お話し
「やば、寝ちゃってた?」
安心から寝ようと思ってなかったのに寝てしまったことに焦りながら体を起こし、周りを見るとベットの上にいるのがわかった。黒髪の人はいないらしい。
ベットから降りて少し高い位置にある窓を苦労しながら開けて手前の少しだけあるスペースに飛び乗る。下を見ると結構高くて怖かったので前を見ると、かっこいい大きめの城があって、中世のような空気を感じた。
窓を閉めて、スペースから飛び降りる。部屋の周りを見ても、何か特別なものがあるわけでもないのでとりあえず唯一の扉へと歩いて行き、少し高い位置にあるドアノブ?を回して外に出る。
扉の先には今ある部屋よりも大きな部屋があって、廊下に出るかと思っていたので面を食らったけれど、中央に黒髪の人がいるのに気づいて小走りで近づく。
「あの、えっと、その、日本人ですよね……?あ、いや、とりあえず助けていただいてありがとうございます。」
何を言えばわからず、色々言ってしまう。
「そこまで気にしなくて大丈夫。奴隷一人買うくらいの金はあるし、俺もこっちで日本人に会えて嬉しいし。」
「よ、よかったです。こっちにきて、すぐ奴隷商に捕まっちゃってたので。」
日本人でよかった。それに外見的にも高校生とか大学生くらいで話も合いそうだし。
「俺も奴隷商に日本人がいるなんて思ってもみなかったからさ、たまたま用事があって行ったらまさかいるとは。びっくりしたよ。」
「その節はご迷惑おかけしました。でも、本当に助けてくれてありがとうございます。あの、ぼくの名前、『天羽 凪』って言います。」
「俺は『東雲 蒼』だ。とりあえず、ずっと立ってないで座ったらどう?」
蒼さん?君?に促されて、ふかふかの椅子に座る。日本にいた時もこんな豪華な椅子に座ったことがない。中世レベルの技術力でもこんなのが作れるのか。確かに、今まで踏んでいた絨毯もふかふかだったから予想はできたかもしれないけど。
「なんて呼べばいいとかあったりする?」
「ぼくのことはなんで呼んでもらっても大丈夫です!天羽でも、凪でも。逆にぼくこそ、なんて呼んで欲しいとかありますか?」
初対面の人とする会話、これすごく苦手だから、相手に任せることにした。苦手なことを相手に押し付けるのも申し訳ないけれど、どうせ相手も自由に呼んでっていうと思うから、好きに呼んでやる。
「……じゃあ、ご主人様で。」
えっ。
全然冒険はいらなかった。。。。
テンプレもりもりでやりたいのに。。、






