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コメント、ありがとうございます。

女装を見抜く力は、マリアンナよりはアリスの方が上になります。

 男の子かと思ってたら女の子でした。

 まさか、現実でこんなことになるとはね...。

 フィリッパは相変わらず美少女っぷりを惜しみなく発揮している。おかげでいまやクラスの中心、人気者だよ。もう、フィリップなんて奴はいなかった、なんてことになってしまいそうだ。



 あの後、校舎裏でマリュンが言いかけたことは何だったのかを聞いたら、

「あら、私は何も言っていませんわよ?(くそー!魔法だー!汚い魔法だー!あいつが魔法使って俺の口封じしてんだー!)」

 と返された。大丈夫、伝わってるから。

「それはどういうことだ?」

「何がです?私は何も知りませんし、見ていませんわよ?(フィリッパはフィリップっつー王子が魔法使って、皆に姿を変えて見せてんだー!俺には元からアルビノイケメンとしか見えないぞー!)」

 らしい。

 つまり、フィリップは魔法使いで、皆に幻を見せてるんだね。もしかしてアリスを魔法にかけたのもフィリップなのかな?それはまだ分からないけど。

 魔法の力で、アルビノイケメンの姿が、キラキラ美少女に見えると。魔法便利過ぎやしないかな。

 フィリップは、マリュン、後は多分マークにも口封じの魔法をかけてる。だからマークは私に謝ったんだと思う。

 でも何でマリュンにはフィリップの魔法通じてないんだろうね。

 というか、何でフィリップは女装(と言っていいのか分からないけど)なんかしてんだろ。そういう趣味なの?それだったら何も言えないわ。



「フィリッパはお前の兄なのか?」

「ぶふぉっほう!?」

 すごい吹き方したね。

 またお部屋訪問して、思いきってエイデンに聞いてみたら、この反応だよ。

「な、なななな...何故だ、何故それが...い、いや、理由はいいか。...ケイン、よく聞いてくれ」

 あれ、真剣そうな顔。

「あの人には近付くな」

「理由を聞いてもいいか」

「...ケインが危ない目に遭うかもしれない」

「それだけか?」

「それだけだ。...俺には、あの人が分からなくなってしまった」

 何か寂しそうだね。因縁とかあるのかな?

 こういう時は、フィリップを攻略済みのアリスに聞いてみよう。



「お、男の娘ですか...!?」

「違うけどまあそんなもんだよ。エイデンとフィリップって、何か因縁あるの?」

 教室で、人がいなくなったのを確認してからアリスに説明し、聞くと、アリスは首をひねった。

「うーん...因縁...?ゲームではフィリップ様はエイデン様と仲が良かったですけど...小さい頃、フィリップ様はエイデン様としか遊べなかったみたいですから」

「じゃあ兄弟仲は良好なんだね。...何なんだろ...」

「そもそもフィリップ様はゲームでは魔法なんて使えなかったですけどねー...」

 考えても分からない。

 じゃあ直接聞いてみるかな。

 エイデンには悪いけど、クラスの皆が騙されてるのは(言い方悪いけどね)ちょっと放っておけないかな。



 フィリップを探そう。

 なんて思っていたら向こうが来てくれたよ。

 それにしても、酷い。一歩間違えてたら私階段から転落してたよ?咄嗟に手すりを掴んだから良かったけど。私何かした?まだ何もしてないじゃないの。

「何をするのかな?」

 至極にこやかに質問。笑顔意識。怖くないよー。

 階段の踊り場から、私を突き飛ばしたフィリッパもといフィリップが無表情で見下ろしてくる。キラキラ美少女の姿とは合わないね。

 その口が小さく動いた。何て?

 そういえば、フィリップって魔法使いらしいんだから魔法で何かしてくる可能性もあ



 意識が戻る。

 うわっ何これ。

 私は、暗い部屋で、椅子に縛り付けられていた。

 あー、エイデンの忠告を無視した結果がこれだよ。私の馬鹿。相手は魔法使いなんだからもっと慎重になれば良かった。言い訳させてもらうと、私はフィリップに関わったことはないから、会ってすぐ襲われるとは思ってなかったのだ。

 さあどうしよう。

 ぶつりと途絶えた記憶を探ってみる。

 やっぱりフィリップに魔法を使われたんだと思われる。そこからここに運ばれたのかな。ここはどこだろう。この部屋に窓はないみたいだし、時間は分からないけど、そんなに遠くじゃない筈。だって私を抱えてたら目立つし...あ、そうだ相手魔法使いだった。何でもありの相手だったよ。

「目覚めたか、ケイン・ウィリアクト!」

 突然声がした。男の人っぽいけど、あれ、この声って...いや、気のせいか。んー、暗くてどこにいるか見えないよ。

 でもとりあえず、質問してみよう。

「何故こんなことを?」

「お前を救う為だ!」

 は?

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