噂
3人が街に来て1ヶ月が経つ
その街のギルドで今とある噂が流れている
「おい 知ってるか?」
「なんだ?急に」
「あの噂だよ 勇者って奴らの噂」
「あぁそれな知ってるぞ何でも異世界から召喚されたとか何とかだろ?」
「でも何で勇者なんて召喚されたんだ?」
「分からねぇただ これは色んな所で流れてる噂だが」
「何でも魔王なんてもんが復活しかけてるんじゃないのか何て言われてやがる」
どうやらここ最近色んな場所でこんな噂が流れてる
それはもちろんあの3人も耳に入れていた
「まぁでも俺はその勇者ってよりあの3人組のが気になるけどな」
「アイツらか!!」
「あぁしかも1人の小娘のポーションとかが凄い効果良いんだよ」
「らしいな俺はまだ使う様な状況になってねぇから分からんが」
「そうか お前あん時居なかったもんな」
「あれだろ でもアレって嘘って話だろ?」
「ちげぇよ俺あん時その場に居たんだぞ!!」
「この目で全部見てたんだからな」
「まじか 俺あの話断片的にしか聞いてねぇんだ教えろよ」
「良いぜ あれは2週間前だ………」
2週間前
「ねぇさっきから顔色悪いけど大丈夫なの?」
「………タブン…」
さっきからお腹がものすごく痛いのを我慢していた
何行くか決まってからトイレに行こうと思ったが予想以上に何行くか悩み時間が過ぎる
流石にもう我慢の限界
「…………ごめん ちょっとお手洗い行ってくりゅ」
「ゆっくりしておいで………」
急いでトイレに向かう
「死ぬかと思った……」
「何か悪い物でも食ったかな………」
スッキリして2人のところに戻ろうとした時
2人の嫌がるような声が聞こえる
急いで戻ると男6人組に2人が囲まれていた
よく見ると腕を掴んだり腰に手を回したりと
明らかに不純な理由で近づいたのが見て分かる
咄嗟に2人を掴んでる奴の手を剥がす
「人の連れに何の用ですか?」
2人はすぐさま私後ろに隠れる
「お 君もこの娘達と同じパーティなのかい?」
リーダーっぽい奴が言う
よく見るとソイツらはまぁイケメンである事
さぞ女には困らないだろう
しかもだ言うには丙1級位らしい
「だからもし良ければ一緒に依頼に行かないか?もちろん分からない事があれば聞いてくれると良いよ」
「いえ 2人断ってる時点で一緒とか無理です」
ギルドの職員不安な空気を察したのか止めに来ようとしたが
リーダー格が目配せするとそいつらの仲間が何でもないよとどこか別の場所に一緒に行った
明らかに手馴れている感じで常習犯ってのがわかる
「良いじゃないか女性だけなんて危ないだろ?」
「別に……」
呆れてため息しか出ない人が嫌だといったら引き下がればいいものを
「最後の忠告です私達の前から消えてください」
それを聞いて男たちは笑っているが
リリィとノワールだけが察して慌てて男達に言う
「本当に何があってもいいのであればそのままでいいですが……」
「死にたくないなら逃げたが良いですよ!!!」
それを聞いて更に笑い私の手を掴もうとした瞬間
ゴキンッとギルド内に響く
リーダー格だけがその音が何か理解している
自分の肘から先が真っ二つに折れているのだから
そいつの仲間はまだ状況が分かってないのか固まっている
「おっと それじゃ もうマスもかけないねぇ」
「あ まだもう一本あったか」
そのセリフと同時にまたギルド内にゴキンッと響く
そこでようやく仲間達も動き出し 武器に手をかける
「て……てめぇ!!?何しやがる!!」
「黙れ……私は言ったぞ最後の忠告だって」
リーダー格が呻き声をあげながら指示をする
どうやらみんなで私を袋叩きにするらしい
「おいおい 何でお前らは今ので力量差が分からん?」
そっから先はただの蹂躙であった
最初に襲いかかった男は顔面からモロに地面とめり込み
どっから出したか分からないナイフで腕両方を地面に固定
痛さで叫ぶ度にスタンプを繰り返す
それを見ててもまだ向かってくる次は2人同時に
相手の攻撃を避け懐に入ったと同時に膝を横から本気で蹴りつけ膝をつかせた後戸惑ってるもう1人の腹を殴り頭が低い位置につかせてそいつの頭をもう1人の膝目掛けて踏みつける
それをみて流石に戦意喪失したのか1人がガタガタと口を震えさせながら腰が抜けたのだろうかズルズルと後退する
「え〜男でしょ〜?泣くなよ」
それを見てそいつの手首から先を切るとそれ以上は何もしない
リーダー格の方を見るといつの間にか移動しており
良く見ると2人方に走っていってた
どうやら人質にでもしようと思ったのだろう
しかしそれが悪手となる
「てめぇ 今何しようとした?そんな手で2人に近づくなよ汚れるだろ……」
そいつの鎧を掴むと壁の方ぶん投げる
腕も折れて受け身取れないそいつはモロに衝突の衝撃を受ける
もがき苦しむが狐々奈からしたら関係のない事だろう
またどこから出したか分からないナイフで足の甲をぶっ刺し
固定する
反射で男がしゃがもうとすると口に手を突っ込まれ無理やり立たせた
咄嗟に謝罪をするが
「え?何て??1発殴って欲しいだって???欲しがりさんめ」
謝罪等する度に殴られ
ついには顔が腫れ誰か分からない状態までなる
ナイフで固定してた足は既に取れていたが真ん中からパックリと分かれておりとてもじゃないが見ていられない状態だった
それでも殴り続けているとリリィとノワールが流石に止めに入った
「だ…だめ!!流石にもう見てらんない!!!」
「やりすぎだって見てよこれ漏らしてるから」
そこでようやく蹂躙は終わる
ギルド内は誰一人喋ることなくただただ呻き声等しか聞こえず血の跡や匂いがびっしり充満していた
「はぁ〜………ごめん 止められなかった」
「ありがとう 止めてくれて……」
2人はすぐさまポーションをカバンから取り出すと順番に傷口にかけると飲ませたりする
最後に1番軽傷だった奴に飲ませてる間に
狐々奈がリーダー格の顔を掴み
「………命拾いしたな」
ただただそれだけ行って2人所に歩き出す
そっからはギルド職員等がようやく動き出し
6人の男達はすぐさま療養のハズだったが
時間が経つにつれ傷口や骨折が治おりだし1時間程で全快する
因みに職員と消えた奴はその現場を見てすぐさまトイレで震えてたらしい
私達はギルドの裏に連れていかれ
ギルドマスターにこっぴどく怒られ追放と命じられたが
丙1級位を相手を蹂躙する実力と
後から入ってきた職員から効果を聞いたのか
利用したポーションの販売で追放は逃れ
とりあえずギルドからの直々の依頼をこなす事で無ししようと話がついた
「とまぁ あん時はやばかった………」
「お前……それマジか…………」
「誰も止めようとしなかったのか!?」
「お前これを聞いてまだ止めれると思うか凄いな」
「いや 流石にない ただ気になって……」
「あぁ 怖いもあったが違うんだよあれは………」
そいつが言うにな
恐怖で身体が動かないもあったがそれ以前に何かに捕まえられた感覚だったとの事
1歩でも動いてたら死んでたそんな感じだったらしい
「それで男たちはどうしたんだ?」
「知らねぇ元々この街で活動してたやつでも無かったからな」
「次の日には消えてたよ」
「だろうな もしかしたら殺されたかもな」
「いや 面白かったありがとうよ」
「んで今日はその3人見ねぇな」
「さぁなここ最近ずっとギルドの方に消えてはしょんぼりしながら出てきたと思ったら外に消えてるからな」
「今日もギルド直々の依頼だろうよ」
2人の男は談笑しながら夕方まで過ごすのであった