位相変換
おじいさんのありがた~い おはなし。
「なるほどこれは、位相変換装置なんだ。」
データベースを検索していたマーキュリーが、マニュアルを発見した。
「あ、でも欠陥が多くて、ずいぶん昔に使用中止になったみたいよ。」
「ちょっと、欠陥って何よ。」
「一回の消費電力が多くて連続使用ができないことと、充電時間が長いこと、それに変換された状態で操作できないこと。だって。」
「そりゃ、変換された状態だと、その姿が見えない誰かが元に戻さなきゃいけないってことかい。」
金さんが、問題点を指摘すると、一同は一様にうなずいたが、マーズは部屋の隅の方を見ている。
「マーズどうしたの?」
「いや、部屋の隅に誰かいる。」
「もしかして、戻れなくなった人がいるの?」
「ちょっと待って。」
マーズは部屋の隅に行くと、
「あなたは、もしかして戻れなくなった人?」
<見えるんだ。よかった。さっきから声かけてるのに反応がないから、もう諦めていたんだ。今までも何度も気づいてもらえなくて……。>
「そうなんだ。いつごろから?」
<もう、300年くらいたったのかしら、私、元々時空の番人やってるから、そっちに行ったって思われたみたい。>
「置いて行かれちゃったんだ。名前は?」
<そう、私は時空の孤独な番人、ど〇プルートよ。>
「私も観音様が又八さんに降りてなかったら、こうなってたんだ。」
「ね、マーズ。この人は?」
「この人はプルートさん。時空の扉の番人って言ってるわ。」
「時空の番人?」
「聞いたことがあるわ。」
マーキュリーはデータベースを検索し始めた。
「時空の番人、ど〇プルート。時空の門を守護するど〇戦士。約300年前から消息不明。」「で、ここにいたわけかい。」
「ずーっとそこにおったから、仲間だとおもっちょったわい。」
<あっ、観音様はずっーと話してたから、声掛けなかった。>
「観音様には見えていたんだ。」
「さあ、戻すよ。動かないで。」
ようやく位相変換装置の充電が終わって、早速マーズを元に戻すことになった。
「ちょっと待って、この辺り片付けないと変なもの巻きこんじゃうわ。」
ムーンが気を利かせて、マースの周りにあったものを片付け始めた。相当の年月使用されていなかったためか。意外と埃が多かった。
「ちょっと、ムーンやめてよ。埃で……。」
近くにいたジュピターが……。 くしゅん!
その隣にいたヴィーナスが……。くしゅん!
そして、片づけていたムーンも……。くしゅん!
金さんも、十兵衛も、さくらも……。くしゅん、くしゅん!
そして、又八も………。ははは、はくしょーん!!!
そして最後まで我慢していたマーキュリーが………。くしゅーん!!!
その瞬間、マーキュリーの手が、位相変換装置のスイッチを………。
「ん?なんで観音様、ここにいるだ?」
又八が、又八に戻ったのと同時に、目の前には……。観音様?
思わず、金さんと十兵衛とさくらの地球組は手を合わせて祈り始めた。
「おまえが、急にくしゃみしたのでの、外に出てしまったんじゃ。」
「ちょっと、ムーン。何てことしてくれんのよ。」
「撃ったのはマーキュリーよ。」
「おまえが、余計なことするからだろ。」
「ごめんなさい……。」
マーキュリーは、位相転換装置のバッテリー残量を確認した。
「これ、あと0.5回撃てるみたいです。」
「じゃあこれで、私、戻れるわね。あっ、でもプルートさんが……。」
「そうね。マーズはこれで見えるし、話できるから後回しね。」
「ちょっと、ムーン。あんたのせいでしょ。反省してよね。」
「いや、わしもこのままじゃと戻れんのじゃ。」
いろいろ話し合った結果、とりあえず、姿が見えないプルートに先に使うことにした。
「みなさん。こんにちわ。私は時空の番人、ど〇プルートです。」
「ちょっと待った。時空の番人ってことは、時間も操作できるのかい。」
もう金さんは、江戸時代の常識をはるかに超えた事態になんとなく対応していた。
「あなたは?」
「おいら、遊び人の金さんってもんだ。」
「だから、今、ここでその設定いるか?」
十兵衛がつっこんだが、なんだかプルートの顔がほんのり赤い。
「金さん……♡」
金さんとプルート運命の出会いであった。(ナレーション)




