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幸徳井邸

おじいさんのありがた~い おはなし。

「四谷っていってもなぁ。結構広いぞ。」

  金さんは首をひねった 

「なんだか。三大怪談ってのが実はヒントになってるそうよ。この時代の人の直観ね。」

「ん~『四谷怪談』 四谷の階段か?」

「階段ったっていっぱいあるだろう。」

「『番町皿屋敷』 そんな屋敷あるか?」

「一枚足りない。十段なのに一段足りない。九段ですね?」

「『牡丹灯籠』 牡丹の花、灯籠?」

「牡丹の花が咲いている。灯籠に照らされた。九段の階段てことですか。」

「いや、四谷の近くに九段っていう地名があるぜ。」

「まあ、これで解決だ。」

江戸に詳しい金さんと十兵衛、又八が話しているとさくらが

「又八さん、封印を忘れてますよ。」

「あの子たち、悪い子じゃないから、悪霊として封印できないの。いたずらするけど、退治するのはかわいそうよ。」

「では、どうすればいいんだ。」

「結界を張れば、そこから外には出られないわ。」 

 ここで将軍様が話に入ってきた。金さんに向かって

「あのあたりに、開いた大名屋敷がなかったか?この時代だと取りつぶされた藩が結構あったはずだが。」

「ありますね。たぶんあの付近でした。」

「そこまで、結界を広げるっていうのは、どうだろうか?」

「お化け屋敷ね。」

 ムーンが話の内容に気づいた。

「ここで、妖怪と人が交流できればいいんじゃないかな。」  

「うむ。みんな仲良くじゃ。仏様の教えにかなっちょるぞ。妖怪とは長く使われた物に取り着いた霊が多くてな。決して悪意があるものじゃないんじゃ。」

 観音様の言葉に皆が納得したところで

「それでじゃ。わしはそろそろ戻らぬとならぬようじゃ。何とかならぬか。」

「すみません。まだ、しばらくかかりそうです。」

 先ほど、小式部に使ったのでまだ10%もたまっていない。マーズが不満そうに

「私も戻してほしいんだけど、それもあるけど結界ってどうするの。」

「明後日、土御門に行く約束をしているので、そこで分けてもらうか。」

「あっ、それね。晴明さんの話では、今の土御門にはそんな力ないって言ってた。」

「それじゃ、どうするの?」

「そんな使えない結界を護符として、かなり高い値段で売ってるらしいから、晴明さん怒ってるわ。」

「だから、どうするの?」

「そうね。晴明さん呼んで作ってもらいましょ。」

「え、安倍晴明を呼び出すのか?」

「多分、陰陽師の腕があれば、晴明さんのアドバイスで作れるはずよ。葛葉ちゃんがいた幸徳井の家でも」

「友景叔父さんに作ってもらうか。」


 それから、将軍様は「後は任せたぞ」と金さんに言って帰って行った。それから丸一日かかって、観音様を元に戻し、プルートを完全に実体化させた。観音様は祈って呼べば来ることを約束して、観音のお守りをさくらに渡して帰り、プルートは時空の門の様子を見に出て行った。

小式部は晴明を呼んで幸徳井邸に行くため、葛葉を使いに出した。位相変換器がフル充電するのに一日かかるため、そこは本人の希望もあって節約したのであった。

 もちろん小式部は、600年後の京の町を探検し、「酒呑童寺」でぶーとも再会したのであった。ぶーを始めとした3人の鬼たちは涙を流して喜んだそうな。


 その翌日、土御門邸には金さんが行くことにして、残った、十兵衛、又八、さくらと、ど〇きつねたち、半実体化した小式部は、幸徳井邸に出かけて行った。

  

「なんじゃ。また今日は大勢で、家宝は貸せんぞ。」

「いや、おじさん、おれたち何人に見える?」

「うむ。何を言っておる。九人いるが、人は七人じゃの、いや?もう一人気配があるな。」

マーキュリーが位相転換器のモードを弱にしてスイッチを入れた。

「まあ、合格ですね。」

「あなたは、もしかして」

「よくお分かりですね。私が晴明です。」

 友景には半実体化した小式部、マーズだけでなく晴明も見えていたらしい。

「いえ、何となく感じたんですよ。」

「今の時代、修行法が忘れられているようですね。友景さんはいい素質を持っていますよ。」

「それで、私に何の用で?」

「結界の護符を作ってもらいたいんですよ。」

「土御門の屋敷で買えますよ。」

「いや、あれが霊界では評判が悪くて困っているんですよ。」

「効き目がないと?」

「ええ、間違えた作り方が広がったようで、作り方を教えますよ。」

「わかりました。是非ともご教授ください。」

「工房はどちらですか?」

 友景は晴明を工房に案内した。

「これで、私の役目もおしまいね。またよかったら呼んでね。」

 位相変換器のスイッチを入れると、小式部は消えて行った。



安倍晴明登場?

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