作ったかは知らないが…
そんな事を考えながら家の方に私は足を運んだ。
「取り敢えず適当に座ってて良いわ」
私は近くにあった椅子に座った。
ノワールはベットに寝転び
リリィは紅茶を汲み此方に運んでいた。
紅茶を出され其処でちゃんとした自己紹介が始まった。
初めはリリィが切り出した
「名前しか言ってなかったからちゃんと言うわ私はリリィ
リリィ・ロサーダ一応錬金術師をしているわ」
次にノワール
「ノワールで〜す魔法使いやってま〜す」
次に私と淡々と終わった
気になる単語が2つも飛んだが後で聞こう
今は今ある私の状況についてだ。
するとノワールが
「一応知ってる事は全部話すから」
と真面目に切り出した。
私は緊張をほぐすかの様に紅茶に口をつけ聞いた。
「何で私をここに連れてきた?」
「ん〜簡単に言うならあっちに居たら死んでたからかな」
死ぬ?何故あっちに居たら死ぬのかちゃんと説明してと焦り気味に聞いた。
ノワールは淡々と説明してくれた。
「まず君には7歳の頃に変化があったはずだ次に14歳の頃に…」
と私の歯車が狂い始めた原因を知ってるかの様に当てた。
私は怖くなり
「な…なんで分かるの 初めて会うのよね私達って」
「まぁ落ち着きなちゃんと説明するからまず7歳の頃の変化は
体内に魔力ができた時におきる現象なの
これってね此方の世界では普通の事なの」
「次に14歳の頃の変化ねこれは体内に発生した魔力を一度も
外に出してないと起きる現象ね君の場合その耳だね」
「で問題はこの2回目の変化なんだ"魔力の具現化"これが起きると
体内の魔力を少しづつだけど減っていき最終的には死に繋がるの」
「本来魔力を持つ此方の人間は放出と吸収を人に教わって第2の変化が起きる前に
放出して空気中に有る魔力を体内に取り込むのだけど君には
教えてくれる人もいなければ取り込む魔力があの世界にはないのよね」
だから此方の世界で魔力を取り込む為に連れてきた訳?と私は言うと
「その通り理解が早くて助かるわ」
そう……と私は安心した感じに返事をし
天井を見上げながら考え事してると
「他に聞きたい事はあるかい?」
とノワールに聞かれ
聞きたいことを全て聞いた。
まず私をどうやって見つけたか何故あっちの人間なのに
この世界の魔力があるのか私という存在を知ってる人達の記憶やら色々聞いた。
ノワールはそれに対してもちゃんと答えてくれた。
まず私を見つけたのはノワールではなく
ノワールが通っていた魔法学校という場所の学校長らしく
ノワールは私を連れてくる為に派遣されただけらしい
記憶に関しては時限式の記憶消去の魔法で無理矢理消したと言われた。
何故私が魔力を持ってるのかはこれは分からないらしくこんな事は初めてらしい
取り敢えず連れてきてから考えるとのこと
「ていうと私はこっちの世界で学校に通わないといけない訳?」
と学校嫌いな私が恐る恐る聞くと
それは個人の自由と言うただ一度話をしたいから来てくれと
無理矢理連れてきた割には適当だなと笑ってしまった
其処でふと思った。
魔力の取り込み方法だ
その事を聞くと
「やっぱり教えて欲しいよね~ ただ君の場合…」
と吃り始めたノワールと
何かを理解したのか急に頬を赤らめて俯くリリィ
「魔力の具現化これが始まるとね教えるのが難しいの
だからこっちの人間は魔力発生の時にすぐ教えるのよねぇ…」
と曖昧に答えた
知りたい此方としては早く教えて欲しいが
2人はどうも乗り気じゃないというか恥ずかしがっている。
そんな死にそうになってる人間からしたら恥ずかしいとか関係なく
リリィとノワールに言いよると
「チ……チュー…しないと…いけないらしいの」
と頬を赤らめながら言うリリィ
耳を赤くしそっぽ向くノワール
そして反応に困る私……