尾行
「それで一体どうするつもりなんですか?」
「まぁ、普通の冒険者なら街に戻って報告するのがいいだろうな。ただ、そうだとしても群れの巣の位置は確認しておきたい。」
ふんふん。まぁ当然といっちゃ当然ですよね。わざわざ巣を探すよりも巣のある位置も同時に報告した方が楽そうだしね。
「ゴブリンたちを尾行する感じです?」
「そうなるな。ただホブゴブリンの野生的な勘はゴブリンと比べて結構鋭いからさっきよりも慎重に行こう。」
「了解でっす!」
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ご主人様は目視で確認しながらって言ってたけどぼくが森を歩くのに慣れてないこととか考えるとボブゴブリン相手には目視の距離では無理だということで魔法を使うことにした。
ここで使うのが土属性の魔法。この魔法は単純に土とかみたいな物質を魔力を使って生み出す魔法だけど、特徴として物質として生み出した後も他の魔法と比べて格段に形を変えやすいっていうのがある。
土属性の魔法を使って地下からボブゴブリンの背中にそっと作った土をつける。ボブゴブリンは一匹で行動してるのでその土には気づかずにスタスタと歩いている。
この魔法を使えば普通の魔法を動かせる範囲を大幅に超えて管理できるし、管理できるっていうことはボブゴブリンの位置を目視しなくても大丈夫ってこと!これは完璧!
「ということです。新技というか新魔法の名前は『土蛇』です。尾行とちょっとだけ掛けました。わかりやすくていいでしょう。」
ふふん。ぼく今日だけで新魔法二つも開発できてしまうのは天才だからかもしれないな。
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尾行を三十分ほど続けると、木が全然ない空間に出た。山みたいなところに洞窟があってそこの中にボブゴブリンは入っていった。
周りを見ると切り込みは雑ながらも切り株がいくつも残っており、ゴブリンたちの手によって開拓されてることがわかる。
「あの洞窟にいるのか。面倒だな。」
「確かに。暗いですもんね。」
「……それもあるけど、外から様子を窺うことができなかったり、強力な技使うと崩れる危険性もあったりな。」
「あ〜。そういう理由もあるんですね。」
「まぁとりあえず巣の位置はわかったし報告に帰るか。来てみたらわかったけどこの程度の大きさの巣ならそこまで成長してる群れっていうわけじゃなさそうだし。」
「あっ、じゃあぼくに案があるのでやってみてもいいですか?」




