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マッチポンプ?

おじいさんのありがた~い おはなし。

「で、その異界の門の穴ってどこにあったんだい?」

 金さんが、付近の地図を取り出したので、油すましは地図をのぞき込みながら指さした。

「町のこの辺りと、畑のあたりに大きめの穴があるのう。あとはお屋敷のあるあたりかのう。」

「ふん、案内しちゃくれないかい。」

「夜になるまで待つことじゃの。今はわしらは外に出られぬのじゃ。」

「昼間の妖怪なんて、確かにおかしいわね。」

 ムーンが言うと、地図をのぞき込んだ又八とさくらは驚いた。

「ちょっと待つだ。ここってうちの裏だ。」

「又八さん、こっちはうちの畑のそばよ。」

「おう、そこは穴が大きいので、いつも使わせてもらってましたよ。」

 ぬらりひょんがそう答えると、マーキュリーが思い当たったように

「あの、そこって将軍様が通った後じゃありませんか?」

「え?そういえばそうね。私たちがしっぽ長者の家に行ったときと、畑の桜の木に行ったとき。」

「それだけじゃありませんよ。お屋敷ってあの討ち入りの時の近所ですよ。」

「でも、変ねぇ。なぜ大きさが変わるのかな。」

「おらの家の近所に来たのは、あれが2回目だ。」

「ということは、畑の近所も1回じゃないってことか。」

「そういえば、よひょうさん、畑でお通さんを将軍様から守った恩返しだったって言ってましたよ。」

 お隣同士、つうとさくらは仲が良かった。

「ってことは、やっぱり穴をあけたのは将軍様ってわけかい。」

「で、ふさいだのは誰よ。」

「多分、十兵衛だな。」

「十兵衛さん?なんで?」

「いやなぁ、帰る前にな、おいらがプルートさんに頼んだんだ。」

と、金さんは、十兵衛が怪異を切ることができる2本の名刀「髭切」と「膝切」の行方を捜していて、そのために時空の門を使わせて欲しがっていたことを話した。

「そんな簡単に時空の門は使わせることはできないはずです。」

「だからな。門の修理と引き換えってことじゃねえかな。」

「修理と引き換えならあり得ますね。」

「でも、何で金さんが頼んだのよ。」

 冷静に考えているマーキュリーの横で、ムーンは別のことに気が付いた。

「いやな、今から100年後にちょっとな。」

 なんだか照れている金さんに、ムーンはニヤニヤしながら

「やっぱり、そういうことね。」


「わかったわよ。」

 しばらくして、異界から葛葉が戻ってきた。

「あっちでも、妖怪たちが帰ってこなくって困っているらしいわ。なんでも秋の運動会の練習が始まるんだって。」

「運動会?」

「秋の恒例行事だって、小式部ちゃん言ってたわよ。」

 話を聞いた油すましが「小式部」という言葉を耳ざとく聞きつけ、話に入ってきた。

「小式部さんは戻っていらっしゃるのかのう。」

「ええ、みんなを捜しているわ。」

「それはいかんのう。早く帰らなければならんのう。」

「じゃあ、妖怪たちを集めて、異界の門を開けて、帰ってもらえばいいのね。」

「いや、ムーンさん。その場所がわかんないから困ってるんだろ。葛葉さんなんかわかんねいのかい?」

「ん~、あたしはそのまま異界に行けるから通ったことないし、わかんないわ。」

「わしらも穴は通ったが、門から出たわけではないからのう。」

「あのさぁ、プルートさんは自由に異界にある時空の門まで行けるんでしょ。プルートさんに運んでもらえばいいんじゃない。」

「そうねぇ、油すましさん。こっちに妖怪って何体ぐらいいるの?」

「そうじゃのう。三百までは数えておったんじゃが、いつの間にか人の家に住み着いとるものもおるからのう。まあ千体以上は来とるじゃないかのう。」

「だって、ムーン。そんな数、プルートさんだって運ぶの無理よ。」

「おいらが聞いたのは、せいぜい一人二人だってさ。」

「ということは、やっぱり門を捜して開けてもらうしかないわね。」

 それまで黙って聞いていたさくらが思い出したように口を開いた。 

「あの、小式部さんは門は四谷のあたりって言ってましたよね。妖怪さん達なら見えるんじゃないですか。手分けして探しませんか?」

「そうか。何百体もいれば捜すのは簡単ね。」

「おいまてよ。そんなにたくさん町の中に出られたら大騒ぎだぜ。」

「もう江戸中、みんな知ってるだ。この際、町中みんなで捜すだ。」

「おもしろーい、さすが又八さん。」

「仕方ねえなぁ。町中にお触れを出すか。」



【ごきょうくん】

おじいさんとのやくそくだよ。

携帯で霊界にはつながらんのじゃ。

式神は便利じゃな。

お化けは墓場で運動会をやるもんだ。

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