冒険者ギルド!
冒険者ギルド行きます。
今度は、ご主人様に手を引かれて酒場を出ることになった。ちょっと怒ってるっぽいので手を握るのに力がこもってる。痛いほどでもないけど。
「ご主人様。ちょっと歩くの早いのでゆっくり歩いて欲しいです。」
「……わかってる。ただ酒場出るまでは我慢して。」
別に、そんな気にするほどのことでもないと思うんですが。どっちにしろ昨日ぼくに手を出そうとしたことは忘れてませんからね。
酒場を出る(扉はカウボーイ時代の酒場みたいなやつだった。真ん中にちょっとだけついてるやつ。)と、結構な人が歩いてるのが見える。日本と違うのは、白人みたいな人が多いっていう点と、人間じゃないコスプレみたいな人がいる点。
ご主人様から昨日聞いた話の獣人とか、エルフとかそういう感じの人も結構いる。とはいえ、二十人に一人くらいだけど。
「ここはまだ住宅街と近いから亜人種は多くない。街の外壁に近づいていくと、亜人種がよくなってる冒険者が増えるからな。」
ふーん。そんなもんなんですね。あれ?
「ところで、今日どこいくんですか?まだ聞くの忘れてました。」
「冒険者ギルドに行ってとりあえず登録だけする。その後は、昨日のうちに買えなかった日用品とかを買いに行こう。」
「冒険者ギルドですか?!グッド!ぼくも行きたいところでした!」
そうです。何を隠そうぼくは結構そういう小説とか漫画とか読んでたタイプです。割と昨日から楽しみにしてたので、早めに行きましょう。
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引き続き手は引かれてはいましたが、ゆっくり歩いてくれるのでそんなにきつくはなくなりました。腕は身長差的に結構上げないといけないのでちょっと大変では有りました。
「ここが冒険者ギルドですか……。」
宿よりも城壁が近く見えるところに冒険者ギルドはありました。目算で3階か4階くらいの建物でわかりやすいところに『冒険者ギルド』と書いてありますね。
「たのもう!……。」
と、結構大きめの扉を片手で押そうとしたのですが重くて開けられなかったので、両手で開ける。
中に入ると、奥側のカウンターのようなところに制服を着た人が十人くらいいる。右側には掲示板が五つほどあって、そこにまばらに紙?が貼られている。左側には酒場っぽいやつがある。また酒場?!?!
「なんかすごいイメージ通りな感じですね。」
「それはそうだろうな。そもそも冒険者ギルドを作ったのが日本人らしいし。」
「へ〜!それなら納得ですね。」
周りを見渡していると酒場の方からこちらをジロジロみてくる集団がいてヒソヒソ話している。流石に何言ってるかはこの聴力を持ってしても聞こえないけどあんまり気分いいものじゃないなって。
ご主人様はぼくの掲示板とか酒場の方への興味を引き剥がすために軽めに手を引いてきたのでご主人様についていく。
冒険者ギルドの話なんも進んでなくない?次回がんばります。