さよなら季節
夏の悪あがき
の、ような日射しの中で
蜂が花の蜜に誘われて
一匹二匹と飛んできて
秋あかねとすれ違い
モンシロ蝶が舞い降りて
身体いっぱいに啼いていた
蝉はいつの間にか消えて
カラスのダミ声が際立った
さよならを言う準備はまだなのに
行ってしまう、夏の後ろ姿はみえるけど
追うには遠すぎて
夏と秋のハーフのような風が吹いてきた
なんだか、うれしい
なんだか、さみしい
秋色に染まるのは早くて
冬が秋を食らいつくすのは
もっと早くて
夏は遠い過去になっていく