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コメント、ありがとうございます!温かいコメントに、思わずふふってなりました。

 その後、ヒロインちゃんは、三日も寝込んだ。

 俺もジェイダちゃんとお見舞いに行ったけど(それを知った周りの女の子達からは、「マリアンナ様、何というお優しい方...!あんな人に対してもお見舞いなさるなんて!」と尊敬の目で見られた。いぇい)、部屋で寝ているヒロインちゃんは何やらうなされているようで、熱が一向に下がらなかった。

 ケイチーと話したんだが、ゲームのタイトルを聞いて倒れたってことは、ヒロインちゃんも俺達みたいに生まれ変わった奴なんじゃないかという結論に至った。ヒロインちゃんが回復したら話してみたいと思う。

 ヒロインちゃんが寝込んで三日目で、お城から凄腕の魔法使いがやって来ることになった。

 そいつは、俺もちょっとしか見てないんだが、すっげえ怪しかった。だって、あれ、何て言うんだっけ、ローブ?真っ白なローブを着て顔もフードで全く見えなかったんだ。怖えよ。それに今夏なのに暑くないのかね。

 年齢性別とかは分からなかったが、そんなに年上じゃないんじゃねえかな。

 とにかく、そいつの魔法のおかげでヒロインちゃんは回復した。

 そういやマークも魔法使いなんだから魔法使えばいいのにな、マークじゃまだ力が足りねえのかね。

 そんなこんなで、ヒロインちゃんは復帰してきたんだが...。

「マリアンナさんは危険だよね?ねえ、マーク君?」

 何やってんですかヒロインちゃん...びっくりしたわ。

 ヒロインちゃんが復帰した日(復帰した授業では相変わらず元気に手を挙げていた)の放課後、俺はヒロインちゃんとマークの姿を見かけていた。

 ケイチーと駄弁る為、集合場所の談話室サロンに向かっていた途中の廊下の隅っこに、二人はいた。俺はそれを陰からじっとり眺めています。

 ヒロインちゃん、よく聞こえなかったが多分今俺を危険っつったか?何それデジャブ。えーっと...あ、小さい頃のケイチーか。

「...マリアンナさんは、危険」

 だにぃ!?

 おいマークてめえ今何つった?俺を、この俺を危険だとお!?

 お願いします許してください下心がある訳じゃないんです毎日女の子の観察するくらい別にいいじゃないですかあっはいごめんなさい。

「そう、マリアンナさんは危険なの。だから、エイデン様にもそう言い含めてね?」

「うん、分かったよアリス。ちゃんと言っておく」

 あ゛あん?

 マークてめえ今ヒロインちゃんのこと呼び捨てにしやがったなこらあ!!エイデンといい、何でお前らは美少女を呼び捨てにするんだよ!いつの間に仲良くなったんだ!!

 あとヒロインちゃんの声が聞き取りにくい。何て言ったんだ?

「ふふっ...」

 ヒロインちゃんが笑う。

 うわぁ...何だあの笑みは。ヒロインちゃんの笑顔って、今までは無邪気なもんしか見なかったが、あれはやばい。何て言うんだっけ、よ...妖艶?

「じゃあ、頼むね、マーク君?」

「うん...アリス(ちゅっ)」

 ファーーーーーーーー!??

 おい、今、おい今マークがヒロインちゃんのほっぺにちゅー...どぅうわああああああああ!!!

 マーク、お前だけは絶対に許さない。こんな人のいない所で美少女に手を出しやがって。

 お前らいつからそんな関係になってたんだよ!!

 とりあえず、マーク絶許。



「...は?何それ、見間違いでしょ?マークがそんなことする訳ないじゃん」

「いや...マジだ。マークだけは絶対に許さない」

「えー、マークそんなことしないと思うけど...」

 談話室サロンにて、俺から一部始終聞いたケイチーはすげえ眉間に皺を寄せている。

「だが事実だ」

「...確かに、マーク、最近おかしいんだよね。私が話そうとするといつも忙しいって言って、いなくなるし、エイデンを放ってアリスと二人でこそこそ話してたり...あんなの、まるで、ゲームのマークみたい」

「おいゲームのマーク職務怠慢してんぞ」

「ゲームだから仕方ないよ」

 ...あれ?マークがいないってことは...エイデンはベティちゃんと二人っきりの時間が増えた...?

 マーク絶許!!

「...あ、アリス」

 おおう?

 ほんとだ、ヒロインちゃんがこっちに来る。

 この前も同じような光景を見た気が...そん時はマークが一緒だったけど。

 ヒロインちゃんは、じっとケイチーを見つめ、ケイチーは真正面からそれを受け止めている。

「ケインさん」

「ああ、アリス嬢、寝込んでしまったのは大変だったな。それで、何の用かな?」

「ケインさん、あなたはゲームのケインさんと同じですよね?」

 ゲーム?あ、やっぱりヒロインちゃんも生まれ変わりなんだな!

「...ゲームのケインと、同じ」

 ん?

 ケイチー、どうかしたのか?

「ああ、当たり前じゃないか、アリス」

 ケイチーまでヒロインちゃんに呼び捨てをした...だと...!?

 まあそれは置いといて。

 お前、どうしたんだよ?

「全く、今日も君は可愛らしいな」

 おい、こいつ、ものすっげぇすけこましな発言してんぞ。

「後でお話しましょう、ケインさん」

「ちょっと、ケイチーは私の婚約者ですわよ?ここで、私の前で話せばいいでしょう(悪役令嬢の本領発揮だぜ!)」

「すっ、すみません...」

 うわっ何かヒロインちゃん泣きそうなんだが、ごめん。

「マリアンナ嬢、アリスを責めるのは止めてくれ」

 はあん?

 えーっと、今こいつ俺のことマリアンナ嬢っつった?どこのエイデンだお前は!

 何、お前一瞬でキャラ変わったけど、何?えっ、何が起きたというのかね?

 今の一瞬で何が起きた!?からかってるようには見えねえし、ヒロインちゃんが何かした?話してただけだよな?

 なになに、魔法?でもヒロインちゃんは魔法使いじゃねえぞ!?

 どういうことなんだってばよ!?

アリス、第二形態。

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