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パーティー当日。
俺は可愛いピンクのヒラヒラドレスに身を包み、会場となる城へ馬車で向かっていた。
左隣には世界屈指の可愛さを持つと思う俺の姉がいる。オリヴィア姉さんは清楚な淡い青のドレスだ。絶対パーティーの参加者の中で一番可愛い。異論は認めない。
右隣にはガチガチのノア。大丈夫かこいつ。さっきから携帯のバイブみたいに震えてんだけど。
せっかくのパーティーなんだから楽しむべきだと思います。
オラわくわくすっぞ。
な ん で こ う な っ た 。
離せー!離せよー!俺には助けを待ってる弟がいるんだよぉーっ!
何で俺がナンパされてんだ!!
パーティーが始まってオリヴィア姉さんの紹介で俺とノアは第一王子と面識を持った、その後第一王子を仲介に俺とノアは目的の第二王子エイデンを紹介された。
そこまではいい。
ノアがエイデンと勇気を持って会話しようとしたまさにその時、俺はエイデンの左腕と言われる侯爵家の息子からお誘いを受けた!
おかげで俺とノアは引き離され、俺は今侯爵家の息子とお話をしている最中だ。
エイデンと頑張って話してはいるものの、時折ノアは絶望的な顔でこっちをちらちら見ている。
ごめんな、不甲斐ない姉で本当にごめんな...!
くそっ、全部こいつのせいだ!
このすけこまし野郎がぁ!
勿論俺がそんなことを思っていることはおくびにも出していない。
笑顔で侯爵家の息子とお話している。
しっかしこいつずいぶんイケメンだな。明るめの茶髪に緑色の目、エイデンとはまた違った優男だ。俺と同じ七歳くらいに見えるくせに女の扱いに手慣れていやがる!
...どっかで会ったような感じもするが...まあ気のせいだろ。
あれ、名前...。やべっ、ノアのことに集中してて、言われた筈だけど聞いてなかった。
「エイデン様の右腕と呼ばれている方は、今日はいらっしゃっているのでしょうか?」
困った俺は気になったことを素直に聞いた。
「いえ、彼は貴族ではありませんので」
「えっ?」
「ご存知ありませんでしたか。彼は魔法を使えますが平民なので、パーティーの参加はかなわなかったのです」
「そうだったのですか」
魔法ってマジかよ会ってみたいわあ...。
ちょっと考え込んだ俺に、すけこましは非難するような視線を送ってきた。えっ何?俺何かした?知らねぇのか馬鹿めってこと?
「確かに彼は身分という点では劣りますが、彼の能力はとても高いので、殿下に仕えることに支障はありません」
んっ?
えーと...どうした急に?
...あー、俺が、平民だから王子にふさわしくないじゃない!って考えたと思ったのか。
止めろよー、俺そんなこと考えねえよー。今は俺貴族だけど前世はばりばり庶民だし。選民意識とかないぜ。そこんとこ父親も母親もそんなにきつくないし。たまに母親が何てことないように使用人クビにしたりするけど。
「能力のある者がエイデン様にお仕えするのは当然ですわね」
...お?どうしたすけこまし野郎。何だその鳩が豆鉄砲くらったみたいな顔は?
「...そうですね」
すけこましが少し眉間に皺を寄せた。おのれイケメン。もっと変顔して女の子に嫌われてしまえ。
「申し訳ありません。私は、貴女のことを少々勘違いしておりました」
「まあ、そうだったのですか(えぇ...何だよそれ、どんな風に思ってたんだよ...)」
まさか木登りの噂流れてんじゃねえだろうな。
そんなんなったら俺は多分母親にシメられる。
恐ろしや...恐ろしや...。一時間まるっと説教はきついぜ...。
震える俺を意に介さず、すけこましはさっきより大分フレンドリーに話しかけてきた。まあ時々警戒もしてたけど。
ノアは大丈夫かね...。あっ、エイデンとの会話終わってる。オリヴィア姉さんと一緒に第一王子と話してるわ。
エイデンは...うわっ何かこっち来たぞ!視線に気付かれたか!
「ケイン!マリアンナじょうと何を話しているのだ?」
あ、すけこましお前ケインっていうのか。よろしくな。