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 放課後。

 学園の生徒は大抵誰かしらとのんびりする。それが友達同士だったり、婚約者に狙っている人を誘うだったりするけど、どっちにしても私には関わりないことだ。

 私は疲れていた。

 初日はイベントが必ずあるとは分かっていたけど、やっぱ人前であんな醜態を晒すのは恥ずかしい。

 男子寮にぐったりしながら向かい、私は自室に帰って来た。

 部屋の中には、私の世話をするために家から連れて来た従者がいる。

 名前はコーディ、髪の毛は深い緑色で、目の色は灰色。

 こいつを一言で言うと、ぽんこつ。何でこいつを連れて来たかというと、前世の私の弟の、小さい頃に似てるから(前世では私には弟と妹が一人ずついた)。

「はっ!お勤めご苦労様です、坊っちゃん!」

「...ああ」

 うん、こんな感じ。何お勤めって、私は出所でもしたのかな?

「お客様がいらっしゃっています!」

 は?

「ごきげんよう、ケイチー(やっほー)」

 あんた何で男子寮に、私の部屋にいるの?マリュン。

 マリュンは部屋の真ん中に置かれたテーブルとイスに堂々と座っている。

 あれ、おかしいな。あんたてっきりエリザベスと一緒にいるもんだと思ってたけど。

「エリザベス嬢はどうした?」

「......」

 あ、地雷踏んだ。

「...エイデェェェン...様」

 コーディがいるからか、様を付けるマリュン。いやでも取って付けたようなとはこのことだね。

「そうか、それなら仕方ないな(だからって何で私の部屋に来るの)」

「暇だし...」

 おいこら口に出すな。怪しまれるでしょ。

「...ああ、そういえば、この部屋からは中庭が見えるのね」

 マリュンは立ち上がり、窓から外を見た。どしたの急に。

「見て、ケイチー。あんなところに馬と鹿が...」

 ちょっと、コーディがいるのにエイデンをディスるんじゃない。

「その隣には美少女がいるわ...」

 ああ、エリザベスね。

「あとは...ヤンデレと主人公...」

 何?

 マークとアリスが中庭で一緒に?

 もしかしてイベント?だとしてもごめんねマーク、私はもう今日は疲れたから関わらないよ。きっとマークならアリスとも上手く付き合えるよ。

「困ったように私...ケイチーの部屋をガン見しているわ」

 ...もおおおおお。

「...ちょっと行ってくる」

「私も行きますわ」

「君は待っていてくれ(さっきアリスに関わらせないために私がどれだけ...)」

「...分かりましたわ(ちぇー)」



「あ!ケイン!」

 マーク、あんたねえ...。

「ごめん、僕、ケインと約束があったから...」

 そそくさとこっちに寄ってくるマーク。

 アリスが名残惜しそうに見てくる。

「ごめん、ケイン...」

「...お前な、私を口実に使うなよ」

「でもあの子、すごいグイグイくるし...確かに同じ庶民同士だけど、あんなに詰め寄られると怖いというか...」

 まあ理解は出来るけどさ。

「エイデンは?」

「...最初は、エイデンとエリザベスさんと一緒に僕もいたんだ。でも、アリスさんが来て...」

 気まずそうに目をそらすマーク。

 エイデンを探すと、中庭の桜の木近くでエリザベスと一緒にいた。あそこは平和だね。

 アリスはどうしたかな...あ?

 あれ、は...。

「あ、あの人...」

 うん、そうだねマーク。あいつは...。

「こんな所で何してるんだ、アリス」

 ドS教師、ハゲたアイザックだ。

前世、森崎智秋の弟は智秋が高校生の時に(本編0の時)、絶賛反抗期中だったという設定があります。弟は中三。何故か親よりも姉に対して反抗期を発動。智秋びっくりしつつからかいながら対処。

ちなみに、智秋に乙女ゲー「僕の恋を叶えて」を勧めたのは中一の妹だったりします。

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