酒呑童寺
おじいさんのありがた~い おはなし。
幸徳井邸をでた一行は二手に分かれ、ど〇きつねたちは大江山に、金さんと又八夫婦は七条河原に葛葉の宿った障子紙を持って向かった。
「ムーン。何で別行動にしたんだ?」
酒呑童寺に続く山道を歩きながらマーズは話しかけた。山道は整備されて石段と道に沿った商店街ができている。
「将軍様の件、金さんには言ってないでしょ。」
「さくらさんにも黙っておくように伝えておきました。」
さすがマーキュリー、仕事が早い。
「それと何が関係あるんだ?」
「将軍様の耳に入ったらまずいでしょ。」
「なんでだ?」
「今回の件、私は原因は将軍様に関係するって思うの。」
ムーンはその野生の直感(思い付きともいう)でそのように判断していた。
「私も、あの画像から、時空を乱している可能性があると思います。」
マーキュリーは科学的に分析している。
「将軍様に悪霊が付いているとか?」
マーズは霊的に判断している。
「ね。ここにホストクラブ『GENJI』跡っていう石碑が立ってるよ。」
ジュピターは……。
「で、ヴィーナスはどこ行ったの?」
「また、どっかに隠れて出番を待ってるんでしょ。」
七条河原はかなりの部分が埋め立てられて、鴨川が流れる一部だけになっていた。その代わりに元の河原だったところは、七条河原町となり、屋敷が軒を連ねている。
途中、将門の首を祀った小さな祠に参った後、さくらは葛葉を呼び出した。
「会ってきたわよ!」
「で、異界の門はどこだって?」
「え?小式部ちゃんよ。異界でもライブやるって張り切ってたわよ。」
「で、異界の門は?」
「まだメンバーがこっちで揃わない、れのんさんていう丸メガネの人と、鼻髭はやしたマッチョなふれでぃさんていう人とライブやるって、でもドラムがじょんさんかきーすさんか、じぇふさんかで迷ってるって、みんなやりたがっているみたい。」
「で、異界の門はどうなっただ。」
「若いうちにあっちに行ったから、あまり変わらなかったわ。教通さん爺さんになってて笑っちゃったけど」
「で、異界の門は!」
三人が声をそろえて言うと、やっと葛葉は我に返って
「晴明さんにまだ会ってない。」
「じゃあまだわかんないの?」
「あのね。あの時、晴明さんが封印した門は、消えたのよ。あるわけないじゃん。」
「じゃあ江戸はどうして。」
「知らないわよ。晴明さんに聞いてくる。」
葛葉はまたスーッと消えて行った。
「酒呑童寺」は創建から何度も改装を重ねたようであったが、600年前と同じ場所に立っていた。入り口には数体の銅像が立っていた。それぞれの像の下には説明書きがついている。
ーミスターコブー
酒呑童寺創建のきっかけとなった大江山、山波事件で頭角を現す。酒呑童寺創建時の英雄。
ー酒呑童子ー
大江山に酒呑童寺を創建した。鬼双頭のリーダー。
「ちょっと、この人鬼?」
「鬼って、昔、月から移住した連中よね。」
「ムーン、あの写真。」
「うん、やっぱりいたんだ。ずいぶん昔に連絡取れなくなったって、タキシードうさぎ様が言ってたわ。」
「鬼たちは、まだいるのかしら。」
「それもありますけど、山波事件っていうのが気になりますね。」
「さんば……ってあれよね。」
謎は深まったが、とりあえず他の銅像は後回しにして、酒呑童寺の中の人に話を聞こうと、ど〇うさぎたちは、酒呑童寺の側面の関係者入り口に向かった。
江戸時代の酒呑童寺




