アジト
おじいさんのありがた~い おはなし。
一行と別行動をとっていた十兵衛は、摂津にある多田神社から戻ってきた。
怪異を切ることができる刀が必要だと考えた十兵衛は、源義光の「膝丸(蜘蛛切丸、童子切)」と渡辺綱が使った刀「髭切(鬼切)」を探していたのだった。頼光からの来歴を追うと、源氏→足利と渡った後、偽造品や来歴不明のもの、名前の変更などがあったため、どれが本物か、いろいろと混乱していた。とりあえず 「鬼切丸」が収められているという多田神社に向かったのであった。しかし、柳生家の威光で見せてくれはしたものの当然貸し出しは断られ、仕方なく伏見稲荷までやってきた。
アジトの探知機に十兵衛が映し出されると、早速、金さんが迎えにいった。
「やっぱり、うまかいかねえな。」
「こっちだと、将軍家の威光も通じないよ。」
十兵衛は左目の眼帯に手をやりながら山道を上っている。
「触らせてもくれないんだ。見せるだけならってね。」
「そいつぁ、使えねえな。」
アジトに入ると十兵衛は驚いて中を見回している。
「驚いたろ。おいらも初めて見たときはたまげたよ。」
「こんなもんが、京にあるなんて」
「京だけじゃなくって、江戸にもあるぜ。全国の稲荷ってつくところにはあるらしいぜ。」「侵略はそこまで進んでいるのか?上様は許しているのか。」
「仲良く楽しくってな。まあ、そこまで問題はなさそうなんだがな。」
奥の部屋に入ると、又八を取り囲む形で一同が座っている。
「それでの。その子の母親がわしを呼んだんじゃが、先に助けたやつがおっての。」
観音様に憑依された又八の口を通して、清水寺での一件が語られていた。
「じゃあ、小式部内侍を助ける霊がいたのね。」
「そうじゃのう。ただの霊じゃないぞ。天神もついとったしのう。」
「ちょっと、天神だって」
「そう、北野に祀られておる天神じゃよ。」
そこに十兵衛と金さんが入ってきた。
「又八さん、どうしたんだ?」
「又八さんに観音様が降りたんです。」
「それで、みんなでいろいろ聞いてたの。」
さくらとムーンが説明すると、十兵衛は不思議な顔をしながらも話に入ってきた。
「おれは今日、多田神社に行ってきたんだ。」
「どうして?」
「怪異を切ったっていう刀を手に入れるためだ。」
「で、手に入ったの?」
「いや、触らせてもくれなかった。」
「たしかあれは2本あったはずじゃがのう。」
「もう一本は、たしか最上の殿さまが持ってるやつか。」
「いや、『友切』といって、切られた複製品があるはずだぜ。」
「待ってよ。出るのは妖怪です。切る前に事情を調べる必要がありますよ。」
マーキュリーは、アジトにあるデータベースに向かった。
データベースのある部屋には、様々な機械が設置してあった。しかし、データベースあったのは既に確認している画像だけであった。
「ここにはいろんな機械があるわね。ね、マーキュリーこれ何?」
「ここは、衛星のデータを受け取るところだから、触らないで!」
ムーンは、部屋の中にある機械をちょこちょこ見まわしていたが、肩に担げそうな一本の筒状の機械を見つけた。
「ここにスイッチがあるわね。」
ムーンがスイッチを入れると、ブーンという音がして、筒の先が向いていたマーズが消えてしまった。
「ちょっと、何してるのよ。」
マーキュリーは慌てて、ムーンの手から不思議な機械を取りあげたが遅かった。
「マーズはどこ?」
消えてしまったマーズをみんなが捜していると。
「ちゃんと、そこにおるぞ。」
「どこに?」
「おまえの横じゃ。」
「観音様見えるの?」
「ああ、見えとるぞ。どうやらこっちの世界に入ったようじゃな。」
「え、マーズ死んじゃったの?」
「ムーン、何てことしてくれんの!」
「ちょっと待ってください。」
マーキュリーは手に持った機械を観察すると
「ありました。観音様、マーズに動かないように言ってください。」
マーキュリーは機械のスイッチの下にあるレバーを動かしてスイッチを入れた。
機械はブーンと音を立てたと思うと止まってしまった。
「マーズ、ここにいたの?」
「ああ、ムーン、何すんだよ。」
と、マーズが腕を振り上げ、ムーンを殴ろうと手を上げると、すかっ…。
何とマーズの手はムーンをすり抜けてしまった。
「これ、電源切れみたいね。」
「じゃあどうするんだよ!」
「でもさ、これで霊が見えるんじゃない。」
「ああ、さっきから観音様が、又八さんのところにいるのが見えてるぜ。」
「やった、マーズこれであなたが今回の主役よ。」
「主役はいいから、元に戻してくれよ。」
マーキュリーは部屋をきょろきょろと見まわすと、充電器を発見したようだった。
「充電が終わるまで一日はかかりそうです。」
いま語られる清水寺の真実w




