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疲れのたまり始めた足を踏ん張り、川の位置に目星をつけ、そちらのほうへ向かう。文化部の足には少しきついな。

あたりは暗くなり始めていた。

予想よりもずいぶんと歩いたころ、水の流れる音が聞こえ始め、周りは少し降りたので木が高めになってきた。

……!音のするほうへと歩いていた。確かに、川は見つかった。けど、思わぬ副産物まで見つけてしまった。川の横に人工物を見つける。

小さな要塞って感じかな。大きさはコンビニくらい?それほど大きな建物ではないのだけど石造りのせいだろう、いかつい雰囲気。小さな看板が入り口の前に立っている。それはおびただしい無数の言語で書かれていた。それの

ほとんどに読めないが見覚えがあった。そして、読める文字の羅列を見つけた。

それは日本語で

『読めるのならどうぞお入り。一緒にお話ししましょう』

 と書いてある。

看板をもう一度よくみれば、ハングル、ローマ字、アラビア文字っていうのかな?いろんな地球の文字で書かれてあるのに気が付く。英語でも同じような意味のことばが書かれていた。

少し怪しい気もするけど、同郷の人ならこの状況が分かるはず。なにより、ここが異世界なら、少しでも情報がほしい。町に行けば怪しまれることは避けられないし、それなら最初から事情を知っている人のほうがいいのかな。

でも、もしここがわたしにとって不利になるような場所だったら、どこにも助けを求めることはできない。町なら……。

分からない……。何が良くて、何が悪いの?優先すべきことは何?ちゃんと考えないと……

「もしかして読めるの?」

入り口のすぐ横の窓から大柄な女性が身を乗り出していた。この人に声を掛けられた。びっくりしながらもとっさに応える。

「は、はい」

自分の口からも、相手の口からも意味は分かるのだけれどよく分からない言葉が出てくる。だがそれはきちんと相手に伝わったようで、

「あらっ!嬉しい!久しぶりに同郷の人だわ。その服装を見ると間違いないようね。そうね……。話したいことはたくさんあるわ。さあ、入ってちょうだい!」

4とても元気な人で、わたしを迎える笑顔は本物だった。優しそうな人。信じてもいい気がする。


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