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奴隷時代末期3

奴隷時代終わり!!!!書けた!

「……今、なんて?」


「す、すみません。おそらくエルフ語だと思います。ただ、私もエルフ語はすみません。わからないですね。おい、とっとと連れて行け。」


「いや、連れて行くのはまだ待って。もう一度言ってもらえる?」


『だから!ぼく!日本人です!あなたも日本人なら助けてくれませんか?!』


わかってるかどうかも怪しいけれど、日本語を喋ってみる。このチャンスを逃せば、多分ぼくにここから出る手段はない。もしも、日本人じゃなかったら、もともとチャンスでもなんでもなかったと諦めるしか方法はない。でも、ぼくはこの賭けに勝ってみせる!


「お客さま、もしかしてエルフ語がわかるので…?」


「……いや、わからない。わからないけど、その子、…買うよ。」


「本当に、よろしいんですか?!…わかりました。すぐに、準備いたします。」


日本語で喋ってるのに、黒髪の人の反応が薄くて、しかも日本語もわからないみたいで不安になる。日本人じゃなかったっぽい。でも、もう黒髪の人はぼくを買うつもりっぽいし、取り引き用の紙を店主が用意してる。


とは言え、店主は取り引きが成立するとは思ってなかったみたいで、慌てていろんな書類を引っ張り出してきていて、まだもう少し時間がかかりそうに見える。あれ、でもお金持ってきてないみたいな話してたはず?


___________________


甘かった。奴隷を買うような大金を持ってる人が現金以外の決済手段を持ってないわけがなかった。黒髪の人は店主に厚めの紙を渡してて、おそらく手形みたいな効力を持ったやつもあるんだと思う。


店主が手形を受け取った後、男たちに命令して、ぼくを黒髪の人に近づける。ぼくの身長は相当低いので見上げるような姿勢になってしまってちょっと恥ずかしさといたたまれなさから視線を外してしまう。


「こちらが契約用の書類と首輪の魔道具の鍵です。魔道具の効果は一人の命令にしか効果がないようになっており上書きが可能ですが、追加料金がかかってしまいますが上書きが不可能な魔道具に切り替えることも可能です。」


店主はテーブルに書類と鍵を置いて話しかける。


「新しい方をもらう。上書きされるのを心配するのも面倒だしな。」


「わかりました。カタログをお持ちしますので少々お待ちください。」


数分で準備も終わり、黒髪の人はカタログを見てすぐに選びそれを店主が持ってくる。店主は黒髪の人に新しい首輪を渡して、ぼくの方の首輪を解錠する。首輪はかかってない状態だから逃げようと思えば逃げられるんだけど、すぐ後ろとか扉側に屈強な男がいるから逃げてもすぐ捕まって意味なさそう。


黒髪の人は古い首輪がなくなったぼくの首に新しい首輪をはめる。鍵をかけて、数秒後に全身に不思議な感覚が走る。全身の力が抜けて倒れそうになるところを黒髪の人に脇から抱えられてなんとか持ち堪える。


「後は、書類だけか。すぐに書いてこの子連れて帰ることにさせてもらう。」


抱えられたまま、椅子のとこまで行くとぼくを椅子に下ろした後、書類に文字をいくつか書いて店主に渡す。


店主に渡した後にぼくをまた抱えて立ち上がると、部屋の扉まで行く。扉を開けるとぼくを持ちやすいようにお姫様抱っこをする。店頭や店の中にいる人たちに見られながらなのでめちゃくちゃ恥ずかしい。顔が赤くなっているのを見られないように顔を押し付けていると、扉を開ける音が聞こえて遅れて来店を告げる用の鈴が鳴って退店を告げる。


「あ、あの、ありがとうございます。」


「なんだ、こっちの言葉も喋れるのか。まぁ、とりあえず俺の家に来たらいい。」


その声を聞いてぼくは安心したのか意識を手放した。

とりあえずご主人様と会えたので、これから冒険するぞ!

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