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40歳だが気付いたら異世界転生してアデール・トゥルーマン将軍になった件  作者: アフリカ霊長類進化研究所 ンゴ・イクァンノカ職員
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アデール将軍ついに街コンへ

ついに街コン当日、男としての覚悟を決めた将軍には

もう迷いはない


進むのだ、兵士たるもの前進あるのみ!

街コン当日


椿は会場に向かっていた、電車から下り唇を噛みしめる

緊張感の他に女子とどんな会話をするか考えている、反面楽しみだ


「今期アニメの男子キャラで誰が好きか聞いてみるか」

完全に頭がオーバーヒートを起こしていた


周りの様子が街コンとはかけ離れている

そう極度の方向音痴である為に迷子になってしまったのだ、苦難は続く


「やべえ完全に迷った」ゴソゴソ・・・「スマホを家に忘れてる!!!???」


RPGゲームで俗に言う詰み一歩手前なのである

現実は非常だやり直しは出来ない、だが財布はある家に引き返すつもりなのか


街コンは後20分で始まる


「俺は将軍(ジェネラル)だぞ引き返すなんて事は出来ない!!!」


「前進あるのみ!撤退なんて甘え、そんな事したら将軍失格だぞ俺!!」


「そうだ通行人に街コンの会場を聞けばいいじゃないか!」


「あのお、街コン会場ってどちらに?」

通行人は答えた

「目の前に港があるでしょ客船が近くに見えるあの水色の建物よ」


「よしっひとまず会場は分かった、・・・んーと・・・・地図を見るか」


「スマホ忘れたから連絡先交換出来ないいいい地図もみえないいいい!」


諦めて帰る選択は存在しない


「ハアハア・・・落ち着こう取りあえず会場を目指さなくては・・・」


20分近く歩いたのだろうか、警備員が建っているゲートが見えてきた

ウミネコの声が聞こえる即座に騒音にかき消される、やけにうるさい


「警備員がいる走らないと・・もう始まっているかも!」


やっと、着いた受付はまだ見えない全速力で脚を動かす

その背中は正門に突撃するアデール将軍の様、まるで乗り移った如く


「チョットマッテクダサーイ!」ジャキィ


あろうことか銃口が向けられている


屈強な米兵2人が行く手を阻んだ


「アナタハ軍属デスカ??」「フ○ックオフ!(失せろ!)」


情況を呑み込めない椿

「確か大型船が停泊しているこの施設であっている筈だよな・・・」


それは大型船ではなく最新鋭イージス艦と補給艦であった

緊張と焦りで錯乱状態になった椿はとんでもない勘違いをしてしまう


街コンの会場は海兵隊自治区から1km離れた場所

遠目でみた軍艦を街コン会場に横付けされている客船と見間違えた結果

在日米軍海兵隊特別自治区の門に入ってしまったのだ



バーサーク状態の椿は強行突破を仕掛けた


「アッ!トマッテーーーーーー!!」「ウツゾ!!!!」


米兵は発砲をしなかった、彼らの祖国とは違い日本では安易に撃てない

新兵なのもあるが、地域住民とも米軍は長年の交流があり躊躇した


「ハッハッ・・ハアハア・・・受付はどこだ?」




「「「「「ド ド ー ー ー ー ンッ!!!!」」」」」


「「「 バリ バリ バリ !」」」


突如爆発が起きる、それはイージス艦が停泊している方位から

バリバリと木が裂ける音、戦闘機が音速の壁を超えたような爆音が(とどろ)


衝撃波で椿が尻もちをした色々な破片が飛び散る

「一体何だよ!・・・うッ!?」


そこには無残な姿になった兵士と原型を留めていないイージス艦の姿が


「逃げろ今すぐはやくしろ!!!バカヤローーーーーーー!!!!!」


一人の兵士が大声で叫んだ、声が裏返っている容姿は自衛隊隊員だ

それ以外にも隊員の緊迫がかった無線があちらこちらから聞こえる


「はやく消防呼んで・・・どうしろってんだよ!!!」


「ダメです!シャットダウン出来ません!!!」


「こうなりゃシステムの制御盤自体を叩き割れ!今すぐにだ!」


「実験は失敗だ!テメエらの兵器せいで・・・うわあああああああああ!」


再度衝撃波が襲いかかる


直前に走馬灯が一瞬流れた、人生とは何か考える暇も与えない

目の前の光景がスローモーションの様に見える、自治区もろとも爆発に飲まれ


「ああ・・これで街コンどころかゲームオーバーじゃんか・・・」

熱波と砂埃が椿の体を打ちつける、完全に気を失った


『速報です米軍特別自治区で大きな爆発があった模様です』


緊急特番がすぐさま組まれる、テレビには炎上する街が映される


『そんでよぉ釣りしてたらよぉ、遠くにみえる軍艦が突然爆発したんだ』


『はいたった今政府から戒厳令が自治区とその周辺地域を対象に・・・』


『米軍の公式発表がありました!爆発は兵器によるものではないとの・・・』


意外にも直ぐに原因は判明

マスコミ各社にイージス艦の中にある秘密兵器が隠されていたという

軍事機密の内容を全て暴露する匿名のメールが届いた、どの様な装置なのか


注目が集まる中

いまだに日本の調査隊の立ち入りを拒否する声明を取り下げない米軍は

日本のみならず世界各国からの非難を受け、重い腰をようやくあげた


事件から1週間経ち真実が公表された


艦の中には物質転送装置と小型化された燃料気化爆弾 、巡航ミサイル等々

物騒な兵器がたくさん持ち込まれていた、中でも物質転送装置に注目が集まった


ここにおける軍事力は中国と大差を付けられ大幅に弱体化した米軍

窮地を脱する為に転送装置を用いた遠距離攻撃で逆転を狙っていたのだ


中国人民解放軍は核レールガンやレーザー兵器、正規空母を5つ保有し

無人戦闘機に至っては米の技術力を抜き、世界1位の軍事大国となった


海軍陸軍の兵器運用については合計80%以上が無人コントロール可能になり

東側{日本を除く}全ての港、シーレーンを掌握し絶対的な存在になっていた


米側は前々から実験していたそれらを使いシーレーン奪還作戦を計画

秘密裏に持ち込み制御実験を何度も行い、先月実験が成功したばかりであった


突如日本海上に停泊している全てのイージス艦内のメインシステムが

ハッキングを受け制御不能になり、完全に乗っ取られてしまう

ミサイルをお互いに発射しあい国内全てのイージス艦が爆発炎上


結果として10隻全てがお互いに対し巡航ミサイルを打ち合いのち

1隻を残して大破、残った艦は辛うじて水面に浮かぶのが精いっぱいだった


一度目にあった衝撃波の正体である、国防総省も同時に攻撃されていた

ハワイ沖に展開しているイージス機能も崩壊


転送装置の存在を知った上での東側諸国からの攻撃である事は明白

二度目の衝撃波は転送装置が暴走した余波だ


自治区もろとも地球以外の次元に飛ばされてしまった、元に戻す術はない

彼らはどこへ飛ばされたのだろうか地球上の叡智えいちを使っても不明のまま・・・






「・・・うう・・・・いってぁ・・・・」


椿は生きていた


見知らぬ岩盤に一人横たわっている、見知らぬ土地

そう完全に転送されてしまった

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