40.なぞの空間
「ん?あれ。ここどこだろ。」
真っ暗な空間で目が覚めた。ズキズキする頭の痛みを抱えながら起き上がると、宿にあったはずの部屋とかは消え失せてただひたすらに闇が続く世界だった。
周りを見渡してもなんの変化もなく最初に向いてた方向どころか上下の感覚も無くなってくる。
「とりあえず歩いてみるかな?」
適当に数分、何も考えずに歩くと前に何かがいるのがわかる。ちょっと怖いけど警戒しながら近づくことにした。
ゴブリン……?
あれゴブリンな気がする。ぼくに背を向けてるから正確じゃないけど緑色の肌に子供くらいの身長。ちょうど昨日見たばっかりだから間違いないと思う。
どうしようかとぼくが迷っているとゴブリンはゆっくりと立ち上がり後ろ、つまりぼくの方を向く。
「グゲゴォ……。」
「うあえ?!グロっ?!?!」
顔がぐちゃぐちゃのゴブリンだった。しかもところどころ切り傷とか火傷とかあるし、怖いよ。
なので逃げます!怖すぎるので!
あんまり余裕ないままにすぐ振り返って走る。やばそうな雰囲気感じたらすぐ逃げるのは大事だと思うんだ!
走りながらチラッと後ろの方見るとあんまり近寄ってきてない。ゴブリンの走る速度が遅いのか僕が速いのかわかんないけども。
「まぁぼくが速いに決まってるけどね!」
……魔法打ってみる?なんか弱そうだし行けそうじゃない…?
「よっしゃあ!魔法で堕としてやる!!
目をつむりできるだけ早く魔力操作して『水刃』をイメージする。目を開けて『水刃』が出てきてることを確認して振り向く。
グロゴブリンはまだまだ後ろの方にいるから
『水刃』を維持しながら追いついてくるのを待つ。
止まっていることでグロゴブリンのことをよく観察できる。体の周りにはゴブリンの血みたいなのが大量についてて腕とか足とかもほとんど取れかけていてなんであそこまで俊敏な動きができるのか理解できない。
まぁそんなこと言ったらこの空間自体が理解できないものか。
グロゴブリンとのほとんどの距離が縮まって『水刃』の射程範囲に入ったのを確認して撃つ。
『水刃』はグロゴブリンの体を腰のあたりで二つに割った。呻き声みたいな小さい声をあげてグロゴブリンは前のめりに倒れて体の内部を明らかにする。
「内臓もぐちゃぐちゃじゃん。なんで生きてるのこの生物。」
グロゴブリン以外の生物?がいなくなったこの空間は僕以外の音がしないことがよくわかる。
「う〜ん?なんもわかんないし、グロゴブリンもいるしこの空間怖すぎ。」
怖がりながらも歩き続けていると、急に眠気が襲ってきた。さっきのグロゴブリンのことを考えると少し怖さがあるけれど、このままここにいてもどうしようもないし、寝てみようかな。




