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ブックマーク七百件...!?あれ、この間に五百件でお礼申しあげた筈なのに...。本当にありがとうございます!

そして、コメントをいただきました!ご要望には時間がかかると思われますが、出来る限り応えたいと思っております。ありがとうございました!

 これでケイチーも一安心だな。

 俺は余裕で背伸びをした。

 が、ケイチーが何やら真剣な顔で考え込んでいるのを見て、声をかけた。

「どうした?何か心配事か?」

「うーん...婚約するのは私は別にいいんだけど...もし主人公が学園に入って来なかったら、どうしよう」

「え、そんなことありえんの?」

「...さっき、マークがヤンデレだって話、したよね?」

 おう?

 攻略対象のヤンデレ魔法使いの話か?

「ゲームの中では、マークは幼い頃から家族と引き離されて、執着心ってやつがすごいことになってるんだけど...この世界ではそんなことないんだよね。さっきあんたも町でマークと会ったでしょ?あれマークが家に帰る途中だったの」

「おう...だから?」

「この世界ではマークはちょくちょく家族と会ってるから、執着心は育ってないってこと。つまり、ゲームとは違くなってるんだよ」

 はあ、要するにマークはヤンデレにはなってないってことか。

 てことは、やっぱここはゲームとは違うんだな。

「エイデンもゲーム以上に馬鹿だし...私の家族もゲームでは私に見向きもしないことになってるのに普通に仲良いし...」

 あっやっぱりエイデンはゲームでも馬鹿なのか。

 つーか、ゲームではケイチーの家族はケイチーに見向きもしないって何だよ。

「それどういうことだ?」

「ん?あー...ケインが女たらし寂しがりやになったのって、家族から愛されなかったせいなんだよね。ケインには二人の兄がいるんだけど、長男は頭が良くて、次男は剣が強い。で、三男のケインはそこそこ頭が良くてそこそこ剣が強い」

 うわ、それあかんやつや。エセ関西弁になるくらいあかんやつや。

「何をやっても兄二人には勝てないし、両親も二人ばっかり可愛がるから、ケインは他の人からの愛を求めて女の子達に声をかけまくり...そして女たらし寂しがりやが出来上がると」

 せ、切ねえ...ケイン切ねえよ...。

「その設定のせいでケインはファンの間で一番人気だったんだ。私はエイデンの方が単純で好きだったけど。まあこの世界では普通に両親は私も褒めてくれるし、兄二人も私のこと見下したりしないし、良かったよ」

「良かったなお前マジで...」

 ...ケイチーは寂しがりやではない、マークもヤンデレではない。エイデンもゲーム以上の馬鹿、か。

「そもそもゲームではケインがエイデン、マークと仲が良いなんて設定なかったしね。エイデンの右腕と左腕なんて表現もなかった」

「つーことは、ここはあくまで現実であって、ゲームのシナリオ通りにはいってないってことだな?」

「そう。だから、主人公が学園に入って来ない可能性もある。入ったとしても誰も攻略しない可能性もある」

「まあそれは別にいいだろ。入って来ないならそれでいいじゃねえか。平穏に過ごせるぞ」

「だとしたら!」

 お、おお?どうした急に?

「私とあんたが婚約する意味なくない?」

「いや、婚約するのはもしもの時のためだろ?主人公が入って来ないなら解消しても良い訳だし、備えあれば嬉しいなってやつだよ」

「...憂いなし、ね。というかそんな簡単に解消出来るかな...」

 いいんだよそこらへんは適当で。主人公がいい奴だったらそれはそれでいいし、ケイチーにしつこく絡んできたらその時はその時だ。

「そもそも主人公がお前を攻略するとは限らないだろ。気楽にいこうぜ、気楽に」

「...うん、そうだね」

 ケイチーはようやく安心したように頷いた。

 全ては九年後、学園に入学してからだ。

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