始まり
5話目です。どうぞ!
食事が終わり陸は洗い物を済ませ、陸は帰宅の準備をし始めた。
準備が終わり、蒼に帰る旨を伝えた。
「大体の掃除が終わって僕がいなくても大丈夫そうなのでそろそろ帰宅しますね。」
というと、蒼は笑顔で見送りをしに来てくれた。
「うん。ありがとう!これで、快適に過ごすことが出来そうだよ!」
「僕がいなくてもしっかり掃除してくださいね?隣が汚部屋というのはあまり気分はよくないので。」
「わ、わかってる!もちろん掃除するに決まっているじゃない!」
蒼は若干目を泳がせながらそう返した。
(これは割とすぐに汚部屋になりそうだな・・・)
と陸は内心でため息をついた。もう一言二言言おうと思ったが、きつく言いすぎて逆にやる気を損ねられても困るので、心にとどめておいた。そして、思っていることとは別に、食事の時から考えていたことを口にする。
「あの、先輩。」
「ん?どうしたの?」
「さっき昼ご飯を食べていた時のことなんですけど・・・」
「あぁ・・・そのことなら気にしないで。自業自得みたいなものだから。」
そう言うと、さっきの笑顔とは違う、自分の気持ちを隠すかのように作り笑顔を浮かべていた。
先ほど浮かべていた笑顔との違いに気づいた陸はこの笑顔をみて胸が痛んだ。
出会って数時間ではあるが陸は蒼に対して特別な感情を抱いていた。助けてあげたい、救ってあげたいという気持ちを。だからこそ、陸は口を開いて続きを言い始めた。
「もし、先輩が良ければなんですが、勉強とか、家事とか教えましょうか?」と。
「・・・!」
すると蒼は陸の提案に、驚きを隠せなかった。
それもそのはず、蒼は陸に対して効率主義で感情をあまり見せない、どこか人間味にかけた人物という評価を下していたからだ。
蒼は驚きながらも、陸に質問をした。
「どうして陸君は私に勉強とか教えようと思ったの?」
「そうですね・・・なんとなく・・・かな?」
「な、なんとなく!?」
「はい。特に深い意味はありませんが、しいて挙げるならば、悲しそう、だったからかな。」
その言葉に蒼はまた驚く。自分の表情を見て、悲しい、という言葉をあってまもない陸が口にしたからだ。部活でもなんでも、蒼はつらい時や悲しい時はずっと笑顔を絶やさない。そのため蒼のちょっとした変化に気づけるひとは母親や、親友くらいとごくわずかな人たちだけだったからだ。
「そ、そっかぁ・・」
蒼はこう返すのが精一杯だった。
陸はそんな蒼を見て、自分の提案は迷惑なものであると判断して提案を取り消そうと口を開く。
「すみません。年下のくせに偉そうなことを言って。はっきり言って迷惑ですもんね。しかも理由はあいまいだし。だからこの提案はなかったこ「まって!」」
陸が最後まで言葉を言い終える前に蒼がそれを止めた。
「確かに、理由は曖昧だし、正直後輩のくせにッて思う部分はあるよ。」
「それじゃあやっぱり・・・」
「でもね嬉しかったんだよ。私のことを見てくれてて。それに今の私のままは嫌なの。だから・・陸君が良ければお願いしたいかな?」
「ええ、構いませんよ。そのかわり一切妥協はしませんよ。ガンガンと仕込んでいきますからね。」
「うへー、少しくらい妥協してくれても・・・」
「何かいいました????」
「イエ、ナンデモアリマセン。」
「よろしい。では早速始めますよ」
「えーーーー!!!???」
その日から陸と蒼の奇妙な生活がスタートした。
すいません4話目がすごい文章になってました。
次回からはこのようなことがないように気を付けます・・・・申し訳ありませんでした。