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伏見稲荷山頂

おじいさんのありがた~い おはなし。

 伏見稲荷の本殿付近で待ち合わせた一行は、稲荷山に登っていた。

「この階段どこまで続いているの?」

「こんなところにアジト造った人に文句言えよって」

 ムーンとマーズがいつものように口げんかしながら、石段を上っている。

「赤い鳥居が目印なんですね。」

「赤い鳥居だらけだ、」 

「こんなところにアジト作るなんて、なんてやつらだ。」

 地球人組の3人もぶつぶつ言いながら登っている。そして少し開けた場所にたどり着いた。

「着いただ!」

「まだ先がありますよ。」

「右と左に分かれているな。どっちに行くんだい。」

 四ツ辻までたどり着いた一行は一休みすることにした。

「5200本目の鳥居って言ってたでしょ。もう6000本はみたわよ。」

「これ、あっちこっちにあって数えらんないよ。」

「それいつの情報なの? これ絶対増えてるわよ。」

 ど〇きつねたちがもめているのを聞いて、金さんが怪訝な表情をしているのを横目に見ながら、又八は茶屋に入ってぜんざいを食べている。

「あっ!いいな。私も」

「ずるい、私も」

というわけで、みんなでぜんざいを食べている横で、マーキュリーは端末を確認している。

「位置的にもっと上よ。」

「とりあえず、一番高いところまで行ってみましょう。」

 〇きつねたちは、疲れている地球人たちを気にせず、相変わらず元気であった。

「ちょっと待った。おめえさんたち、場所わかってんのかい。」

「この上にあることは間違いないわ。」

「ってことは、捜すのかい?」

「ムーン、覚えているよね。」

「マーズ、忘れちゃったの?」

「端末に反応があるから、近くにはあるはずよ。」

 マーキュリーが端末をしきりに操作している。ジュピターは又八と、ぜんざいのおかわりをしていた。

 

 結局、散々歩いた挙句、稲荷山の頂上に一番近い一ノ峰に登り着いた。

「せんさんびゃく、よんじゅうよん!」

 それまで黙っていたジュピターが声を上げた。

「あなた数えてたの?」

「私のカウントでは1333でした。」

「私、1300までは数えていたんですが、又八さんが……。」

 又八はふらふら、よろよろとしていた。その又八の顔近くに、一匹のアブがぶーんととんできた。

「このパターン、前にもあっただ。」

と、言ったまま、又八は今、上ってきた階段をごろごろと転がり落ちて行った。しかも、運が悪いことに今回は曲り道から、そのまま山の中に転がり落ちて行ってしまった。


「又八さーん!」

「又八!」

「しっぽ長者!」

 さくらの鼻を頼りに、みんなが山道をおりていくと、又八は山中の少し緩やかになった斜面の木にぶつかってのびていた。

「又八さん!大丈夫?」

 金さんが持っていた水筒の水をかけると、又八は目を覚ました。不思議なことに又八は傷一つなかった。

「夢の中で、観音様に会った。」

 観音様の加護ってまだ続いていたのかと、さくらと、金さんは思わず手を合わせた。しかし、ど〇きつねたちは、又八とは別の方向に駆けて行った。

「あった!」

「こんなところにあったのね。」

 なんと、そこには山肌に偽装されたど〇きつねたちのアジトの入り口があった。そして、その中からは、見覚えのある人影が……。

「遅かったわね!」 

いつもは遅れて現れるヴィーナスが待っていた。

「知っているなら、最初から教えてよ。」

「みんな知ってると思ったから隠れて待ってたのよ。」

 なんだ、いつもの仕込みかと、ほかのど〇きつねが納得していると。

「ねえ、又八さん何か変よ。」

「わしは観音じゃ……。なんか口が勝手に動くだ。」

「観音様?」

「おお、さくらか、又八とはうまくやっておるようじゃの。」

「ええ、おかげで今は幸せです。」

「それは、よかったのう。……観音さまか。なんでおらの体に」

「え、又八の中に観音様がいるのか。」

 金さんは驚いて、又八を見た。なんだかいつもより神々しく見える。

「呼び出してくれたからのう、わしが結んだ二人のため、出張サービスじゃ。」


 とりあえず一行は、伏見稲荷アジトに入ることにした。


観音様降臨!

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